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ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
 06‐4963‐3098 
 樋口誠

飲み頃

2017年06月17日 02時27分13秒 | ワインの事
これも何度か書いていることですが・・・

ワインの飲み頃は「買った時が飲み頃」です。

「ラトゥールの82年はまだまだ先だ」

「モンラッシェなら、あと10年は待ちたい」

「あれはもう峠を過ぎた」

などと言いがちですが、実はラトゥールでもモンラッシェでも「今」を美味しく飲めるように工夫して楽しむのも手なんです。


確かに数千円までのワインと違い何万円かそれ以上の価格のワインは「失敗したくない」とか「内に秘めたポテンシャルをすべて引き出して」飲みたい、というのは十分すぎるくらい判ります。

そういうワインのサーブはホテル時代にげっぷが出るほどやってきたつもりです。


しかし、同じ年のワインでも長く待っている間に価格は上がってしまいますし、安く買っていたとしても保存している間に金利も電気代も「家賃」も掛かっているわけですから、待てば待つほど期待値が上がりすぎたり、通常の料理に合わせにくくなったりすることもあり得ます。


それだけでなく、近年のボルドーのヴィンテージなどは若いうちから美味しいですし、ブルゴーニュもそういう傾向にあります。


そむりえ亭はグラスワインでの提供ですので古いワインは基本的に使わないのですが、時折「グランヴァンの若いもの」を開けています。

でも、それなりに美味しく召し上がっていただいているつもりです。


「熟成したワインを飲むな」などとは言いませんが「若いワインを飲んだら駄目」というのは、少し残念な話ですので勇気をもって開けていただきたいと思います。


ちなみに「凄いグランヴァンの若いもの」は抜栓後、空気も抜かずに1か月ほど美味しく頂けることも少なくありません。

そういう楽しみ方も良いものです。


         樋口誠