一昨年の今頃、目黒区美術館でエミール・ガレの生きた時代という展覧会が開かれました。
行こう行こうと思っているうちに展覧会は終わってしまい、その後忘れていました。
このほど某図書館でその時の展示図録を観る機会に恵まれ、改めてフランス、アール・ヌーヴォーを代表するガラス工芸品や家具や調度品などの名品に酔いました。
トリステの花器です。
後に退廃的と称され、美術的価値が低いとされたアール・ヌーヴォーですが、この作品には退廃的な香りはしませんね。
むしろ花瓶の青の、その青さが際立って、何か霊的な感じがします。
一方こちらの置物は、悪趣味とさえ言える異彩を放っています。
むしろこちらのほうがアール・ヌーヴォーのイメージに近いかもしれません。
燕文両耳付鶴首花器です。
こちらはまた、なんとも繊細な花器ですねぇ。
ぽきっと折れちゃいそうです。
燕たちがひそひそ話をしている図柄が可愛らしいですね。
なんと燕たち、墨で描かれているそうです。
新しい技法を生み出したのでしょう。
アール・ヌーヴォーは直訳すれば新しい芸術ということですから、19世紀末の芸術家たちは、競って新しい技法を生み出したのでしょうねぇ。
大樹ユーカリ文花器です。
これはまた、生命力に溢れた大型の器ですねぇ。
ガレは静謐な青の青さを霊的に描き出したかと思えば、悪趣味な作品を物し、可愛らしい作品を造ったかと思えば生命賛歌のような作品を生み出したのですねぇ。
まさしくガラス工芸の天才です。
目黒区美術館の展示図録を置いているなんて、某図書館、Good Job!
にほんブログ村
美術館・ギャラリー ブログランキングへ
↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!