今日は戦後の英雄、力道山の50回目の命日だそうです。
当然、私がこの世に生を受ける何年も前に亡くなった人ゆえ、リアルタイムではその人気を知りません。
しかし、米国に敗れて意気消沈していた日本人たちは、リング上で米国人レスラーを倒す力道山に熱狂したと伝えられます。
まぁ、王道プロレスは概ね八百長が当たり前のショーですから、日本のリングで力道山が勝つのは当たり前ですが。
でも子どもの頃、私はジャイアント馬場・ジャンボ鶴田らの全日本プロレス、アントニオ猪木・藤波辰巳らの新日本プロレス、ラッシャー木村・アニマル浜口・阿修羅原らの国際プロレスを、熱心にテレビ観戦して、それらは真剣勝負なのだと思っていました。
しかしその後、前田日明や高田延彦が真剣勝負の団体を起こし、その試合を観てはじめて、あぁ、王道プロレスとは筋書があるショーだったのだなと、気付きました。
何しろ真剣勝負では、なかなか技が決まらず、一度決まれば一瞬にして勝負がついてしまうという呆気ないもので、王道プロレスは互いに多彩な技を掛け合いながらなかなか勝負が決まらないという、全く違うものでしたから。
考えてみれば相撲にしてもボクシングにしても柔道にしても、互いが本気で戦う場合、見栄えなんて気にしないものです。
逆に、王道プロレスはドラマを楽しむようなもので、ある意味大人のファンタジーとも呼べる、高度なショーだと、感心させられました。
王道プロレスはさらに進化を遂げ、かつてガチンコ対決に拘った高田延彦は、なぜかファイティング・オペラと銘打った、これは真剣勝負ではありません、というエンターテイメント色豊かなハッスルで、リングには上がらないものの、悪のレスラー陣の親玉として登場し、派手なマイクパフォーマンスを繰り広げるにいたりました。
か弱いインリンがボノちゃん(元横綱・曙)をM字開脚なる卑猥な技で倒したり、じつはボノちゃんはインリンが卵で産んだ実の子だったりと、なかなか素敵なエンターテイメントでした。
王道プロレスが当然たどり着くであろう、ファイティング・ショーの極北とでも言うべきものです。
力道山が開いたプロレスというショーは、ハッスルなどのエンターテイメントと、総合格闘技などのガチンコ勝負とに大きく分かれました。
しかし、ガチンコからエンターテイメントに移る者も多く、両者とも、力道山のDNAによって成り立っているように思えます。
力道山は柔道出身の木村政彦との試合では、ガチンコ対決を行い、リングが木村の血で染まり、客席は静まり返ったと伝えられます。
最もこの試合、一方的に八百長の筋書を破り、力道山が猛然と殴りかかった、とする説もあるようです。
日本プロレスの父、力道山、今頃地獄で大暴れしているでしょうか?
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