ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

文化放送「吉田照美のやる気MANMAN」午後2時の興味津々 出演記その2

2006年11月24日 | テレビ・ラジオ出演の番組情報

 ラジオ放送の最後でブログの紹介をしたおかげで、昨日からアクセスが今までの5倍ぐらいに激増! やっぱり電波の影響力って、すごいもんですね。

 という訳で、放送を聞いてアクセスして頂いた方、こんにちは。ラジオや本で紹介している「ローカルごはん」を始め、もうひとつのテーマである漁港や市場巡りで見つけた「お魚ごはん」、自身の日頃の行動範囲である東京や横浜の「オモシロごはん」など、週3のペースで綴っています。毎日…とはお願いしませんが(笑)、お腹が空いたとき、旅先でうまいもんがないか知りたいときなどに、手軽にアクセスしてみてください。

…で、昨日と今日はイレギュラーで、「吉田照美のやる気MANMAN」午後2時の興味津々の模様を綴っています。今週末は那須高原で見つけた高原野菜料理や、本格焼酎の試飲会、ディズニーランドのレストランバイキングなどから、綴っていく予定です。では昨日の前半戦からの続きを 


※ローカルごはんトークは、根室のエスカロップに始まり、長野・伊那の馬肉料理と続き中盤へ。次が勝負どころの須崎・鍋焼きラーメン。「仕込みネタその2」の効果は?


では、続いてのローカルごはんは、こちらです。

   ~~~~~~ 汽 笛 ~~~~~~

<小俣>高知県・須崎の鍋焼きラーメン

<照美>これは、どういうラーメンなんですか?

<上村>もう、名前の通りそのまま(笑)。鍋焼きうどんのラーメン版で、土鍋でガンガン炊き込んだラーメンのことです。

※今までの2つのローカルごはんに比べて想像しやすいのか、お二人ともすぐに納得、の表情。

<照美>須崎の鍋焼きラーメンは、店によって入っている具などは違うのですか?

<上村>ローカルごはんって、場所によっては結構細かい定義とか決まっていることもあるんです。古くからのスタイルを守るとか、町おこしに利用する場合、一定のクォリティも必要ですし。で、鍋焼きラーメンの定義は、スープは親鳥のトリガラからとった、醤油ベースで濃い目のあっさりスープ。具は親鳥の肉に、ネギ、生卵、ちくわ。あと酸っぱい古漬けが小皿で付いているのがポイントで、かじると鳥ベースの濃い目の味に飽きた味覚が、さっぱりと変わっていいですね。

<照美>鍋焼きラーメンのルーツは、どこにあるのでしょうか?

<上村>この鍋焼きラーメン、そもそもは戦後すぐに開業した店の看板メニューだったんです。戦後の食材不足の中、鳥屋さんから分けてもらった肉やトリガラをベースに、定義にあったネギやちくわといった須崎で手に入りやすい食材を駆使して作っていました。そしてポイントである「鍋焼き仕立て」は、町にいっぱいあった木材の加工場で出たおがくずを燃料にスープを炊いてだしたところに由縁があります。

<照美>これって、ガンガン煮込んでかなり熱いのですか?

<上村>中は泡を吹いているぐらいグツグツやっているし、土鍋は保温力があるから、食べ終わるまで熱々。私は食べ終わるまでに、3回ほど口の中をやけどしてしまいました。
熱いといえば、このラーメンを食べに行ったのは6月の終わりごろでした。梅雨の谷間の晴れ間はいいんですが、土佐湾に面した港町だけに湿度のすごいこと。蒸し風呂というか、町そのものが鍋焼きラーメン状態でした(笑)。

※「町が鍋焼きラーメン」にお二人ともけっこう笑い。ウケてよかった! でも、CMなしのぶっ続けのおかげで、そろそろ私がばててきた。手持ちのメモを追うのもワンテンポ遅れ気味に。起死回生と、ここで「仕込みネタその2」を披露!

<照美>何でも、須崎には鍋焼き関係の名物がまだまだあるそうですが?

<上村>そうなんです。実はここで、おふたりにお土産を持ってきました。

※ ここで持参した、本に紹介の鍋焼きプリンとチーズタルトを出す。見た目がそのまま鍋焼きラーメンのプリンとタルトに、お二人のびっくり、感心のリアクションで番組中いちばんの盛り上がりに。前日にクール便で取り寄せ、自宅を出るギリギリに到着とハラハラしたが、持ってきて大成功! 照美さんより「お店からいくらかもらってんじゃないの?」とツッコミも…。

※これで調子に乗り、ふたたびこちらからクイズを出題。

<上村>これ、何と、鍋焼きラーメンを模したプリンに、タルトなんです。ちゃんと鳥のスープに黄色い麺、生卵にネギ、ちくわまでのっているでしょう。さて、ここでまたクイズです! それぞれ、何で出来ていると思いますか? 

<照美・小俣>茶色いスープはカラメルゼリー、ラーメンを模しているから、一見しょっぱそうだから不思議だね。麺はモンブランみたい。生卵は白身が生クリーム、黄身は果物…桃? ちくわが傑作、シュークリームのシュー皮ですか?

<照美>熱々の鍋焼きラーメンを食べて、デザートに鍋焼きプリンを食べてって、なかなかいいね。うまいんで、食べながらお話を続けていいですか(笑)

※感心し、あれこれ考えながらお二人に食べて頂く。盛り上げて頂き、ありがとうございました。 自身はもうバテバテだけど、紹介するローカルごはんはあとひとつ。気合いを入れ直して。

<照美>それではプリンを頂きながら(笑)、では、今日、最後のローカルごはんは、こちらです。

   ~~~~~~ 汽 笛 ~~~~~~

<小俣>東京・築地場外市場の「合いがけ」

<照美>築地市場のローカルごはん、とは、どんなものなんでしょうか?

