ワインは通常は健全な葡萄の果汁が持つ糖分が発酵してアルコールを生み出してできる飲み物です。
が、中にはカビが付いて干からびた葡萄で造られる甘口の貴腐ワインや、寒い冬まで待って水分だけ凍らせ甘口のワインを造るアイスワインなどがあります。
しかし、もっとヨーロッパの多くの場所で造られているのが「陰干しワイン」です。
フランスではジュラ地方やローヌなどで造られるヴァン.ド.パイユ(藁のワイン)、スペインではフォンディジョンと呼ばれるもの、そしてイタリアではヴィンサント(トスカーナ地方)やレチョート(ヴェネト地方)、或いはスフォルツァート(ロンバルディア地方)など沢山造られています。
これらは必ずしも同じ方向性ではないのですが、その産地のあまり強くないワインを日常用とするならば一部の葡萄を陰干しして凝縮度を上げ別のタイプ、例えば甘口や強い辛口に仕上げてバリエーションを生み出すのです。
今、そむりえ亭ではヴェネトのアマローネというワインをグラスで用意しています。
ヴァルポリチェッラというワイン用の葡萄を陰干ししてアルコールもタンニンもしっかりした、また干からびる時に身に付く複雑性を持ち合わせたワインです。時に甘みを残すこともあります。
お肉に合わせても面白いのですが、その後のデザートまで引きずってもいいワインです。
アルコールが15度を超えますのでボトルを2名とかで飲むのはしんどいワイン。グラスでちょこっと召し上がって頂きたいワインです。
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