飛騨路からの帰りの新幹線乗車前に、富山駅ビルのきときとプラザの「西町大喜」で、富山ブラック初体験の昼ごはんに。能書きには市街でいちばん古いラーメン店、かつ富山ブラックの元祖とあり、新幹線開業効果のおかげで駅ナカで味わえるのがありがたい。
出てきた丼はスープは深い濃茶、太麺もそれに染まりきり、カーキ色っぽく馴染んでいる。黒胡椒もたっぷり振られ、見るからに濃そうだ。具とともに全部よく混ぜ合わせて、との店の方の指示のもと、ザザッとやってひとすすり。すると何かの間違いでは、と舌を疑う激しょっぱさ、見た目の通りの味に個性以上に戸惑いを覚えてしまう。
富山ブラックの起源は戦後すぐの頃で、労働者の塩分補給のために醤油味を濃くしたラーメンを指す。現代人にはちときつい強めの味が、当時は体も求めたごちそうだったのだろう。デフォルトより茶味を帯びたメンマもチャーシューも、同レベルの味わい。料理が体に沁みるのではなく、体内の水分が逆に持っていかれるかのようだ。
しっかり混ぜ込んだからか舌が慣れてきたからか、中盤以降は割とすんなり進み、舌も体も黒の洗礼に染まりきってしまった。麺のコシがありメンマはシャキシャキ、チャーシューもしっとりホロリとよくできている。スープが残るのはやむなしで、飲み干すと塩分過多に、ライスを合わせて凌ぐと炭水化物過多になるのがたまにキズだが。
飛騨高山の朝は、朴葉味噌が焼ける香りから始まる。駅前の飛騨高山ワシントンホテルプラザの宿泊プラン、普通の和朝食にこの一品が加わるだけで、ぐっと旅感が盛り上がる。
最近、全国のビジネスホテルで、これが広まっている。名古屋で味噌おでん、帯広で豚丼、社用の宿泊に潤いが出ていいことだ。
最近、全国のビジネスホテルで、これが広まっている。名古屋で味噌おでん、帯広で豚丼、社用の宿泊に潤いが出ていいことだ。