ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

町で見つけたオモシロごはん…神田須田町 『六文そば』の、いかげそそば

2014年12月02日 | ◆町で見つけたオモシロごはん

神田須田町の下町さんぽで、界隈の歴々たる江戸の老舗の中から、藪蕎麦のせいろで昼ごはんにするつもりが、出くわしたこの店にハートがっちり鷲掴みにされてしまった。「六文そば」は、三角の区画の頂点の角っちょにある小さい店。他の店々とは違う意味で、たいそうな趣がある店構えである。

昨日の竹むらとはこれまた違う意味で年来ある、傾いたカウンターの丸椅子にギシリと腰掛けると、ガラスケースに真っ茶のカリカリに揚がった天ぷらがズラリ。いかげそそばがお勧めのようで、「当店オリジナル」「一度食べたら忘れられないよ」「お腹、肝臓、腸を整えるタウリンがたっぷり入っています」と、推し麺らしき能書きが目立つ。

げそ天をのっけたものかと思いきや、そばにのってるのは分厚くまん丸なかき揚げ。刻んだゲソがたっぷり入っていて、サクリ軽くクイッと甘くと、歯ごたえも味もなかなか。これが小麦粉ベースでふがっとしたそば、醤油味が鋭角に切り込む真っ黒なつゆの、いかにもな立ちそば仕様となかなか合う。ゲソがひと口大なのでかみ切らずに食べやすく、つゆに溶けスペクタクルしてからは「いかブツそば」としても悪くない。

今時もう見かけない、コインタイプのレトロなキャッシャーで支払いを済ませ、ごちそうさま。店頭を改めて見回すと、またまた違う意味で味わいある文字の能書きで、びっしり埋め尽くされている。「鰹と鯖の本ダシを使用」「早く安く最高の味」などなど、400円のそばにも藪やまつやに負けず劣らずの矜恃が込められている、のかも…。


町で見つけたオモシロごはん…神田須田町 『竹むら』の、揚げまんじゅう

2014年12月02日 | ◆町で見つけたオモシロごはん
晴天で紅葉日和の今日、都心の下町をはしご歩きしてみた。日本橋をスタートして皇居、丸の内、浅草、上野と巡り、神田須田町で日が傾いてきた。あんこうの「いせ源」や鶏鍋の「ぼたん」に誘われるが、当面お酒は自粛の身。軽く間食をのっけられる店を探したら、前述の料亭に並び立つ重厚な建物の甘味処を見つけた。

「竹むら」は池波正太郎も通い作品にも登場する老舗で、風格ある建物は都の歴史建造物に指定されている。ガラリと戸をくぐると、奥に甘味を並べ売りする帳場が控え、その前の三和土に年季が入り艶のある卓が並ぶ。椅子に腰掛け、ゆるい明かりと時代ものの造作の中にいると、自身も時の流れから置いていかれそうで何とも心地よい。

ほの酸っぱい桜湯をすすりながらしばし待つと、名物の揚げまんじゅうが運ばれてきた。熱々のにグシッとかぶりつけば、衣がさっくり、やや厚めの饅頭皮がもっちり、そしてこしあんが控えめにサラリ。揚げてあるからボリュームがあるのに、あんが上品なのでスッと入っていく。この季節は雑煮もやっており、組み合わせ次第で間食ながら充分満腹にもなりそうだ。

持ち帰り分も追加して、紙袋片手に店を出ると、近所の料亭の行灯に明かりが灯りはじめている。神田須田町を堪能するなら、日が暮れてから町内界隈を腰を据えての「はしご」が、またよしの様相である。

都心下町てくてくさんぽ3

2014年12月02日 | てくてくさんぽ・取材紀行
1日駆け足で下町巡り、14時からは上野へ。かつて公園の斜面にあった食堂ビルは、さくらテラスという小綺麗な建物に。B級名物の「西郷丼」、もう味わえないかな。

お約束なので、あの方のカットも押さえて。ほりのぶゆきの言うところの「ヒッポリト星人にブロンズ像にされた、元横綱武蔵丸の武蔵川親方像」か?