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ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

畏怖

2016年12月14日 | 思想・学問

 キルケゴールは「死に至る病」で、絶望を罪と断じ、絶望こそが死に至る病だとしました。
 そして絶望を脱するには、真のキリスト者でなければならない、とも。

死に至る病 (岩波文庫)
斎藤 信治
岩波書店

 イスラム教では最後の審判は必ず訪れる、と警告し、アッラーへの信仰によって天国へと至ることを求めました。

 浄土教では阿弥陀仏にすがることを薦め、禅宗ではひたすら座って瞑想することを求めています。

 神道では清き明き心を良しとしました。

 何が本当だか分かりません。
 宗教的真実が一つなのだとしたら、一つ以外は嘘つきということになりましょう。

 あるいは、仏教における門のように、どの宗教に入信しても頂きは一緒ということも考えられなくはありませんが、ちょっと無理筋のような気がします。

 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教はほぼ同じような教義を持っていますが、一方で少しの違いに目くじらを立てて、殺し合いを続けてきました。
 それどころか、キリスト教においてはカソリックとプロテスタントで争いをしていた過去があります。

 まこと、信仰とは厄介なものです。

 わが国では、檀家で氏子でクリスチャン、などと揶揄されるように、ほぼ無宗教という人が圧倒的多数に及ぶものと思われます。
 しかし、寺に行けば手を合わせ、神社に行けば頭を下げて柏手を打つという態度は、一つの宗教に拘らず、広く人智を超えた物を敬うという、素朴な宗教的感情を表しているように思われます。

 用明天皇は仏教伝来に際し、蘇我氏が仏教を、物部氏が神道をわが国の根本とすべきだとして争った時、自分は仏法を信じ、神道を敬う、といった意味の発言をして、結果、現在に至るまでわが国の人々は仏教も神道も同時に尊ぶ態度を取り続けています。
 結果としては仏教を押す蘇我氏が勝利し、その後明治に至るまで、朝廷は主に仏教に染められることになりましたが、庶民は必ずしもそうではなかったということでしょうか。

 結局のところ何も分からない赤子のような人類がとるべきもっとも誠実な態度は、どんな宗教をも敬い、一つに凝り固まることがないようにするしかないような気がします。
 どの宗教にも、それぞれ良い点はあるわけで、おいしいとこ取りするのも悪くないような気がします。

 それはヤハウェの3宗教を深く信じる欧米や中東の人々にとって、恐るべき無節操なのかもしれません。
 あるいは地獄への道なのかもしれません。

 パスカルの賭け、という理論があります。
 
 パスカルは、神の存在を信じた場合、それが真実であれば天国に行け、嘘であっても失うことは無いのに対し、神の存在を信じなかった場合、それが真実であれば地獄行きという大損をするから、神を信仰することに賭ける、と述べています。

 しかしこれは、宗教が世の中にキリスト教しか存在しなかった場合にのみ有効で、今、あまたの宗教の存在を知る我々にとってはあまりに危険な賭けだし、そもそもそんなことを言い出したら、何に賭けてよいかわからない、ということになります。
 パスカルが生きた時代の制約なのでしょうか。

 分かりません。

 宗教は人を救うために生まれたのでしょうが、それがあまりに多数にのぼるため、何が真実だかわからない、絶望=死に至る病に、多くの人が罹患しているように感じます。

 しかし私は、傲慢と言われようと、私が教祖で信者は私一人だけ、という名もない、宗教とも言えないような物を信じ続けるしかないように感じています。

 それこそが、人智を超えた物を予感し、畏怖を抱き続けるということであろうと思っているのです。


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待ち遠しい

2016年12月13日 | その他

 今日は休暇を取りました。

 別に用事があったわけではないのですが、まだ有給休暇が残っており、このまま使わないと年末で消失してしまうからです。

 休暇を余らすなんて、給料の一部を返納するようなものです。

 これで、あと21.5日残っています。
 20日は繰り越せるので、12月中にあと1.5日使わなければなりません。
 
 そうすれば、年始、繰り越した20日と新たに付与される20日、合わせて40日でスタートできます。

 私は精神障害から復帰して7年、毎年、ぴったり20日を消化しています。
 休暇の取得率を上げるように号令がかかってから、休みやすくなりました。

 今日は小説を読んだり昼寝をしたり、のんびりと過ごしました。
 毎日こんな風に過ごせれば最高なんですが、そんなことをしたらあっという間に食いっぱぐれてしまいます。

 過酷な仕事に耐える他生きていく道が無いとは、庶民というのは切ないものです。

 考えてみると平日は一日の大半を職場で過ごすのですよねぇ。
 我ながらよく耐えているものです。

 定年まではまだ13年もあります。

 あぁ、待ち遠しいですねぇ。


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常不軽(じょうふきょう)

