ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

2003年のワイン

2011年11月07日 04時32分19秒 | ワインの事

いったい何が原因なのか?という事は私が語ることは不遜です。

が、地球の温暖化は確かなことでしょうね。

私の短いソムリエ生活の中でも段々と気温が上がってきている事を実感しますし、収穫日も8月中に開始、というのも珍しくなくなってきています。

その傾向を決定的に私に叩き込んだのはヨーロッパの2003年です。

あんなに北にあるパリで沢山の死者を出した110年ぶりともいわれた猛暑。多くの生産者が収穫対策が遅れたとも・・・・・

私はアルザスのリースリングをテイスティングして「酸は何処に行った?」と思いました。

ボルドーのアルコールの高さにも驚きました。

イギリス人の評論家とアメリカ人の評論家で激論も沸き起こりました。

シャンパーニュではヴィンテージものを造るかどうか、意見が分かれました。

つかり前例が無い、という事態です。

しかし、あれから8年。

思いの外、2003年のワインは良い成長をしているようです。

今、開けているアンリオのミレジメ03はとても良い熟成です。

ブルゴーニュも生産者によってはタンニンがこなれて隠れていた酸が目を出しています。

カベルネに関してはもともとボルドーより暑かったニューワールドの例を見て想像するに易いですね。問題のない熟成をするようです。

勿論、涼しかった良年の華麗さとは違います。後10年経ったらどうなるのか?まだまだ判りません。

カリフォルニアの98年は涼しかったのですが、今良い熟成をしています。

暑い年か?涼しい年か?面白い占いですね。

ま、世の中のほとんどのワインは熟成数年で飲み干されます。将来の事を言っても始まりません。

シャンパーニュ2003に関しては今月のそむりえ亭でお試し頂ける、という事でこの話を閉めておくとしましょう。