ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

当事者主義

2011年12月01日 | 社会・政治

 昨夜、NHKで、25年前に起きた女子中学生殺害事件で犯人とされ、1997年に服役、2004年に出所した前川彰司さんの再審請求が認められたことに関連し、わが国の司法制度を問う番組が放送されました。

 そこで、私はこれまで知らなかったわが国の司法制度の根本的欠陥とでもいうべきものを突きつけられました。

 すなわち、当事者主義。

 わが国の司法制度においては、検察、弁護側双方がそれぞれに有利な証拠を持ち寄り、裁判が行われることになっているそうです。
 つまり自分たちに不利な証拠は開示しなくてもよい、ということです。

 それはないでしょう。

 検察は警察が捜査した証拠をすべて持っているばかりでなく、強制力を伴った捜査権限を持っています。
 しかし弁護側には捜査権限が皆無です。

 これでは、素人が飛車角落ちで名人と将棋を指すようなもの。
 将棋界では素人と将棋を指すとき、名人が飛車角落ちで戦うのです。
  逆ではありませんか。

 このたび、
裁判所の勧告により、検察がこれまで開示しなかった証拠を開示したところ、裁判所はとても有罪にはできないと判断し、すでに刑期を終えている前川さんの再審を行うことになったとのことです。

 怖ろしいことです。

 ある日突然刑事がやってきて、お前は殺人犯だと言って逮捕され、いくら無実を主張しても検察側に都合の悪い証拠は秘匿され、最悪の場合処刑されてしまいます。

 私はそんな怖ろしい国に住んでいたのですね。

 一方検察庁や法務省は、証拠をすべて開示しては真犯人の逃亡を手助けすることになる、と言って証拠の全面開示には反対しています。

 真犯人が逃亡するよりも、犯人ではない人を犯人に仕立て上げることのほうがよほど罪ではありませんか?

 ことは司法関係者に限ったことではありません。
 あと一分後に刑事が現われ、殺人犯に仕立て上げられてしまうかもしれないわが国民すべての問題です。

 それにしても、昭和61年、前川さんを犯人に仕立て上げたとき、検察は当然前川さんが無罪であることを示す証拠を知っていたわけです。

 検察関係者の取材で、元検事は、当事者主義を採っているわが国の検察官が検察側に不利な証拠を提出しないのは当たり前だ、と言っていたそうです。

 検察官が胸に着けているバッジは伊達ですか。
 それとも酔狂ですか。

 無実の若者を殺人犯に仕立て上げ、よく平気で眠れたものです。

 法務関係者は深く反省し、直ちに当事者主義を改め、すべての証拠を開示する義務を検察に課しなさい。

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