2016年12月12日 | 思想・学問

  法華経の中に、常不軽菩薩品(じょうふきょうぼさつほん)という章があります。
 法華経は大部の経典で、さまざまな、品つまり章立てがなされています。

法華経〈上〉 (岩波文庫)
坂本 幸男,岩本 裕
岩波書店

 

法華経〈中〉 (岩波文庫)
坂本 幸男,岩本 裕
岩波書店

 

法華経〈下〉 (岩波文庫 青 304-3)
坂本 幸男,岩本 裕
岩波書店

  火宅、つまり火事になっているのに気付かず、燃え盛る家で遊んでいる子供をとおして、人類の在り様を描いた譬喩品や、観音様の力の偉大さを描いた観世音菩薩普門品などは、なんとなく知っているという人が多いのではないかと思います。

 で、常不軽菩薩品
 これは不思議な話です。
 常不軽菩薩は、特段仏典を勉強するわけでもなく、ただひたすら、誰に対しても、

「私はあなたを決して軽んじない、あなたは、菩薩としての修行を行ないなさい。あたながたは、正しく完全に覚った尊敬されるべき如来になるでありましょう」
 
 と言い続け、時には逆にバカにされたと感じて怒り出す人もいるなか、ひたすらそれを言い続けるのです。

 私は仏教を完全に独学で学びましたので、この品の正しい理解をしているとは思っていません。

 しかし、法華経の中でそれほど重要視されていないと思われるこの品に、私は強く惹かれました。

 すなわち、形式的な仏道修行をしなくても、ひたすら他人を尊重するという態度を貫くことは、如来(悟った人)への道だということでしょう。

 人間、これがなかなか出来ません。
 ほとんどの人は、他人を憎んだり妬んだり恨んだりするものです。

 すべての人に等しく敬意を払うのは、山川草木悉皆成仏 (さんせんそうもくしっかいじょうぶつ)という壮大な思想に繋がるように感じられます。
 人間のみならず、この世に存在するすべての物に仏性があり、成仏できる、という思想です。

 もちろん、私にも嫌いな人はいますし、喧嘩をすることもありますし、人を恨んだり妬んだりします。
 愚かな凡人にすぎません。

 非常に読みやすい「日本語の法華経」では、常不軽菩薩バカに出来ない菩薩と訳しています。
 バカにしてよい人などいない、ということです。

日本語の法華経
江南 文三
大蔵出版

 この、あらゆる人を尊重し、さらには山や草木をも尊重するという態度は、法華経の平等思想を端的に象徴しているように思います。

 有名な宮沢賢治の「雨ニモマケズ」は、常不軽菩薩の精神を著しているとも言われています。
 宮沢賢治が熱心な法華者であったことは有名ですね。

雨ニモマケズ風ニモマケズ―宮沢賢治詩集百選
宮沢賢治
宮帯出版社

 私が目指さなければいけない境地だろうとは思いますが、そういう心境になることはまず無いでしょうね。

 なにしろ私は、法華経を仏典というよりは、面白い読み物、一種のエンターテイメントとして読みましたから。
 ですから、坊さんのように繰り返し読むことはありません。
 20代の頃一回通読して、その後は興がのったときに、ぱらぱらと読み返すだけです。

 窪田空穂は、我は神の造ったもの、精霊の宿る神殿で、限りなく重んずべきものである、と述べました。

 それならば当然、ありとあらゆる人、植物、動物、山や川もまた、限りなく重んずべき精霊の宿る神殿ということになるでしょう。

 不可能は承知のうえですが、私もまた、誰をも等しく重んじることができる者になりたいですねぇ。

 その時こそ私は、輪廻の輪から抜け出して、涅槃に至る道を歩み始めるのであろうと思います。

 
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贅沢な時間

2016年12月11日 | その他

 今日は朝一でエアコンの取り付け。

 書斎というのか、6畳ほどのフローリングの自室のエアコンが壊れ、修理に8万円かかると言われ、それならばと、6万8千円で新品に買い換えました。

 8時50分に業者が到着し、終わったのは10時20分。
 これまで震えながら自室でパソコンをいじったり読書をしたりしていましたが、これで快適です。

 6万8千円の出費は痛いですが、前のエアコンは10年使ったので良しとしましょう。

 午前中は冬の陽がたっぷりと降り注ぐ南西に面したリビングで読書などして過ごしました。
 お昼は近所の中華屋でタンメンを食し、お日様に暖められたリビングのソファで昼寝。
 暖房要らずです。

