小諸・中棚荘での昼食は、敷地内の「はりこし亭」にて。屋号は藤村の詩に出てきた「はりこし(おやき)」からとっており、建物は江戸期築と145年の歴史がある。藍染・養蚕で使われたものを移設しており、58畳もある広間に並ぶ卓には小諸特有の長座布団が添えられ、思わず転がってくつろぎたくなる。天井を見上げれば年季あるアカマツの梁が匠の和情緒を伝えており、宿の明治期の建物に併設されてさらに時代感を膨らませている。
料理長の横田さんは京都「たん熊」系列で修行、京風の流れを汲みつつ食べ応えのある料理に定評がある。この日のお昼「お煮かけそば」は、けんちんの鍋でそばを湯がいていただくスタイル。そば処信州らしい郷土の鍋で、そばを鍋に投げ入れるから「投汁(とうじ)そば」とも呼ばれる。繁忙期に手軽に給仕できる料理が所以で、仕事の合間に手が空いた人から銘々鍋にそばを入れてたぐったという、労働食かつファーストフードでもあったようだ。
ラクロスのラケットのミニ版のような、投汁籠という道具にそばをひとまとまり「投げ込み」、ささっと好みの加減でゆでてひとすすり。カツオダシのさっぱりしたつゆに締まったそばが合い、そばというかしゃぶしゃぶのような感じがする。自前の畑の新そばに加え、湯は温泉を使用。アルカリ泉のためダシの出がよく、体にスッと落ちていく。三つ葉、ネギなどの葉物など季節の野菜を入れるのもお約束で、ゴボウが入るのも流儀。ホコホコとした食感がまた、そばの穏やかさといいコントラストになっている。
散策前ながら体はホカホカ、長座布団がお昼寝へと誘惑してしまうような。
料理長の横田さんは京都「たん熊」系列で修行、京風の流れを汲みつつ食べ応えのある料理に定評がある。この日のお昼「お煮かけそば」は、けんちんの鍋でそばを湯がいていただくスタイル。そば処信州らしい郷土の鍋で、そばを鍋に投げ入れるから「投汁(とうじ)そば」とも呼ばれる。繁忙期に手軽に給仕できる料理が所以で、仕事の合間に手が空いた人から銘々鍋にそばを入れてたぐったという、労働食かつファーストフードでもあったようだ。
ラクロスのラケットのミニ版のような、投汁籠という道具にそばをひとまとまり「投げ込み」、ささっと好みの加減でゆでてひとすすり。カツオダシのさっぱりしたつゆに締まったそばが合い、そばというかしゃぶしゃぶのような感じがする。自前の畑の新そばに加え、湯は温泉を使用。アルカリ泉のためダシの出がよく、体にスッと落ちていく。三つ葉、ネギなどの葉物など季節の野菜を入れるのもお約束で、ゴボウが入るのも流儀。ホコホコとした食感がまた、そばの穏やかさといいコントラストになっている。
散策前ながら体はホカホカ、長座布団がお昼寝へと誘惑してしまうような。