スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

全日本2歳優駿&第三部諸感情の定義七

2007-12-19 19:14:29 | 地方競馬
 2歳のダートチャンピオン決定戦の第58回全日本2歳優駿
 逃げた方がよい結果を出せそうな馬が1番と2番に入り注目されましたが,1番のイイデケンシンの方が先手を奪い,ヴァイタルシーズは2番手に控えました。前半の800メートルは51秒2.途中から極端に遅くなったのですが,かなりのスローペースといえそうです。
 発走後の長い直線では後方の2番手に構えていたディラクエが,このスローペースを見越して向正面で外を一気に進出,2番手まで上がると,ヴァイタルシーズはついていけずに脱落。中団にいたレインボーペガサスだけがこれに対応し,ディラクエの外に出して直線の入口では3番手に上がり,4番手以降が少し離れました。
 直線はこの3頭での叩き合いになりましたが,余裕をもって逃げていたイイデケンシンが最後はまた突き放して1馬身半の差をつけて優勝。レインボーペガサスに詰め寄られはしたもののディラクエが2着を確保し,レインボーペガサスが3着でした。
 優勝したイイデケンシンは前走のポインセチア賞からの連勝で,重賞・大レースは初制覇。これで6戦3勝ですが,ダートは前走が初めてで2戦2勝。芝でもひとつ勝ってはいますが,血統的には明らかにダート向きです。ただ2戦ともに逃げ切りですので,逃げられなかった場合にどうかというのは今後の課題でしょう。藤田伸二騎手は一昨年の安田記念以来の大レース優勝で,栗東の昆貢調教師はこれが大レース初優勝。
 惜しかったのはディラクエ。内容だけでいえば勝ち馬よりも強い競馬をしたとはいえ,もう少しペースが速くなってほしかったところでしょうか。

 ねたみと嫉妬,すなわちやきもちzelotypiaとの違いはこれで明らかになりました。そこでさらに第三部諸感情の定義二三の意味を詳しく分析します。つまり,ねたみinvidiaという感情affectusはある種の憎しみodiumであるとされているわけですから,憎しみという感情がどのような感情であるのかということについて考えてみます。憎しみの定義Definitioは第三部諸感情の定義七です。
 「憎しみとは外部の原因の観念を伴った悲しみである(tristitia, concomitante idea cause externae.)」。
 実はこの定義に関しては,ここまでの考察から十分に推察できるものでもあります。なぜなら,第三部諸感情の定義二三で示されているねたみは,第三部諸感情の定義二四で定義されている同情という感情の本性naturaの上での反対感情にあたります。そこでこれらふたつの定義を読み比べてみれば,これらふたつの感情がそうした反対感情であるためには,愛amorという感情と憎しみという感情が反対感情でなければならないということが容易に推測されます,ところで愛の定義は第三部諸感情の定義六の通りであるわけですから,その反対感情である憎しみの定義がこのようなものでなければならないのは,ある意味では自明であると考えられるからです。
 そこで憎しみの性質というのは愛の性質のちょうど裏返し,すなわち,喜びlaetitiaが悲しみtristitiaになるというだけのことです。ですからこれについてはここで繰り返す必要もないと思います。たとえば僕が戦争を表象するimaginariことによって悲しみを感じるのであれば,僕は戦争を憎んでいるということになります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする