暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

ほぐして絡む

2012-12-23 | -2012
ひとりめのぼくはわたし
おきていくらかでうまれ
ねてすこししてしんだ

ふたりめのぼくはきみ
いつのまにかいきていて
しらないあいだにしぬ

さんにんめのぼくはぼく
はじめからそこにいた
おわりはまだわからない

よにんめのぼくはそれ
うまれもしなければ
しぬこともない

ごにんめのぼくはない
うまれるのかもわからないけど
しぬかどうかもわからない

ろくにんめのぼくはおれ
わざわざうまれてきたけれど
しんだってだれもかまわない

ななにんめのぼくはいきもの
ずっといきつづけて
いつもいつもしんでゆく

はちにんめのぼくはかれ
いきているらしいといわれても
しんでいるかもしれないもの

きゅうにんめのぼくはかれら
うまれてたくさんのひとにいわわれた
だけどしぬときはひとりぼっち

じゅうにんめのぼくはいない
うまれたくなければうまれなければいい
なにしろしぬのはとてもこわい

じゅういちにんめのぼくもいない
うまれたくないからうまれない
しんでもいきてもとてもこわい

じゅうににんめのぼくもいない
じゅうさんにんめ
じゅうよにんめ

だけどたくさんのぼくはいる
じゅうごにんめ
じゅうろくにんめ

いくつもいくつもうまれている
じゅうななにんめ
じゅうはちにんめ

そうしてまたまたしんでいく
じゅうきゅうにんめ
にじゅうにんめ

いたいいたい
ぼくがいたいぼくらがいたいわたしもいたいみんながいたい
うまれたのはうまれたかったから
そうしてしにたかったから

ぼくはきゅうにんのぼくたちでなりたつ
だけれどぼくはもっといる
かぞえることができないくらいに

そのどれもがうまれてしんで
だけれどきゅうにんはいなくならない
ぼくはしぬからうまれてきた
だけれどきゅうにんはいなくならない

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