暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

枯れ枝

2024-07-05 | 錯乱
枯れて落ちたひとふりの枝
たしはそれを素敵だと思った
けれども隣にいたあなたは物悲しいと呟いた
そう、多分それは物悲しいのだ
わたしはひどく不確かで
あなたはいつだってわたしを照らす

あなたがさみしいと言ったから
きっとわたしはさみしいのだ
あなたがいとしいと言ったなら
きっとわたしもいとしいのだ
だってあなたはわたしに言った
「私たち、まるで瓜二つだ」と

どうかわたしに光をあたえて
わたしは盲ていないけれど
見えていないのとおなじこと
あなたなしでは

ばさばさ、ばさばさ、葉が落ちる
死は乾いた土煙の臭いがする
ばたばた、ばたばた、枝が落ちる
乾いて、甘く、素敵な匂い
(私たち)
ふれあう肌はひんやりとしていた
いや、あたたかかった
あなたが、あなたが、あなたは
あなたはあたたかいと言っていた
(私たち、いつまでも、一緒)

嘘つき

あなたなしでは
見えていないのとおなじこと
いつもそうしてくれたように
どうかわたしの瞼をふさいで

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