八景島駅前にある「海の公園カキ小屋」にて、酔心カップ燗酒×焼きガキ。産直の広島カキを、瀬戸内にいる気分で横浜にて楽しむなら、ローカル魚介に広島の地酒のこのコンビが馴染む。
炭火の炉に大粒のカキをずらり並べ、カップ酒を空けた小鍋も隅に据える。クツクツ殻から汁が吹いたらひっくり返し、酒もぬる燗になったらカップに戻して準備完了。ツルリ、ジワッ、ホックリとしたカキの滋味が、カップから直飲みの地酒と融合。殻からつまむごとに、鍋から飲むごとに、プハッ、フーッと涙ものの一期一会。
初の来店時、寒風が吹き抜けていた掘っ立て小屋も、いつしか早咲きの桜にあたりが彩られる季節に。Rがつく月もいよいよ最後の、名残のカキに杯ならぬコップが重なる。一献一品の小さな酒宴、今宵も天下太平なり。