<上村>私、ローカルごはんの本を書く前は、全国の漁港や市場を巡っていました。その取材で築地にしょっちゅう訪れていた時期があります。築地市場もいろいろな食材が集まる市場で、近頃は買出しツアーなど観光客も増え、場外市場には寿司屋や海鮮丼をはじめ数多くの食事処が集中、まさに「食の一大テーマパーク」といった感じです。
その一方で、早朝から働く市場の人たち向けの食事処も多い。寿司や海鮮丼もいいけれど、そんな市場の労働者御用達の店こそ、築地の「ローカルごはん」ですね。

※照美さんは場外の店は旨いところが結構あるね、小俣さんは築地は文化放送からも近いわね、と、締めくくりは東京のネタということで、とっつきやすそう。

<照美>ところで「合いがけ」というのは、一体どんな食べ物なの?

<上村>皿や丼にてんこ盛りのご飯の上に、2種類の具を載せた料理のことをこう呼びます。基本は牛丼とカレーで、築地市場のキング・オブ・スタミナ料理。

<照美>これを最初に始めた店というのは分かっているのですか?

<上村>これも一説ですが(笑)、新大橋通り沿いの商店街にある「大森」という店が発祥といわれています。今では築地市場の飲食店で、出している店が結構ありますよ。

<照美>店に、「今からあなたのスタミナを10時間守ります」と書かれた張り紙があるらしいけど、すごいねえ。

<上村>ホントなんですよ。お昼に食べたらその日1日どころか、次の日だってお腹がもっちゃうぐらいのボリューム。まさに築地で働く人向けのスタミナ料理ですね。

※「次の日だってお腹がもっちゃう」→そんな訳ありません! つい口から出てしまいましたが… そろそろ自身はいっぱいいっぱいか?

<照美>辛口のポークカレーが半分、あと焼き豆腐とタマネギ入りの牛丼が半分、ハーフアンドハーフといった感じですかね。

<上村>そうですね。面白いのはカレー用には福神漬け、牛丼用には紅しょうがと、薬味が両方用意されているのがなかなか親切です

※薬味が両方用意、で軽くウケたところでいよいよ、まとめに向かう。

<照美>で、味はどうでしたか?

<上村>カレーはピリッと辛口、牛丼のご飯には甘辛いつゆがしっかり染みていて、真ん中から甘いのと辛いのと対照的な味わいです。そしてポークカレーの豚肉に、牛丼の牛肉、そして焼き豆腐も「畑の肉」である大豆が材料と、これだけ肉を各種食べればそりゃスタミナの出ること。築地は都心にありながら、ちょっとした旅気分も味わえるし、「東京のローカルごはん」を手軽に楽しむにはいいですよ。

<照美>初めて行った土地で、おいしいローカルごはんを探すコツは何かあるのでしょうか?

<上村>探すコツ、というよりも、旅先で出会う食を「楽しむ」気持ちが大事でしょうか? 地元の旨い料理に巡り会えるに越したことはないけれど、例えばたまたま入った店にガンコそうな親父が居て、おばちゃんがお冷やをドン、なんてやられると、「自分は一体、これからどんな目に遭うんだろう」とワクワクしちゃいます(笑)。そんな店で、意外に旨い物が見つかったりするのもまた、面白い。みなさんも、心に余裕を持って、ローカルごはんの旅を楽しんでみてはいかがでしょうか?

<小俣>今日のゲスト、上村一真さんのご本「旅で出会ったローカルごはん」は、生活情報センターから定価1500円プラス税で発売中です。
また、上村さんのブログでは、身近なお店から日本の隅々まで、ローカルごはんをはじめあちこちで見つけた旨いものを日々紹介しています。ひらがなで「まぜまぜごはん」で、ぜひアクセスしてみてください。

<照美>まぜまぜごはん? 面白い名前のブログだね。

<上村>はい。(声を大にして)「ウマさ特盛り! まぜまぜごはん」です。宣伝しちゃいましたね(笑)。

※公共の電波での、ブログPRに成功。アクセス増に期待です。

<照美>午後2時の興味津々、今日は上村一真さんに、お話を伺いました。ありがとうございました。

<上村>ありがとうございました。ごちそうさまでした。

…締めのひとこと、なんだそりゃ? でも食トークだからまあいいか。そんな訳で、緊張しまくると思ったら、結構楽しく過ごした、あっという間の20分でした。照美さん、小俣さん、本当にありがとうございました。