最近テレビで「麗江(雲南省)」を観たら、すっかり様子が変わっていたので驚いた。世界遺産に認定され、観光客も増えて、「観光地」になっていた。
私たちが1987年に訪ねた麗江は、静かで家並みの美しい町だった。名所だという公園にもほとんど人がいなかった。
民家の裏道で、振り向きざまのLちゃん
日本から来た若造の向こうには、屋根が整然と並んでいる。
余談だが、私はこの旅行中、バーボンを持ち歩き、夜に一杯ひっかけていた。長距離バスの一番後ろの席に坐っていた時に、バスが大きく跳ね、その拍子にボトルがリュックから飛び出した。ボトルは座席の中央にある通路をゴロンゴロンと転がっていったという(Lちゃん談)・・・日本では起こりようのない面白い出来事である。キチンと舗装されていない道、サスペンションの硬いバス、荒っぽい運転手、どれも不可欠だが、何よりもそれを楽しもうとする私たちの気持ちがあったからそれが起こったのだ。
さて、再び話を麗江の田舎道に戻す。「馬を散歩させる」ということがあるのかどうか知らないが、現に馬を連れている人に会った。白い髭をたくわえ、杖を持った風貌は仙人か、道士のようだった。二言、三言話しただろうが憶えていない。このお爺さんともっと色々と話がしたかった、と思うのは今だからである。
馬のツヤが良く、光っていた。何故か子馬が私になついた。
(続く)