ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

今日も思ったことですが・・・・

2011年06月25日 04時40分56秒 | ワインの事

ワインの熟成は以前の基準と違ってきています。

以前は評価の高い年=凝縮した葡萄が育った年のワインが長い熟成によって開く、といわれていました。

雨が少なく日射が多く、乾燥している事で寒暖の差のある年が該当します。

私の経験の中では60年、70年、80年台はそうだったかも、という気がします。

ところが90年手前位から「う~~ん?」と思うことが増えているのです。

つまり酸が足りないのですね。

今日は2000年のブルゴーニュのグランクリュを開けましたが綺麗な熟成をしています。

この年はボルドーは高い評価ですがブルゴーニュは「小さな年」といわれます。

造り手は大手のものでマニアが見下すこともあるところ。

しかし、荒いタンニンは和らぎ始め、きれいな酸と奥行きのあるミネラル感、果実味、香りは「らしい」赤い果実。11年目ですのでまだまだ未来がありますが今でも素晴らしい出来ばえです。最近の経験ではこういうワインが20年、30年後に大きな花を咲かせます。

いや当たり年のワインがダメとはいいません。しかし「途中経過」が閉じすぎているのです。長すぎる、と言って良いと思います。

セラーに長く寝かせるワインを買い溜めよう、と言う方には是非当たり年のワインと共に「小さな年」もコレクションに入れて、熟成の差を探っていただきたいと思います。