ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

岩手県西和賀町の夕べ

2015年11月20日 | 旅で出会った食メモ
岩手県西和賀町の夕べ、銀河高原ビールで乾杯後は、地場産食材を用いた料理の数々にて、その実力を計ることに。山と里の幸のメインは豊富な山菜で、思いの外多彩な料理法にすべて試さずにはいられない。

ザクザクのキャベツに、ミズの実の粘りが対照的な浅漬け。まる1本贅沢に使い、柔らかに仕上がった西わらび浸し。干しぜんまいと凍み豆腐がホッコリ優しく、身欠きニシンが京風惣菜な山菜煮物など。わらびはネットリと滑らかで、にぎりや巻き寿司のネタにもなる存在感がすごい。クレソン、シイタケ、ミズの実、里芋は、天ぷらのネタでも堂々たる主役。

また西和賀には個性的な料理や食材が多彩で、細めでシャキッとした寒ざらしそばに締まってて食べ応えある源助豆腐、さらにビスケットの天ぷらなんてのも。この日の推しは納豆汁で、味噌甘さと納豆甘さのバランスが絶妙だ。キノコや野菜もたっぷりと、まさに故郷を思い起こす味わい。会場であるヒルトンの料理長が作ったら、地元のおばちゃんにダメ出しを食らったそうで、素朴ながらこだわりの味らしい。

湯田牛乳公社のコーナーでは、殺菌温度とホモ・ノンホモの違いで、舌触りや濃さが異なる「利き牛乳」も体験した。これらの山菜や野菜、乳製品が、町のブランドとなっているのが、西和賀町のすごいところ。資源を掘り起こして活用する姿勢が、実に徹底されているのである。

宴の半ばには町の人々が壇上に上がり、それぞれの町への思いを語っていた。若い人は「自身のスキルを町の発展に活かせる」「自然や人のふれあいは、都会にはないもの」と、自身と町の可能性を感じている様子。年配の方も、若手の交流が活発なおかげで、仕事の技術や土地の文化を伝承できるのが嬉しいと語る。

元気で前向きな町の宴に混じったおかげで、自身の襟も正された思いがする。西和賀のために、自分のために、できることをやっていきましょう。

岩手県西和賀町の夕べ

2015年11月20日 | 旅で出会った食メモ
岩手県西和賀町の夕べ、オープニングは太鼓の音とともに、名調子に合わせたさんさ踊りを舞いつつの、町のおもてなし方の入場から。おや、どこかで見た方も踊ってるような。

開会に先立ち、細井町長から町の紹介を兼ねた挨拶があった。西和賀町は奥羽山脈の小さな町で、今は紅葉が終わり冬を待つばかり。雪深い地で積雪は平年2メートル、積もれば15メートルにもなるとか。そんな山里が六次産業を推進し、農産林産加工品を町おこしと観光進行に結びつける取り組みを行っている。

食と観光による活性化のキーワードは「共同と連携」。このパーティーもその一環で、地元の料理を味わい、そこで出会った方々の力も得て広く発信してもらうことを目的としているそうである。人との繋がりとそれによる相乗効果が、西和賀を前に進める力、と熱弁。「田舎者が自信を持つ町」との主催者側の言葉も、なかなか伊達ではない。

三陸復興観光商談会・かけはし交流会@原宿

2015年11月20日 | 町で見つけた食メモ

原宿のベニーレベニーレで開催の、三陸復興観光商談会に参加。冒頭、復興状況の現状についての説明があり、着実に進んでいる一方で人材や資材の不足、移転先や防潮堤建設の用地確保の難しさ、災害公営住宅の建設や鉄道復旧の遅れなど、諸問題も提言された。そんな中、主産業である水産業は9割の復旧を見せているとの明るい話題もあり、この店の食材にも多様されてるとのことだった。

そして料理は遠野出身の料理長・菊池シェフが腕を振るう。前菜のいわて旬野菜の盛り合わせは、そのまま食べられる新鮮野菜のオンパレード。糖度14度のキャベツ「あやめ雪」の窯焼きはじめ、イエローにんじんに大船渡のズッキーニと、土の力強さを感じる。フグにヤリイカにマダラのフライは、衣に海苔やカレーをあしらいひと工夫。海の幸のプレートも、マダラやムール貝など沿岸の幸があふれている。

肉料理は、岩泉の誇るいわて短角和牛の赤ワイン煮。赤身中心の肉が6時間煮込んだおかげて、ホロリと柔らかく口の中でほぐれるのが心地よい。締めの海鮮丼に海鮮朝粥も、宮古の地酒「千両男山」をしこたまいただいた締めには、嬉しい優しさだ。

会場には、両親が北上市出身というパンチ佐藤さんも応援に駆けつけ、抽選会のプレゼンターを務めるなど大活躍。観光の復興の息吹を、食に人にたっぷり感じられた宴、これからも旅行書にできることを、微力ながら力添えしていこうと心に感じた会だった。