blog Donbiki-Style

筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

8月10日の行状

2016-08-18 19:35:51 | 旅行
旅の目的を順調にこなし、また長く追いかけてきた目標も果たして旅の最終日を迎えた。
門別競馬場でクジを引いてもらったノーザンホースパークの無料入場券があったから足を運ぼうかとも思った。
しかし千歳から富山に向かう飛行機は14時過ぎ、お盆に入る前とは言っても8月の北海道は混雑する。
楽しみは次回に回して、この日はかつて住んだこともある苫小牧市を散歩しようと考えた。
苫小牧まで来てしまえば新千歳空港にもだいぶ近い。
札幌からJRの快速と普通を乗り継いで、10時前にはJR苫小牧駅に着いた。



私が苫小牧にいたのははるか15年以上も前の話で、当時勤めていた会社の命により赴任することになった。
順調ならば3年から4年は北海道での生活が続くはずだったが、仕事や人間関係の悩みから、ものの半年もしないうちに人生で初めてのガス欠状態を経験することになった。
医師の診断をもらって2ヶ月ほど休んだ後に復帰したものの、同じ環境に戻ってまたぶり返してしまったため、結局会社そのものを辞めることになった。
そんな経緯があるから苫小牧にはあまり楽しい思い出はない。
それでも一度は生活の拠点を置いた場所、かつての職場も駅から徒歩圏内にあるし、時間的にも手頃、天気も上々ということで旅の最後は苫小牧で締めようという思いに至った。

最近書いている通り、今住んでいる愛知県春日井市と同じく苫小牧市にも王子製紙の大きな工場がある。
住居は駅からやや離れていたが、赤白の高い煙突を毎日見ながら過ごしていたことは確かである。





駅前や繁華街を一通り流して歩いてみて、変わったところ、変わっていないところ、それぞれあった。
かつての職場は店舗でもあるので中に入って遠目に眺めたら、昔一緒に働いた人の姿も複数あった。
15年以上の歳月は経っていても、一目見てすぐ分かるくらいに雰囲気は変わっていなかった。
店内は人も少なく話の一つもできないかとも思ったが、相手は仕事中だしこちらは1年も経たないうちにさしたる実績も残さずに辞めていった人間だ。
お互いにそれぞれの今を生きている以上、時計の針を過去には戻さずその場はそっと去るのが賢明だと思った。

やはり太平洋側、外気も涼しく快適な街歩きであった。
駅前から伸びる道路の真ん中までやってきたところで富山の実家から電話がかかってきた。
この日の飛行機で富山に帰ることは伝えてあったので、富山に着いてからの段取りを話した。
実家へのおみやげを駅前で買い、空港行きのバス停に着いた時、苫小牧に来てよかったと心から思え、旅の最後にすがすがしい気分になることができた。



空港行きのバスは、観光タイプの車両ではなくごく普通の路線バスで、地元の人たちの足も思い切り担いながら進んだ。
かつては直行に近いタイプもあったような気がしたが、記憶違いかもしれない。

新千歳空港は、8月でもあり特に手荷物を預ける窓口が混んでいた。
最近はアジアからの観光客も多く、残念ながら段取りがよろしくない向きもあり、必要以上に時間がかかっていた印象だ。
本来2階にある窓口がなかなか進まないため、係員に誘導されてあまり人がいない1階の団体カウンターを使って手荷物を預けた。

ここまで来ればあとは搭乗を待つのみである。
混雑もあって昼の食事を満足に取れなかったため、保安検査場を抜けた後の搭乗口内の売店で軽食を買って食べた。



定刻から10分ほど遅れて出発した飛行機は、富山に着く頃にはだいぶ遅れを取り戻した。
いよいよ窓から富山県内の風景が見えたので写真を一枚撮った。
中央に剱岳が入るようにしたつもりだが、遠すぎて最後の写真はデキの悪いものになった。



富山の風景が見えたら着陸はすぐである。
ほぼ定刻通り無事に富山に着き、楽しかった旅が終わった。
天気にも恵まれ、当初考えた予定はほぼ変更なく実行できた。
体が元気であればいろいろなことができる。
当たり前のようで当たり前ではないこの事実をあらためて噛みしめた4日間であった。

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