 しばし、贅沢な気分に浸りました。

 15時には、一週間分の食材の買出しにスーパーに出かけました。
 スーパーは歩いて5分ほど。

 私の住まいはJRの駅に近いので、様々なお店でも病院でも役所でも、必要なものはほぼ、徒歩10分圏内に揃っています。

 生活の利便性は抜群。
 ただし、いかにも風情のない、郊外の典型的な、特徴が無いのが特徴、みたいな地域で、散歩などは面白くありません。

 まぁ、贅沢を言えばきりがありませんが。

 今年も3通、喪中の葉書が届きました。
 そろそろ年賀状の準備を考えなければなりませんが、毎年、人が亡くなっていくのですねぇ。
 
 特に今年は、一つ下の後輩が宴会中に突然倒れ、そのまま亡くなってしまったのがショックでした。
 まだ46歳。
 さぞかし無念だったことでしょう。

 私も健康には気をつけなければならない年になりました。

 そのためには、永遠の課題とも言える、節酒に取り組まなければなりますまい。


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ヴィジット

2016年12月10日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

  朝っぱらからDVDを鑑賞して過ごしました。
 観たのは、ナイト・シャラマン監督の「ヴィジット」
 この監督、「シックス・センス」の大ヒット後、数々の佳作を残していますが、「シックス・センス」の印象が強烈過ぎて、不当に低く評価されているように感じます。

シックス・センス DVD
ブルース・ウィリス,ハーレイ・ジョエル・オスメント,トニ・コレット,オリビア・ウィリアムス
ポニーキャニオン

 

シックス・センス [Blu-ray]
ブルース・ウィリス,ハーレイ・ジョエル・オスメント,トニ・コレット,オリビア・ウィリアムス
ポニーキャニオン


 あっと驚く結末を用意して、観る者を驚かせるのが大好きな根っからのストーリー・テラーです。

 まずは予告編をご覧ください。

 


 初めておじいちゃん、おばあちゃんの家を訪れ、一週間を過ごすことになった15歳と13歳の姉弟。

 母親は19歳で駆け落ちし、両親とは不仲のため、姉弟が祖父母と会うのは初めてです。
 最初は素敵な老夫婦に見えますが、やがて本性を現し、姉弟を恐怖のどん底に陥れる、というお話。

 まず子役の演技が光ります。
 そして、ホラーでありながらどこかユーモラス。
 もちろん、恐怖のツボは抑えてあります。

 精神障害者差別っぽいセリフもありますが、そこはご愛嬌。
 まずまず、楽しめました。

ヴィジット [DVD]
オリビア・デヨング,エド・オクセンボールド,キャスリーン・ハーン,ディアナ・デュナガン,ピーター・マクロビー
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン




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あれから75年

2016年12月09日 | 社会・政治

  今日はわが国が米英との戦いに突入した日ですね。

 今年はオバマ大統領が広島を訪問し、近々安倍総理がその返礼であるかのごとく真珠湾を訪れるそうです。
 大変結構なことです。

 安倍総理の真珠湾訪問はトランプ氏に、日米同盟の重要さを知らしめる意味合いもあるでしょうし、中国やロシアに日米は恩讐を超えて固く結びついていることを印象付ける意味もあるのでしょう。

 外交は大変ですねぇ。

 今後トランプ氏が大統領に就任すれば、米軍の経費負担をよりいっそう求めてくるのでしょう。
 まさか米軍を撤退させるほどおバカさんではないと思いますが、油断は禁物。

 米軍が撤退すれば、必然的に、わが国は自主防衛のために軍事力を増強し、核兵器を保有し、しかもその一部を米国に向けなければならなくなるでしょう。
 悪夢のシナリオです。

 わが国にとっても、米国にとっても、何一つ良いことはありません。

 トランプ次期大統領には、冷静で賢明な判断を求めたいところです。


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忙中閑あり

2016年12月07日 | 仕事

  多忙な日々が続きますが、今日はなんとなく暇でした。
 暇だと時間が経つのが遅く、帰りたくなります。
 忙しくても仕事をおっぽり出して帰りたくなりはしますけれど。

 明日は都内の他機関に競争的研究資金の監査に行く予定。

 監査というと会計検査院の検査が一般的ですが、時代の流れとともに、機関が相互に監査しあうようになりました。

 私はよっぽどのことがなければ指摘事項も注意事項も上げるつもりはありませんが、それは明日の結果しだい。

 なんだか面倒くさいですねぇ。


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日短(ひみじか)

