ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

旅で出会ったローカルごはん…高山 『麺やしらかわ』の、中華そば

2015年11月18日 | ◆旅で出会ったローカルごはん
高山・居酒屋こがねの、ローカル料理での宴のあとは、店を出てから地元の方がぜひ! と推すラーメン屋で、飲み後を締めることに。国分寺通りの「麺屋しらかわ」は、創業4年の新しい店。夜が早い高山にあって23時ごろまでやっており、遅い時間でもお客の出入りが絶えない。

高山は古くからのラーメン処で、市街には150軒もの店があり、それぞれの味を競っている。醤油味のあっさり薄味スープに細麺が特徴らしく、ここのも極細の縮れ麺に魚介ダシ系の分厚いスープが絡み、懐かしい旨さに感嘆してしまう。

最近は高山ラーメンなどと、ご当地ラーメンにカテゴライズされることもあるが、ご主人いわく「うちが目指すのは、ラーメンじゃなく中華そば」確かに高山の飲食店、「食堂」とか「中華そば」とかの言葉が、よく似合う鄙び加減な気がする。

旅で出会ったローカルごはん…高山 『居酒屋こがね』の、あげづけと漬物ステーキ

2015年11月18日 | ◆旅で出会ったローカルごはん
高山・朝日町の居酒屋こがねでの飛騨の宴は、富山湾の魚介に飛騨牛と進んでいく。旅のハレ的な料理もいいが、むかし町だけに土地に根付いた味覚も楽しみたいところ。この店を選んだ地元の方は、ブリも飛騨牛も贅沢品で滅多に食べない、とおっしゃるから、この後出てくる常食のアテに期待したいところだ。

まず続いたあげづけは、食感がパリッ、中がしっとりとして、なんとも懐かしい味が付いている。豆腐のような大豆っぽいような、と思ったら、名の通り油揚げを秘伝のタレにつけたもので、軽く炙るのが地元流だそう。高山の豆腐店「古川屋」が製造、界隈のスーパーなどで扱われており、まさに飛騨地方の家庭の味だ。最近、大柄な女装家の方の情報番組で紹介されたところ、人気が爆発。一時は入手困難になったそうだから、テレビの力は凄まじい。

飛騨は山がちな土地柄のため、古くから地元でとれる産物に限りがある。地場産の食材に加工品が多彩なのは、そのためだという。保存に重きを置いた食材も多く、収穫物の少ない冬場に備えているともいえる。「でも、同じ食材が続くとさすがに飽きるので、手っ取り早く変化をつけるのが焼くこと。朴葉味噌にさっきのあげづけもですけど、飛騨地方は焼いたり炙ったりする料理が多いんです」

その最たるものです、と出てきたのは、案内の方が一押しするステーキ。飛騨牛でも地鶏でもない、なんと漬物のステーキである。白菜の切り漬けやカブの漬物のスライスを、サッと炒めて花カツオをかけただけ。シンプルながらこれが滅法うまく、熱を加えたため乳酸の旨みが活性化。卵でとじたため酸味が丸くなり、飯の友にも地酒「山車」の友にも箸が止まらない。

簡単に調理できるので朝食のおかず向きだそうで、ごはんと炒めてキムチチャーハン風にしても旨そうだ。これも保存食の応用でもあるし、保存し過ぎて長く漬かり過ぎた漬物を利用する、無駄のない料理でもあります、と案内の方。「とりあえず焼いとけ、が飛騨の食文化ですかね」と笑う。ステーキといえば飛騨牛もいいけれど、漬物の方で当地の食文化の真髄に触れてこそ、素顔の飛騨を訪ねる旅なのかも知れない。

旅で出会ったローカルごはん…高山 『居酒屋こがね』の、富山湾の幸と飛騨牛料理

2015年11月18日 | ◆旅で出会ったローカルごはん
高山の夜は早い。18時を回れば、駅前商店街でシャッターを開けている店はまばらで、商人の町だから朝早いためなのか、小京都らしい趣を保持するためなのか。しかしながら、高山にだってナイトゾーン、飲屋街はちゃんとある。上三之町へ向かい宮川を渡る手前、朝日町界隈へ一歩踏み入れたら、そこは赤提灯や行灯煌めく、誘惑あふれる路地が錯綜する一角。整然とした観光都市高山で、地元の憩いのエリアである。

今宵の先達は地元の方なので、飛騨の名物から普段使いな料理まで味わえる店「こがね」に案内いただいた。店構えは地方都市の居酒屋らしい、飾り気のないたたずまい。座敷に落ち着き、まずはつくりと突き出しからスタートだ。つくりはヒラメにモンゴイカにブリ、ビントロといった、富山湾の幸。高山は意外にも魚の旨さで知られ、東海北陸道のおかげで内陸ながら鮮度のいいネタが入ってくるという。

続く飛騨牛はローストビーフと網焼きで、赤身が残り肉汁のジューシーさがたまらない。飛騨牛は旅行者にとって、旅の目当てのご当地グルメ。肉質等級が3〜5と幅広いため、ステーキをはじめ朴葉味噌焼きなどの郷土料理、さらに串焼きにコロッケに肉まんといったテイクアウトまで、当地の飛騨牛料理は多彩だ。地元では普段使いされてるのか尋ねたら、「3クラスなら肉屋やスーパーで普通に置いてるが、めったに買うことはないね」と笑う。

のっけは観光客向けの華のある品々が並んだが、飛騨の人の常食も味わってみたいところ。以下、追って。

高山白川郷てくてくさんぽ5

2015年11月18日 | てくてくさんぽ・取材紀行
このたびのベストショット、やはり高山・上三之町は、早朝か日没直後に限る。

北陸新幹線でのアプローチが眼目のこのたびのミッション、路線バスで白川郷に途中下車して高山へのルート、行きやすい上に時間と周遊予定を有効に使え、なかなかオススメ。名古屋から下呂との組み合わせ、松本から上高地乗鞍との組み合わせとともに、今後の選択肢になりそうだ。

高山白川郷てくてくさんぽ4

2015年11月18日 | てくてくさんぽ・取材紀行
高山到着は16時過ぎで相変わらずの雨模様。上三之町は17時にはほぼ閉店してしまうので、薄暗いなり雨なりの町歩きに出てみた。

上三之町は古い建物が残ってはいるものの、ほとんどが観光みやげ飲食店舗なので、このところ足が遠のき気味だった。が、こんなコンディションで行くと人は少なく店は閉め始めているため、かえってしっとりとした佇まいに。白熱灯の温かい明かりが雨に萌え、商家の店構えをほのぼの照らしている。

上三之町の散策は人ごみのない早朝がおすすめだったが、雨の夕暮れも新たに加えることにしよう。