ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

リカ

2016年12月28日 | 文学

 昨夜はホラーサスペンス、「リカ」を一気に読破しました。

リカ (幻冬舎文庫)
五十嵐 貴久
幻冬舎

 リカというストーカーに追われる中年男の話なのですが、文章のテンポがよく、ぐいぐいと引き込まれました。

 本間という男が出会い系サイトで出会ったリカ。
 最初、本間はリカとのメールのやり取りで彼女に好印象を持ちますが、少しづつ、リカの異常さに気づいていきます。

 長身で顔色が悪く、目に光が無く、体臭がひどく臭い女として描かれます。
 前半から中盤にかけて、ひたすら怖いのですが、終盤、リカと直接対決するにあたり、リカの人物造型に無理があることに違和感を感じました。

 ひたすら気持ち悪くて怖いただの女なのか、ジェイソンのような化け物なのか、そこらへんが曖昧です。
 リカをひたすら怖ろしいただの人間として描けば、名作、「オーディション」のような作品に仕上がったであろうに、そこが残念です。

オーディション [DVD]
村上龍
パイオニアLDC

 

オーディション (幻冬舎文庫)
村上 龍
幻冬舎

 「リカ」より後に書かれた、恐るべきストーカー、リカ誕生の秘密に迫った「リバース」のほうが完成度は高かったように思います。

リバース (幻冬舎文庫)
五十嵐 貴久
幻冬舎


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