2016年12月06日 | 文学

 ずいぶん日が短くなりました。
 定時で帰っても、職場を出る頃は真っ暗です。
 私の職場は郊外にあるので、都会のネオンが恨めしくもあります。

 そういえば、なぜ夜長(よなが)は秋の季語で、日短(ひみじか)は冬の季語なのでしょうね。
 両方冬の季語でも良さそうね気がします。

 浅学非才の身であれば、その理由は分かりません。

 日短や かせぐに追ひつく 貧乏神

 小林一茶の句です。
 この人らしい、生活感を感じさせますね。 

一茶句集 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)
小林 一茶
角川学芸出版


 今週末には冬のボーナスが支給される予定ですが、私にも貧乏神が取りついているようで、なかなかお金は貯まりません。

 せっせと働いて、定年後は再雇用など希望せずに遊んで暮らしたいものです。
 


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忘年会

2016年12月05日 | その他

 昨日の日曜日は、お昼から忘年会でした。

 この会、メンツが奇妙です。

 私と同居人、それに私たちの仲人とその奥様。
 ただし、仲人をした時の奥様とは別れ、後妻です。
 私の実母。
 実母が仲人の再婚相手を紹介したのです。
 それと、仲人と同時期に一緒に働いていた大先輩で、御年73歳のお方。

 つながり方がそれぞれ異なっていて、不思議な感じがします。

 47歳の私が最年少で、75歳の母が最高齢。
 仲人はたしかあ64歳だったと記憶しています。

 同居人が48歳。

 こんなに年の離れた方々と飲むのは、年に一度のこの会だけです。

 この会に出ると、47歳にして、まだまだケツが青いわいと、奇妙な感慨に囚われます。


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微笑む人

2016年12月03日 | 文学

 今朝、自室のエアコンが壊れたので、修理を頼みました。
 室外機が動いていないとのこと。
 もう10年近く経つエアコンで、修理するより買い換えたほうが安いと言われ、仕方なく家電量販店でエアコンを購入しました。
 設置工事は12月11日の日曜日。
 それまでは、自室は使わず、リビングで過ごそうと思っています。

 お昼はきのことベーコンのぺペロンチーノを食し、珈琲などいただいてから自宅マンションに戻り、小説を読みました。

 貫井徳郎の「微笑む人」を一気に読みました。

 殺人劇ですから、ミステリということになるのでしょうが、不思議な構成の作品でした。

 小説家の「私」が事件を取材し、ノン・フィクションにまとめるまでの過程を描く、という形になっています。

 物語の冒頭、妻子を殺した犯人が逮捕され、犯人の真実を探るため、犯人の過去を、小学生時代にいたるまで追っていく、というお話。

 いきなり、犯人は不可解な動機を口にし、マスコミが大騒ぎ。

 本が増えて家が手狭になったため、妻子を殺せば本がきれいに整理できるから殺した、と言うのです。

 そんな動機あり得ますか。

 しかも犯人は常に微笑みを絶やさず、温厚で、誰からも慕われる誠実な人物として描かれます。

 不可解な動機と犯人の人柄が、読む者を混乱させます。

 様々な人物が登場し、「私」のインタビューに応える形で、犯人の人物像が多角的に描かれます。

 しかし、動機の謎は解けません。

 ラストちかく、
 
 最終的に理解できる結末が必ずあるのなんて、フィクションの中だけですよ。身近な人が考えていることだって、本当のことなんて分からないじゃないですか。

 と、犯人に関係する女に語らせます。

 これは読者を混乱に陥れる、一種の読者への挑発と言えるでしょう。

 確かに、凶悪犯人の気持ちに限らず、親子兄弟、配偶者や恋人などの親しい間柄であっても、他人の気持ちを100%理解することなど不可能です。
 いや、50%も無理かもしれません。

 怖ろしい真実を突きつけてくれるものです。

 そして物語は、理解できる結末を提示することなく、微笑む人=犯人の真実を解明できずに終わるのです。

 しかもこれは小説です。

 フィクションの中だけは、分かりやすい結末があるのではなかったのですか。

 後味の悪いミステリです。
 しかしそれだけに、考えさせられる、高い文学性を持ったミステリと言えるでしょう。

微笑む人 (実業之日本社文庫)
貫井 徳郎
実業之日本社


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リバース

2016年12月01日 | 文学

 今日は朝から都内の貸し会議室で会議。
 疲れました。

 午後は職場に戻らなくて良いとのことで、帰宅して読書を楽しみました。

 読んだのは、「リバース」
 ホラーサスペンスということになるんでしょうか。

 長野の小さな村の教会で育った幸子。
 高校を卒業すると、東京にあこがれて上京し、広尾の豪邸で住み込みの家政婦として働き始めます。

 ハンサムな外科医、美しい妻、聡明で美少女の双子の姉妹。
 理想的な家庭での生活に胸躍らせる幸子でしたが、やがて、家族には暗くて深い闇があることに気づき、といったお話。

 ホラーサスペンスを得意とする作家は、えてして物語を作る才能に長けていても、文章が下手なことが多いものです。

 しかし、この小説の作者、五十嵐貴久という人、抜群に文章がうまくて、読ませます。
 この作家の小説を読むのは初めてですが、続けて読んでみようかと思います。

リバース (幻冬舎文庫)
五十嵐 貴久
幻冬舎


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