blog Donbiki-Style

筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

年の功

2019-03-13 19:19:07 | 日記
いつもと同じように流れた午前だったが、午後からは命ぜられて座学の場に参加することになっていた。
今日はルーティンが早々に終了したから勉強ついでに事務所を離れられて幸運だった。

大きな事業所には様々な会社や業者が入り、それぞれが任せられていろいろな仕事を行っている。
ある一瞬を切り取って敷地内に何人いるかとなれば、千の単位には間違いなくなるだろう。
モノを作る場所では様々な機械が動き多くの車両が行き交う一方、徒歩か自転車で移動する人も多くいる。
所属も仕事も違う大人数を一括で管理するため、単なる敷地内の通行に限っても厳しいルールが設けられているのは当然のことである。

今日は同じ敷地で働く数社の数名が対象となり、主に現場での安全について勉強させていただいた。
一回一回は少ない人数であっても、こういった教育の場がしっかり設けられていることは、さすがに長年我が国を引っ張ってきた企業の底力であろう。
説明を担当された方も優しく、講師の方々にも丁寧に指導いただき、2時間足らずは大変ためになりつつも楽しく過ぎた。

今日のような教育の場を担当するのは、私の年齢から見ても大先輩にあたる方々である。
もちろん若き頃は現場で大活躍をされたであろうとは思うが、ある程度年齢を重ねて現場は後進に譲り、安全教育という新たな役割を得て今日のような勉強会を担当している。
安全や法令遵守、時間外労働に至るまで、企業に求められるものは年々厳しくなり、この安全勉強会も始まったのは意外に10年くらい前とは話の途中であった。

今日の大先輩の姿を見ていて、なぜか自動車免許の更新手続きの場面を思い出した。
警察組織の一部である免許センターには、やはり現役時代は第一線で活躍されたであろう大先輩の方々がたくさんいる。
私は直近の講習が「一般」(5年だがブルー)だったため、講習も1時間あり、その時の講師もやはり大ベテランの方であった。

工場の教育係にしても免許センターの講師にしても、自らが大ベテランとなり現場の第一線からは退いても、次の世代に何かを伝える役割を与えられている方は、職業人としての最終盤にあっては本当に幸せではないだろうか。
今日の先生方は、会社からやれと言われているからやっているという風情には全く見えなかった。
ヤッツケ仕事でやっていたら、あれほどの和やかな雰囲気で勉強会が進むわけがない。
お年を召されても、その熱心さはそこらの若者には全く負けていなかった。

私もいつかは職業人を退く時が来る。
ずっと一つの会社にいたわけではないから、長年の経験を伝えるとなると多少難しいが、「会社あるある」的なことなら多少は他人の役に立てる場面もあるのかもしれない。
体は衰えても気持ちは若く、いつまで経っても「おバカ」のままで人生を終えられたら最高だ。