暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

青い花の墓地

2007-11-18 | 
花を、植えなさい。

青い花の種を渡され
荒れた湿地に立たされた
救いは雑草のないこと
救いもないのは
土を耕す道具もないこと

踏み締められた硬い土から
身まで沈む濁った沼地へ
青い花は
水気があり 土の細かな
障害物もない場所に咲かすと言う

さらりと粘土を踏みながら
土から沼へと身を沈め
手に掴んだのは頭蓋骨

均一に並べられた
人の水分で ここは
沼へと化したのよ。

進めば当たる人の頭骨は
死してなおも饒舌だ
青い花など、育てようという
酔狂な奴もいたものだ。
われわれの養分は、確かに
美しく大きな花を咲かす手助けになるだろう。
誰一人寄り付きはしないのだ、
お前もまた酔狂な奴だ。

戦で死んだ
そこは墓だ
彼らの話を聞きながら
頭骨の破片を放り出す
汗の雫は拭えても
疲労感は拭えない

ちょうどよさそうな沼があるじゃない。
ほら、早くしなさいよ。
死にたくはないでしょう。

無益に殺す人形の女王

何が、
青い花だ

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