ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

高岡てくてくさんぽ10

2020年12月13日 | てくてくさんぽ・取材紀行
坂下町から明治33年築の塗料商の福尾商店と、向かいの内田寝具の間の坂下町通りを、山町筋方面へ向かう。黒板木造のギャラリーのフィッシュギャラリーマツモト、白壁土蔵の堀井洋傘店など、古い商家を見て進むと、商人町の山町筋へと出る。

山町筋は前田利長が近隣から商人を集めて、商業の拠点とした地区である。名前の「山町」とは、高岡祭りの御車山を持つことから。建ち並ぶ土蔵づくりの商家は、明治33年の大火以降に、防火のために建てられた所以がある。

10町ある山町のうち、主に御馬出町、守山町、木舟町、小馬出町に土蔵造りや真壁造りの町家、前面を洋風に仕上げた町家、レンガ造りの洋風建築の銀行など、明治中期から、大正、昭和初期に建築された伝統的な建造物が残っている。間口の狭さが分かる森田商店、右から左書きの屋号看板の井本商店の屋根には、明かり取りの窓が配されている。その隣が、中が見られる「土蔵造りのまち資料館」。昭和20年まで綿糸や綿布の卸売業を営んでいた室崎家の商家で、間口が7間、奥行きが8間半、3列3段の間取りの典型的な高岡の商家である。

前庭を抜け、通り土間から吹き抜けのあるミセ、ミセノマと上がり、座敷へ。土蔵塗りの断面見本を見ると、漆喰と幾重にも土壁が塗られ、防火の対策が施されている。数奇屋風の座敷は4つの間が田の字に配され、天井は屋久杉を使用。仏間には高岡仏壇、床の間は書院作り、欄間の一つには住吉大社の絵柄が彫られている。奥の庭の木は雪つりがされ、かつて茶室がありつくばいが置かれていた。建物は奥へと長く、通路などの先は蔵へと続いている。

高岡てくてくさんぽ9

2020年12月13日 | てくてくさんぽ・取材紀行
ギャラリー最寄りの万葉線志貴野中学校電停には、キャラクターにひみつ道具を描いたドラえもんの看板が、大きく掲示されている。ドラえもん駅長が描かれた高岡駅行きの電停で待っていると、青塗りのドラえもんトラムがやってきた。1編成のみのこの列車に、ギャラリーを見た後ピッタリで乗れるとは、何というタイミング!

この列車は、ドラえもんの生誕100年「前」を記念して2012年から運行、天井にはタケコプターで飛ぶキャラクターが描かれ、吊り革の柄もキャラクターのモチーフ。壁面には随所にひみつ道具が描かれていて、探しながら乗っていると目指す電停まであっという間だ。

どら焼きが描かれた料金箱に運賃を払い、坂下町で下車。

高岡てくてくさんぽ8

2020年12月13日 | てくてくさんぽ・取材紀行
搦手門跡から高岡城内を後に、三の丸堀沿いに進み、高岡工芸高校のアートな校門の先、高岡市美術館へ。2階には高岡市藤子・F・不二雄ふるさとギャラリーが設けられ、当地で生まれ育った本名藤本弘氏ゆかりの展示を集めている。

螺旋の階段を登ると、受付の先にピンク色のどこでもドアが。幼少期過ごした高岡の記憶、手塚治虫作品と出会い漫画家を志してから、高岡での創作活動では未発表のデビュー作「天使の玉ちゃん」、ベン・ハーの漫画化などの作品が見られる。ペンネームの検討メモには、藤子不二雄に決まるまでの様々な案が記されているのが面白い。

上京後のコーナーには、愛用の帽子にカメラ、執筆の道具類がリアルに並ぶ。貴重な原画類も見られ、同じ原画が雑誌、コミック、そして電子書籍と、形を変えながら掲載されているのが分かる。吹き抜けを囲む回廊には、連載初期で今とはややスタイルが違うドラえもんの高岡銅器像が配され、藤子不二雄作品が閲覧できる漫画ライブラリーではベンチに座って漫画を読むことも。

グッズコーナーには漫画のコマを用いた絵葉書が人気で、形がそのままのドラえもんせんべい、さらに食べる姿が焼印されたどら焼きもお土産向きだ。

高岡てくてくさんぽ7

2020年12月13日 | てくてくさんぽ・取材紀行
動物園内で注目は、入口そばに立つ銅器製の塔の「絵筆塔」。高岡銅器協同組合が154名の漫画家に「かっぱ絵」を書いてもらい、それを銅板にして柄に配している。

一枚ずつじっくり観察すると、各作者の作風に合った河童たちがずらり。名を知った作家を探したら、「11ぴきのねこ」の馬場のぼるにみんなのうたのアニメの久里洋二、トリスおじさんの柳原良平、カゲマンの山根青鬼、児童絵本の長新太などなど。あの手塚先生のかっぱ絵もあり、鉄腕アトムガッパだ。

そしてフジ三太郎のサトウサンペイの下に、甲羅とお皿を手にしたドラえもんを発見。もっとドラえもんを見に、ギャラリーを訪ねてみましょう。

高岡てくてくさんぽ6

2020年12月13日 | てくてくさんぽ・取材紀行
高岡市立博物館を後に、枡形堀を右に見て明丸へ。ここに設けられた古城公園動物園も、高岡産業博覧会の展示の一つとして開園した施設である。なんと無料で観覧でき、入って正面には、ピンク色が鮮やかなフラミンゴがお出迎え。無力といってもカピバラ、ペンギン、サル山などの人気動物に、ケープハイラックスやショウガラゴなど珍しい種までおり、なかなか本格的な揃えになっている。

面白いのは飼育員による手書きの説明POP。生態をイラスト入りで解説するほかにも、流行り言葉、動物からのボヤキなど、手作り感がありほのぼのさせる。