ワインを長年寝かせておくと澱というものが出てきます。
沈殿物ですね。
長年といってもワインによって長さは違います。
僅か数年もしない内に出始めるワインもあれば、10数年して初めて少しの澱が出るもの。
また、ヘドロの様な重いものもあれば、霧のように浮遊する軽いもの、ガラスの結晶のようにキラキラと輝くもの。色々です。
しかし、殆どの場合、見た目も味わいもマイナス要素になります。
よって伝統的にはデキャンタに澄んだ上澄みのみを移す、という事が推奨されたりするのです。
ちなみにボルドーなどカベルネ系は重い澱、ブルゴーニュなどは軽い澱が普通です。暑い乾燥した地域の場合、酒石の多い、つまり石のようなざらつきのある澱が見られます。
しかし、折角お金を払って買ったワインですから、出来れば可能な限りボトルの中の全量を飲みたいですよね。
私の経験上、2,3日立てておいて底の部分にしっかりと溜まるようならデキャンタしたほうが良いと思いますが、それ位では殆ど沈まない澱ならデキャンタせずに飲んでしまっても味わいに大きな損出は無いと思います。石のように重い酒石系の場合はゆっくりと注げばグラスに入ることはありません。
という事ですが、デキャンタの目的はそれだけではなく、エアレーション=空気接触も大きな目的ですから、それ(空気接触)が必要な場合、結局デキャンタしたほうが良い、という事になりますので澱と開けた時の状態を見てから決めるのが良いですね。
そむりえ亭の場合、グラスワイン中心ですが、多くの場合は澱が無くてもデキャンタ若しくはそれに習う方法を取っています。
上手に判断して美味しいワインを召し上がってください。勿論、美味しい料理と一緒に!!!