ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

県北食ライブ@茨城マルシェ

2014年12月18日 | 旅で出会った食メモ
銀座・茨城マルシェで来月開催の「kenpoku食ライブ」プレス発表にて、アンコウの吊るし切りが披露された。民宿しのはらの篠原聡さんの腕前を拝見しながら、アンコウにまつわる様々なお話を伺った。

この日のは7キロほどで、大きいのだと20〜30キロ、篠原さんは50キロのを捌いたことがあるとか。食用に用いる種はこのキアンコウやホンアンコウで、暖流と寒流が混じる「常磐沖」でとれる良質なものだ。底引きで漁獲されるが数は減っていて、もとは漁師料理ながら今では高価な郷土料理になってしまった。

アンコウは軟体ゆえまな板で捌けないため、重心を安定させるのが吊るし切りの利点という。七つ道具を順に追うと、まず「ヒレ」を落とし、コラーゲンあふれる腹と背の「皮」をスルリとひくと、ツルツルの真っ白な姿に。腹からは目玉部位の「キモ」、シコシコの「胃(水袋)」を傷つけないように取り出す。キモは重さの1割ほどを占め、鮮度がいいから弾けるような弾力。網袋のような「卵(ぬの)」は、抱卵期には体重の半分を占めるとも。

解体にはアンコウ自体の重みも利用し、片側を外してはブラ〜ンと放り、戻ったのをキャッチしてもう片側を外したりと、ユニークな様子も。頭部の棘や返しの歯に気をつけつつ、コリコリの「えら」を外したら、最後の「身(柳肉)」は中骨まわりにさらっと付いている程度。歯ごたえあり刺身でもいける、希少な頬肉をはずしたところで、見事頭と中骨と尾だけのスリム? な姿となった。

これを漁師料理の「どぶ汁」風に仕立てていただくのだが、また追って。