ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

二百十日

2011年08月31日 | 文学

 早いもので、明日は二百十日。
 台風が多いとされる季節です。
 昔の人が言うことは当たり、今、大型の台風が日本列島に向けて接近中。
 土曜日には、最接近するとか。

 今は気密性の高いマンションに住んでいますから、台風が来たところでなんともありませんが、子どもの頃住んでいた家は違いました。
 台風がくると、まず木製の雨戸を閉めます。
 雨戸を閉めれば大丈夫かというとそうでもなく、雨戸、ガラス戸が風で大きな音を立てます。
 ところどころ雨漏りがするので、その下にバケツを置きます。
 そんなことの一つ一つが、幼い私を、お祭りのようなわくわくする気持ちにさせました。
 その実家も、私が中学1年生の時に立て替えて、台風にまつわる昭和らしい思い出は、途切れてしまいます。昭和57年、昭和が終わる7年前の出来事です。

 夏目漱石「二百十日」という小説がありますね。
  阿蘇登山の間抜けな顛末を語りながら、主人公の金持ち批判、庶民に頭の革命を起こす、といった血気盛んな感じと、相棒の、のんびり観光を楽しもうという態度が対照的で、落語の「長短」を聞くような滑稽味があります。
 夏目漱石が神経症的な作品を連発する前の、乾いた文体が魅力です。

 時あたかも新総理誕生直後。
 ならば私たちも、二百十日を機に、頭の革命を起こすといたしましょうか。

草枕・二百十日 (角川文庫)
夏目 漱石
角川書店

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