ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

かんぽの郷庄原の夕食@庄原

2019年03月21日 | 旅で出会った食メモ
松江から南へと移動して、広島県北の庄原盆地へ。昨夜泊まった「かんぽの郷庄原」は、里山風景の中に位置する宿である。設備は比較的新しく、温泉は露天にジェットに打たせ湯に薬湯と種類が豊富。夕食の「さとやま」コースは春らしく桜仕立てのテーマで、菜の花とアサリの辛子和え、サワラの山椒焼き、海老の彩り揚げなど見た目も味も華やか。桜風味?の稲庭うどんが香り高く、締めのさくらんぽゼリーにてさっぱりごちそうさま。

今宵はゆっくり休んで、明日からの広島編に備えましょう。

ローカル魚でとれたてごはん…松江 『かに小屋』の、境港のベニズワイガニ

2019年03月21日 | ◆ローカル魚でとれたてごはん
島根半島に向かい境水道大橋を渡る際、上からは境水道沿いに左右に広がる岸壁が、延々と見渡せた。大橋の直下付近には境漁港に水揚げする漁船が停泊しており、大橋から美保湾にかけての沿岸は水揚げと荷捌きの施設、加工施設が多数建ち並んでいる。山陰屈指の漁業基地・境漁港らしい、スケールの大きな漁港風景が展開している。

境漁港の主要魚介といえば、生の本マグロと並んでベニズワイガニが挙げられる。全国の水揚げ量の6割を占め、隠岐近海など日本海の沖合でカニカゴ延縄にて漁獲される。深度500〜2700メートルと、意外に深場に生息する「深海魚」で、松葉ガニより小柄で水分が多い分、安価で味わえるのが魅力だ。一杯が万円単位で料亭直行の松葉ガニに比べ、旅でも手軽にいただけるローカル魚介といえる。

島根半島を半周してやってきた松江市街にて、この日の昼食で訪れたのは、最近流行りのカキ小屋ならぬなんと「かに小屋」。地場産のカニを、丸のままコンロで焼いて味わう、贅沢極りない調理法が人気を博し、お客が絶えない話題の店である。倉庫のような店舗の中は、ビールケースでしつらえた卓にイスが並び、簡素というかワイルドというか。ハタハタ、ノドグロ、エビ、イカ、サザエ、カレイなどの地魚が品札に並ぶ中、カニの品札には松葉もベニズワイガニも「境港」の文字が踊っている。

氷の上に仰向けになっているのを、それぞれ一杯いただいたら、説明に従って足とハサミを外し、切り込みを入れてコンロの上へ豪快に並べて待つことしばし。軽くボイルしてあるので、ほんのりこげ色がついたぐらいが食べごろだ。ほじり出してつるっといけば、チリチリに弾けた身がプリプリに甘い。松葉ガニのほうが大ぶりな分コシがあり、ベニズワイガニはトロトロの肉汁が艶かしくたまらない。胴体にはミソがたっぷり、まる一匹分をひとりで舐め尽くせるとは、もう至高の極みである。

「かに小屋」があるのはJR松江駅に近く、水路に面した松江港の管理所を、期間限定の店舗としている。毎年冬季に開催される「松江食まつり」の一イベントでもあり、セルフサービスのため値段が手軽なのが魅力だ。松葉ガニで2500〜4000円、ベニズワイガニは1500〜2000円だから、ほぼ食材だけの相場といえる。この時期はほか、陸前高田のホタテもおすすめで、直径も高さもかなりのボリューム。ホクホク、シコシコの貝柱をかみしめると、ジュッとあふれる汁に思わず笑みがこぼれそうに。

無言のままにカニをむさぼり食い、二杯とホタテを黙々と完食。手も体も甲殻類の香ばしい匂いに染まりつつ、満足して店を後にした。沿岸から絶景を堪能し、そこで育まれたローカル魚介に舌鼓。まさに日本海の恩恵が倍増となった、島根半島の旅路である。

島根半島てくてくさんぽ6

2019年03月21日 | てくてくさんぽ・取材紀行
島根半島てくてくさんぽ、地蔵崎からはいったん境港の対岸あたりまで引き返し、隠岐行きのフェリーが出る七類から県道37号線を、日本海沿いに半島ドライブしていく。海の色は南国のエメラルド、ところどころに小さな白砂浜が点在し、石州瓦の集落が車窓を過ぎる。青、白、橙の鮮やかなコントラスト、まるでスペインの地中海岸の街を思わせる、とはオーバーか。美保関から日御碕までの半島沿岸には「島根半島四十二浦」が制定され、浦の汐汲みをしながらそれぞれにある社を巡る巡礼があるという。

半島の北端・多古地区には展望台が設けられ、やってきた東方面の海岸線の海食断崖が一望できる。斜面には「多古の七つ穴」と呼ばれる洞穴が空いており、ちょっとミステリアスな奇観だ。高さ40メートル、穴は長さ400メートルに渡り連続していて、数は名に合わず4つとか7つとか諸説あるとか。展望台から数えてみたら、確かに9つの洞穴があるようだが。

そしてここからは、七つ穴のほかにも絶景が。一枚ずつ紹介しましょう。