江戸庶民の義理人情・人間愛
一昨年、趣味の俳画を一時中止し、英会話の勉強をやってみようと思ったが、三日坊主で半年も続かなかった。好きにならないと継続しないものだ。
その代りに昔から好きだった時代物の小説を読む時間が少しずつ増えてきた。
藤沢周平の「たそがれ清兵衛」からだったと思う。それから同氏のものを10数冊は続けて読み、途中、山本周五郎のものを4、5冊読んだように思う。
最近になって、なんかの切っ掛けで山本一力のものを読むようになった。
前二者に比べて何か読み易いし、主人公が江戸の庶民の代表の職人、蝋燭屋や豆腐屋や煎餅屋などの商売人、その他に駕籠かき、水売り、飛脚などといろんな職業の人々の生活の中に看られる義理人情・愛情のからみが興味深く読み進めさせてくれる。
とにかく実に面白い。
著者は凄く勉強していることにも感心させられる。物凄く多くの資料を調査し、地理やその地区の環境をイメージして全体の構想を立てるのだろう。
同じ江戸時代ものの最近の作家で、テレビでもシリーズものとして有名な「陽炎の辻」の原作者の佐伯泰英のものは読もうとは思わない。それは、同じ江戸時代の歴史物でも、私自身が、主人公が庶民のものが好きだということに起因していることに間違いないことだろうと思う。
今晩も面白いテレビが無いので、「一力さん」を読むだろう。