ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

味わいの基準

2013年04月24日 02時43分08秒 | ワインの事

今日、日付が替わるとともに雨が降り出しました。

今日24日は一日雨の様ですね。

皆さん、傘のご用意をお忘れなく!!

そむりえ亭はというと昨日は「ブログ見たでえ!!」を敢行しましたところ、エライ勢いで入りはじめ、気が付けば普段以上の忙しさ。

有難い話です。


さて、昨日のお客様とも話していたことです。

前に美味くないと思っていたワインが今日は美味く感じる。或いは、あの時美味しかったワインが不味く感じる。

また、あそこのワインはそんなに甘く感じなかったはずだが、今回は甘い。

その逆で、甘いはずのワインが甘く感じない。

これらの理由はいくつか思い当りますが、ボトルのコンディションが違うという事以外で3つくらいあげられるでしょうか?

1:前に口にしたワインか料理が甘かったので後に飲んだワインが酸っぱく感じる。等のように先の味わいとのギャップ。

2:生まれ育った土地の味とは名前は同じでも全然違う味わいだった時に受け付けなくなるギャップ。(ビールや日本酒が多かった人にはどんなワインも酸っぱい事が多い)

3:魚卵に白ワインを合わせ臭くて仕方ない、的な組み合わせで美味しいはずのワインが台無しになっていた、というギャップ。

などです。

何しろ人間の味覚は先の味覚に影響を受けやすいですし、幼いころからのイメージ以外の物は受け付けにくい、また残念な組み合わせはつらいものです。

そういう点では解決は簡単ですね。

1:a:前後の味わいの差を最初から意識してワインを選ぶ、若しくは順序を変える。
  b:言葉で「これはさっきのに比べて甘く感じるかも知れません」など印象を緩和する言葉を入れる。(これが驚くほど効果的です。)

2:最初から違う味わいである事を告げ、有りうる他のコンビネーションを例示する。

  (お萩に渋茶が合うように、チョコと渋い赤ワインも合うのです、等の例)

3:多くのマリアージュは左程ひどくなることはないが、時折ある「ひどい例」を避ける。(ここが一番難しいのかも知れませんが、それはそむりえ亭で聞いてください)

勿論、それだけではありませんね。

最近いつも飲んでいるワイン、いつも行くのはイタリアンなのに今日はカリフォルニアワインだった、など普段の「慣れた口」を理解しなければ、どんなワインも異国の味わいなのかもしれません。

しかし本来ワインは「特別なもの」ではありません。ですから好きなように飲めばよい。




でも「今日は美味しくない」と言われたら、飲食業をするものとしてはつらいですよね。

出来ることは「そう思われない下準備」或いは「レールの切り替え」のようなことが大事なんですね。

お客様には責任はありません。

「コレちょっと酸っぱく感じるかも知れません」と告げることで酸っぱいと思われないでしょう。

頭の中で「酸っぱさの引き算」を自然にしているのです。

「先程のワインの後では弱く感じますが、意外としっかりしています」と聞かされると「そんなに弱くない」ととって頂けます。つまり「強さ弱さの基準値が下がる、または上がるのですね。

「黙って飲んでりゃいいんだよ」的な出し方は避けたいものですね。

日本はまだまだワイン後進国。簡単にワインを美味しいとは言ってもらえないのです。

美味しくワインを飲んで頂く。

その為に出来る事。

色々ありますね。

その店なりの、その人なりのプレゼンテーションがあります。

私の書いたことなどは一部ですし、店の形態によっては見当違いです。

飲食店の方も、お客様も「美味しい方法」共有しあえればいいですね!!