スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

朝日杯フューチュリティステークス&都市の外

2015-12-20 19:20:29 | 中央競馬
 2歳の芝チャンピオンを決める第67回朝日杯フューチュリティステークス。四位騎手が右足の関節を捻挫したためコパノディールは小牧太騎手に変更。
 少し手間取るところもありましたがウインオスカーがハナへ。この後ろはショウナンライズ,アドマイヤモラール,シュウジの3頭で併走。3列目にサイモンゼーレとユウチェンジ。ボールライトニングが単独で7番手。ハレルヤボーイとエアスピネルが並び,ツーエムレジェンドとイモータルとシャドウアプローチの3頭。さらにタイセイサミットとスリラーインマニラ。最後列がコパノディールとリオンディーズ。最初の800mが47秒3のスローペースになったこともあり,先頭から最後尾まであまり差のない隊列になりました。
 直線の入口では短かった隊列がさらに凝縮してきました。ここで前を射程圏に入れていたエアスピネルが,自身より前に行っていた馬の外に持ち出され,よい手応えのまま先頭に。そして追われると抜け出しました。襲い掛かったのは最後尾から大外を回ったリオンディーズ。馬体を離した2頭が後ろを置き去りにしての追い比べ。追ってきたリオンディーズに軍配が上がって優勝。エアスピネルが4分の3馬身差で2着。4馬身差の3着はシャドウアプローチ。
 優勝したリオンディーズは11月22日に新馬戦を勝ったばかりでここが2戦目。それでいて最有力視された2着馬を豪快なレースぶりで差し切ってしまったのですから新しいスター候補の誕生です。たぶん距離は伸びた方がよい筈で,来年のクラシックの有力候補といっていいでしょう。差されはしたものの3着には大きな差をつけた2着馬も,よきライバルとして長く戦い続けていくことになるものと思います。父はキングカメハメハ。母はシーザリオ。祖母がキロフプリミエール。半兄に一昨年の菊花賞と昨年のジャパンカップを勝ったエピファネイア。Leontesはシェイクスピアの戯曲の登場人物名。
                                   
 騎乗したミルコ・デムーロ騎手は先々週のチャンピオンズカップに続く大レース制覇。第62回,64回に続く3年ぶりの朝日杯フューチュリティステークス3勝目。管理している角居勝彦調教師もチャンピオンズカップに続く大レース制覇。朝日杯フューチュリティステークスは初勝利。

 リューウェルツが書いた序文には,僕の関心を惹く記述があります。それはスピノザが,都市の外に住むイエレスの友人と形容されている点です。
 岩波文庫版の『スピノザ往復書簡集』の書簡四十八の二は,ハルマンがリューウェルツゾーンに見せてもらったAと,リューウェルツが序文に示し,それを読んだベールが自著で報告しているBに分かれています。各々の書簡の内容から,Aが先に書かれ,Bはその後,Aの指摘を受けたイエレスが論文を書き改めるのに十分な時間を経てから書かれたことになります。
 Aの手紙には日付があったことをハルマンは報告しています。1673年4月19日でした。スピノザは遅くとも1670年にはハーグに移住し,翌年の5月には終の棲家となったスぺイクの家に寄宿しています。ですからAもBも,スぺイクの家から出されたものであったという点では同じです。つまりリューウェルツが序文で記述している都市の外というのは,ハーグのスぺイクの家のことです。よってリューウェルツはハーグを都市の外とみなしていたことになります。ではリューウェルツがそこでいっている都市がどこを意味するのかといえば,自身が出版業を経営していたアムステルダムであったと断定できるでしょう。ここから分かるのは,少なくともリューウェルツにとって都市とはアムステルダムだけを意味し,それ以外の場所は都市とはいえなかったということです。リューウェルツがハーグに行ったことがあったかどうかは分かりませんが,栄えているということくらいは知っていただろうと推定します。
 スピノザはヨハネス・ファン・デル・メールに対して,出された質問を,そのときに住んでいた田舎のフォールブルフでひとりで考えたといったのでした。同じ頃にスピノザがオルデンブルクに宛てた書簡の中には,フォールブルフが田舎であることを殊更に強調している箇所もありました。僕はその田舎というのが,都市と対比された意味での田舎と解し,メールとスピノザが会ったのは都市だったろうと推測したのです。そしてその都市はハーグである可能性は残るけれども,アムステルダムだったのが濃厚だと解しました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする