昨日は新横浜で打ち合わせ。「たい夢」のたい焼きをいただきました。
さめてもパリッとした皮がたまりません♪
麻布十番にも最低30分待ちのたい焼きがありますが、たい焼きってもっと気軽に食べるもの。このたい焼きで十二分以上です。
さて、木下音感協会の機関誌がUPしたのか、昨日から「フミくん物語」のアクセスが多くなってきました。
そこで本日はフミくんと一緒に掲載している「おんかんイラストエッセイ」、前回分もUPしてませんでしたので、あらたに2回分をUPいたします。
お楽しみいただければ幸いです!
昨日は新横浜で打ち合わせ。「たい夢」のたい焼きをいただきました。
さめてもパリッとした皮がたまりません♪
麻布十番にも最低30分待ちのたい焼きがありますが、たい焼きってもっと気軽に食べるもの。このたい焼きで十二分以上です。
さて、木下音感協会の機関誌がUPしたのか、昨日から「フミくん物語」のアクセスが多くなってきました。
そこで本日はフミくんと一緒に掲載している「おんかんイラストエッセイ」、前回分もUPしてませんでしたので、あらたに2回分をUPいたします。
お楽しみいただければ幸いです!
昨日は「聖者たちの食卓」見に行きました。インド、パンジャブ州の黄金寺院で600年前から施されている、一日10万人の無料食堂のドキュメンタリーです。
セリフが一言もない、淡々と10万人分の食事を用意する映像は圧巻。
ただ、今日は時間の関係でそちらの話は後日。
カレーつながりでエピソード13をUPします。
かれーな印度カレーを召し上かれー13
ホウレンソウのカレーは如何?
まいど、まいど、イダテンのゲンさんです!
いやあ、年もあけてはや1ケ月が過ぎるが、ライブドアだとか、談合だとか、米国産牛肉だとか――何とも世間の騒がしいこったなあ~。昔から一寸先は闇だなんて言ったものだが、まったくその通りさね。
まあ、あっしも経済に関わる人間として、相場の上がりで食べてくことを、そんなに悪くは言えないものの、あまりに実体がない商売ってえのは考えもの、と思う今日この頃だ。
バブル時代は北海道ひとつの値段で、カナダ一国が買えちまうなんて騒いでいたようだが、あまりにバランスのわるい価格ってえのは破綻する危険も高いもんさね。
マネーゲームはそれなりに世の中を動かす力にはなってるんだが、日本人はやはり基本のモノ作りを忘れちゃいけないと、あっしは考えている。資源も土地もない国がここまで来たのも、ひとえに勤勉さに支えらたモノ作りの精神があったからこそだ。
今年は、このご老体もよりどっしりと地に足をつけて、今まで通りの商売に精を出す所存だ。今まで以上に良い食材を安い値段でご提供するんで、何卒よろしくお願いいたしやすぜ!
ホウレンソウのカレーはいかが?
ご好評のインド料理のレシピ編として、今回はホウレンソウのカレーを取り上げてみよう。こいつは日本にあるインド料理店でも、行けば必ず置いてある一品だが、本国インドでは北部を中心に広く食されている料理でもある。
最近は、日本でも知られるようになった一品だが、タイ式のグリーンカレーと間違える人も少なくない。だが、タイ式グリーンカレーの緑は、青トウガラシをベースにコブミカンの皮、レモングラスなどで色づけしたものだから、まったくの別物・・・青トウガラシで色づけされてるいるため、すこぶる辛いのが特徴だ。
一方でインドのホウレンソウ・カレーは周知のように左程辛くない。濃いグリーンをしているのは、ホウレンソウが煮込まれて濃縮された上に、スパイスの色が加わったものだ。ターメリックの黄色とレッドペッパーの赤、そしてコリアンダーとクミンの茶色が加って、濃いグリーンに仕上がるってワケさね。
あっしが、はじめてインドでサグ・パニール(ホウレンソウとインドチーズのカレー)を出された時には、こちとらカレーってえのは茶色いってアタマがあるから、ちょっくら戸惑った覚えがある。ともかくも、びっくりするような緑色だからな~。
だが食べてみれば、なかなかどうしてイケるじゃないかってんで、インドにいる間にけっこうヤミツキになったもんだ。人間ってえのは、いったん「何だこれは?」と思ったものを好きになると、クセになることが多いけど――あっしの場合、このホウレンソウのカレーはそうだったな~。
てなワケで、ちょっくら「ホウレンソウとチキンのカレー」のレシピをご紹介しよう。なにね、ポイントはホウレンソウとショウガ、水をミキサーにかけるだけのことなんだけど、手順を知らないとなかなかできない料理だ。
パーティーに出せば、「おっ」と思わせる嬉しい一品で――そんなに作り方は難かしくはないもんで、どうぞ試してやっておくんなせえ。
サグ・パニールはいかがかな?
上のレシピではチキンを用いたが、ホウレンソウのカレーは地域によってさまざまな具材が用いられている。
一般的にインドで使われるホウレンソウカレーの具材は、実はチキンではなく、パニールと呼ばれるカッテージチーズで、こいつは先程も申し上げた通り「サグ・パニール」と呼ばれて親しまれている。ただインドでもパニールを使った料理は毎日食べられるものじゃなく、お祝いの時に出されるご馳走として喜ばれる食材だ。
こいつは牛乳とヨーグルトにレモンを加えて分離させたインドのチーズなんだが、大量の牛乳から少ししかとれないのに加え、やや手間がかかるのと、失敗すると分離して捨てるしかなくなるという難点がある。
今回、ご紹介したレシピに鶏を使ったってえのも、そんなワケなのさ(まあ、玄人のみなさんは失敗なんかしないだろうが、読者には素人衆も少なくねえんで、真っ平御免なすっておくんな。パニールのレシピはいずれ別の機会のご紹介するからよ)。
ホウレンソウは強い素材がお好き?
チーズと言っても、パニールはまったく熟成させないのが特徴だ。水とタンパク質に分離させて、重石をのせて固めるところは、豆腐の作り方によく似ており、やや食感も近い。ただし、パニールの場合は、乳脂肪分8%を超えるインドの牛乳だからこそ美味しく、その点は大きな違いでもある(だから日本にあるインド料理店は、みんな牛乳に生クリームを混ぜてパニールを作っているんだよ)。
実はあっし、ホウレンソウのペーストに豆腐を使った「サグ・トーフ」なるものを作ったことがあるんだが・・・うーん。食えないこともなかったけど、あんましみなさんにオススメはできないなあ。
なぜって、ホウレンソウ・ペーストの濃厚な味に対して、豆腐は淡白すぎるんだな。その上、豆腐から余分な水分が出てしまい、ソースの味を薄めてしまう難点がある。ホウレンソウのカレーは、あまり汁気が多いと美味しくない。本国インドでも高級店に行けば行くほど、こってり感が増していくくらいだからね。
同じホウレンソウのソースでも、北ではラム肉や鶏レバーを入れたり、南西部のムンバイではエビを入れたりと、地方によって食べ方はまちまちだが、いずれにせよ味のしっかりした素材が多いようだ。
ともかくも、ホウレンソウは栄養満点。ま、鉄分に関しちゃ、思われてたほどでないそうだが、鉄を吸収する補助栄養剤になる葉酸が多く含まれているんで、結果的に貧血を防ぐ効果はあるそうだ。そんな意味では、ホウレンソウとレバーのカレーなんてえのは、理にかなっているのかもしれないよ。
さーて、時間がきやがった。
それじゃ、お客さん! 次回をお楽しみに!
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昨日は稀勢の里、今まで負けたことのない勢に完勝。
注目の逸ノ城は地味に強い宝富士を豪快に右のすくい投げで、やはり本当に強いことを見せつけました。
個人的に注目したのは、栃ノ心と千代鳳の一番。
重たい千代鳳に押し込まれながらも、逆転粘りの相撲は見事。強い!
序二段まで落ちた栃ノ心、まさに地獄から這い上がってきた男の底力というべきでしょうか。
さて、本日は先日配信された木下音感協会の機関誌「おんかん」に好評連載中の「フミくん物語」をUPいたします。
先日、花風社さんのセミナーで、出席者の方から「フミくん物語、楽しみにしてます」というお言葉をいただき、嬉しく感じていたところですが、どこで人が見てるかわからないものですね。
その方はフミくん物語が実話をもとにしてるということをご存知なかったようですが、フミくんは実在の人物で、現在アメリカ在住でロボット開発の会社に勤務しています。
障害を持つ人が、誰もがフミくんのようになれるわけではありませんが、逆に言えば、誰もがなれる可能性があるということで、それは大きな希望の星と言えるのではないでしょうか。合わせてお楽しみいただければ幸いです。
前の「フミくん物語」はこちらから
昨日は大相撲、一年納めの九州場所初日。
個人的には稀勢の里 vs 安美錦が目玉ですが、世間の関心は何と言っても日馬富士 vs 逸ノ城。
入門からわずか5場所で関脇にまでスピード出世をした、怪物・逸ノ城が先場所休場の横綱にどこまで通用するかが注目の一番でしたが、フタを開けてみれば横綱の圧勝。
立ち合いの手つきに疑問が残らないでもありませんでしたが、互いの呼吸を見れば、 手つきは不十分だったものの、立ち合いは成立したと見て良いでしょう。
むしろあまり手つきにこだわり、何度も仕切り直しをするのは相撲の流れを断ち切るので、昨日の立ち合いはまあ、何とかアリでしょうか。
たまりの逸ノ城は呼吸が荒く、さすがに緊張していたようです。
一方の横綱は、腕を組んだまま木鶏さながら。勝負はこの時に八分通り決していたかのようでした。
挑戦される立場でしかも休場明けにイヤな相手ですから、普通の力士なら力が発揮できないところ、こういう立場になればなるほど力を出す横綱。さすがでした。
今日の逸ノ城の相手は五月人形・宝富士。
宝富士は先場所は稀勢の里に土をつけるなど、地味に強い力士なので、今日の相撲は逸ノ城の試金石になるでしょう。地味に期待したい一番ですね♪
さて、われらが稀勢の里の初日は難敵・安美錦。
立ち合い、いつもあみたんの撹乱相撲でしたが、かえって体勢を崩した安美錦を稀勢の里がひと突きで一蹴。
初日でこの人を簡単に期待してはいけませんが、注目が浴びてない分、今場所は良いかもしれません。
ところで初日和装だと特典ありの九州場所。
勝昭さんとアナウンサーも和装のいでたちでしたが、どこかで一杯ひかけたのか、勝昭さんはかなりの酩酊状態。
この人の場合、酒飲んで解説は一度や二度ではないので、如何なものかですが(というか、この人大丈夫?って感じでしたけど)、稀勢の里の相撲あたりでは酔いが醒めたのかだんだんマトモになってきました。
酔い覚めの勝昭さんに「稀勢の里に期待」と言われても、ファンはあまり有難くないのですが、九州場所・・・久々に面白くなりそうです♪
昨日は清瀬の友だちの家に行きました。
20年前にガンで早世した友だち関係の集まりで、「忍会」と呼んでしのんでおります。
といっても、亡くなって20年。毎回、会は笑いのオンパレードです。
一度はわたくし、酔っぱらって仏壇の前で寝ていたほどで、その時はまだ知り合いでなかった妹さんが返ってきて、知らないおじさんが寝ているのでびっくりされたものです(縁はそれから)。
10年前にその妹さんが同じ部位のガンになりましたが、医学の進歩で無事助かりました。
20年後の今は友だちがガンと戦っていいます。
昨日は元気な姿で会うことができました。助かるかどうか、まだわかりませんが、昨日会った様子では大丈夫ではないか。そんな風に感じました。
笑いはガン治療に効果があるそうで、ダジャレを言うのはダレジャってダジャレはスルーでしたけど・・・本人も変に気遣いされるより、その方が良いようです。
これは人にもよりますが、大病や事故などがあった時に「大丈夫~?」「大変ね」と、心配して聞いてくる人がいますけど、私は親が倒れた時にそう言われるのがイヤでした。同情されるのが好きじゃない人って、世の中に多いと思うのです。
友だちは10年前にガンから生還した妹さんの話を聞いて、元気づけられたようです。
励ましというより、ガン治療に効果のある医学的な話題が多く、抗がん剤がどう投与されているか、放射線治療をどの段階ではじめるか。ガンを完全に除去しなくても、それが広がらなければ切る必要はない、など。
黒澤明の「生きる」を筆頭に、私が子どもの時分はガンは本人に宣告しないのが常識でした。それが『治る』時代になってきてから、本人に言う時代に変わりました。
これについては時代は良い方向に向かってきている、そんな風に感じました。
さー、今日から大相撲。
われらが稀勢の里はもちろんですが、楽しみなのは日馬富士と逸の城。嫌いだった逸の城ですが、マゲを結ったら意外にかわいい♪
どちらが勝っても負けても、良い相撲を期待します!
本日も引き続き「医食同源・かれーな印度カレーを召し上かれ」の12話目をUP。
今回はタンドリーチキンの話ですが、インド料理の代表に思われているタンドリーチキンもナンなどのタンドール料理は北インドの一部・・・それもパキスタンと東西に分かれているパンジャブ地方の食べ物。
南インドでは「タンドリーチキン」も「ナン」も知らない人がいるのです。
2006年と8年も前の記事ですが、そんなに古くなっていませんので、どうぞお楽しみくださいませ。
かれーな印度カレーを召し上かれー12
タンドリーチキンで一杯はいかが?
掲載日:2006年01月25日
まいど、まいど、イダテンのゲンさんです!
いやあ、お客さんがた。昨年から続いていた大雪のせいで、商品の配送が遅れてしまい、誠に申しわけねえこって・・・ようやく、大雪もピークを過ぎたところで、これから少しづつ元に戻っていくと思うんで、今しばらくお待ちくだせえ。今回の遅配に関しては、状況をよーく調べたのち、対応策を含めてご報告させていただきますんで、何卒ご堪忍いただければ有難えってなもんで・・・。
そんな大雪がようやくおさまってきたと思ったら、どこかのIT(だと思われていた)グループの不祥事で、市場がえらい騒ぎになってやがる。
こちとら地道にモノを売ってきた人間からすると、とんだとばっちりで腹立だしい限りだが、腰を据えて今まで通りの商売をするしかねえって感じだよ。
ともかくもお客さまがたには、体に気をつけていただき、今年の商戦に良い結果を勝ち取られますよう願うばかりさね。あっしも出来る限り、良い食材を安い値段でご提供するんで、今後ともよろしくお願いいたしやすよ!
タンドリーチキンは宮廷料理だった?
さーて、今回の「かれーな印度カレーを召し上かれー」は、ご好評をいただいたインド料理レシピ編の第2弾として、タンドリーチキンを取り上げてみよう。
カレーと同様、インド料理の代表のように思われているタンドリーチキンだが、実はこの食い物――インド料理であると同時にパキスタン料理でもあるんだ。
なに、ゲンさん。パキスタン料理なんてはじめて聞くけど、そんなモン本当にあるのかって?
へっへっへ。何を言ってんだよ、お客さん。みなさんが行かれるインド料理の専門店の中には、パキスタン人の経営者が少なからずいるんだよ。つまり、お客さんがたは知らず知らずのうちにパキスタン料理とやらを口にしているってワケさね。
いやいや、パキスタン料理ってえのは正確じゃねえな。パキスタンって国は、宗教上の違いからインドから分離した国(※1)なもんで、その食文化は北インドに近い。だから北インド料理と呼んだ方が正しいだろう。
北インド料理のルーツは、イスラム文化圏の影響を色濃く受けた16世紀ムガール帝国の宮廷料理と、もとから北インドにあった食文化が合体したものと言われている。
羊肉や鶏肉を中心とした肉料理はイスラムの食文化だし、土窯を使って食材を焼き上げる技法は、もとからインドにあったものだ。
タンドリーチキンは、そんな北インド――パンジャブ州からパキスタンにかけた地域で生まれた料理だ。おそらくは宮廷料理として、タージマハルを建てたあのシャー・ジャハーン帝も召し上がったのかもしれないなあ。
※1 インドの人口の8割がヒンドゥー教徒なのに対し、パキスタンの97%はイスラム教徒である。
タンドリーチキンで一杯はいかが?
タンドリーチキンは、文字通りタンドールと呼ばれる土窯で焼き上げる。タンドールは大抵のインド料理屋に置いてあり、どこでもガラス越しに見ることができるから、きっとみなさんもご存じだろう。口が狭く、内部が深い壺型になっていて、炭火を熱源にする窯だ。
ピッツァの窯などと同様、造りが大掛かりなもんで、本場のパンジャブ地方でも家庭料理ではなく専門店で食べる料理となっている。
焼き鳥でもうなぎでもピッツァでもそうだが、高温の炭火で焼いた食べ物というのは、独特の香ばしさがつく。タンドリーチキンやナン、シークカバブなどは、そのタンドリー独特の香りが魅力なんだ。
え? うちの居酒屋でもタンドリーチキンをお客さまにお出ししたいって? タンドールの取り付けは無理だけど、炭火ならどうにか熾せるから、ゲンさん何とかならないかって?
そうさなあ。完全に専門店と同じ味・・・と言うワケにはいかないが、酒の肴としていただく場合は、別の工夫しだいじゃ十分美味しく食べられるかもしれないよ。
ここいらで、ちょっくらタンドリーチキンのレシピをお見せしよう。前回と同様、エビ太郎の作者先生にわかりやすく絵を入れてもらったので、参考にしておくれ。
焼き魚とか焼き鳥と同じ要領で火を入れると、けっこうイケるはずだ。あっし自身も家庭にあるグリル台で焼いてみたが、ビールにもワインにも合う味に仕上がった。焼き鳥の台では試してないが、たぶん相性は良いはずだ。ちょっくら変わった居酒屋メニューができるかもしれないから、ぜひ一度試しておくんなせえ。
ナンはインダス文明がルーツだって?
タンドールの本場・パンジャブ地方というのは、インドだけではなくパキスタンにまたがった地域だ。インド側にもパキスタン側にも、シーク教徒と呼ばれるターバンを巻いた人たちが数多く住んでいる場所として知られている。
彼らは外交官や海外で働くビジネスマンなど、目立つ仕事につく人が多いことから(※2)、とかく外国からは、インド人=ターバンと思われがちだが、実際のシーク教徒の数はインド全体の人口のわずか2%に過ぎない。エア・インディアのマスコット人形もそうだけど、存在感があるんだな。
数が少ないわりに勢力が大きい点は、ムンバイのパールスィー教徒によく似ているが、シークは食の禁忌がないためか、外国でのレストラン経営の乗り出す人が多い。日本のインド料理店の大半が北インドの料理だというのも、きっとそのことが関係しているんだろう。
タンドリーチキンをはじめとして、日本でインド料理の定番と思われているナンやサモサ、シーク・カバブ、羊肉や鶏肉を中心としたカレーの類は、パンジャブ地方やデリー周辺の北インド――それも高級店で食される料理と考えて良いだろう。
ところで余談ながら、パキスタンってえところは、インダス文明の発祥地だ。教科書に出てくるモヘンジョダロ、ハラッパの遺跡も、実はインドではなくパキスタンの領内にある。パキスタンの領内は、今ではすっかりイスラム化してしまったが、実はインド古代文明のもとになった場所で、ブッダの登場はそのずっと後になるって話さね。
この遺跡ではナンの原型と見られる、小麦のパンを焼いた跡が出土されている。パキスタンからトルコにかけて、イスラム文化圏ではナンやピタパンなどのように、もっちり炭火で焼いたパンが見られるけど、そのルーツはインダス文明まで遡るのかもしれないよ。
さーて、時間がきやがった。これから赤坂はタージのランチバイキングにでも出かけて、タンドリーチキンをイヤというほど食べて来るかな。
それじゃ、お客さん! 次回をお楽しみに!
※2 現在、インドのシン首相もシーク教徒で、しかもパキスタン側のパンジャブ地方出身として知られている。
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現在、ささやかに開設されている「小暮満寿雄 絵画教室」ですが、昨日は9月から通われている自閉っ子のFumiyoちゃんとそのお母さまU子さんがお2人でやってきました。
お2人は花風社さんの仕事を通じて入門された方。お住まいは神奈川方面と地元ではありませんが、嬉しいことに月に2回の絵画教室を楽しみにされてるとのことです。
この日、いつもは娘の描いてる様子を見るだけのU子さんでしたが、昨日は何かを思い立ったのか、「私も描いてみます」と一念発起。
母娘同じテーブルに向かい合って、楽しく描きました。
(テーブルと言っても、教室は今時珍しいちゃぶ台です♪ テーブルと椅子もありますので、 膝や腰のわるい方はそちらで描くことができます)。
私の教室では、通常のカルチャー教室のようにモチーフを用意して描く、ということは特にしておらず、個人の希望に合ったカリキュラムを用意しています。
絵を描くことが大好きなFumiyoちゃんですが、お2人にとって大事なのは、絵が上手になることはもちろんですが、絵を描くことによって気持ちの良さを感じて、心の中にあるものを吐き出すある意味のデトックスが大切です。
Fumiyoちゃんは普通のイラストやキャラクターも、とっても上手なのですが、それよりも心の趣くままに描いた一見抽象画に見える作品にオリジナリティがありました。
私の教室では、それを伸ばして作品に仕上げる作業をすることにしました。
で、最初に見せてもらったのが、絵のこの部分。
厚紙に絵具やマニキュアを使って描いたという、 この素晴らしい心象風景をまず額装できる作品にしようと提案したのです。
人にはない感覚を持っているFumiyoちゃんですが、それを人の鑑賞に耐えうる作品にするには知識や経験がありませんので、私としてはその手助けをすることにしたのですね。
で、まずパネルに水張りしたものに厚紙を木工用ボンドで貼付け、厚紙部分には手をつけず白地部分に絵を描きました。
作品を仕上げるというのは根気のいる作業。
体力面に問題のある自閉っ子にとっては大変な作業ですが、教室では最初に自分がスケッチブックに描いたラフに色塗りをして、ウォーミングアップをすることにしています。
線画に色を塗るだけですけど、面白いものができますね~♪
大胆で明るいFumiyoちゃんの作品ですが、お母さんのU子さんは繊細で色のきれいな絵を描きます。
↓ 昔、U子さんも絵は好きで描いていたそうで、母娘そろって面白いセンスをしてますね。
ともかくも母娘が同じテーブルでお絵描きに興じる姿。何とも微笑ましく、こちらも幸せな気持ちになりました♪
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本日も時間の都合により、医食同源「かれーな印度カレーを召し上かれー」の紹介です。お楽しみいただければ幸いです。
かれーな印度カレーを召し上かれー11
本場チキンカレーのレシピを紹介しやしょう!
まいど、まいど、イダテンのゲンさんです!
さてさて、また新しい年が来ちまったなあ。昨年は景気も回復の様相で、良い兆しがそこいらに見えてきたが、あっしはこういう時こそ気をつけなきゃいけないと思ってる。
えー、珍しくゲンさん、正月から釘を刺すようなことを言うじゃねえかって?
そらーそうだ。こちとら、大東亜戦争こそ経験してないが、オイルショックからバブルの時期と、何度となく苦い思いを経験してきた年寄りだ。たまたま稼いだ小金でいい気になってる連中の顔を見ると、危なっかしくってヒヤヒヤするってなもんだ。
「徒然草」の兼行法師じゃねえが、木から降りる際は、上にいる時より降りる寸前に気をつけなくっちゃいけないもんさね。
まあ年寄りの苦言は別にして、おかげさまでスイサンドンヤ・ドットコムさんの2週間替わり特売キャンペーンは、商品が追いつかないほど絶好調だ。そのうち2週間じゃなく、1週間くらいの大売り出しをはじめたいと思ってるくらいで、まあその時は、何卒よろしくお頼み申しあげやす。
ともかく本年もみなさまのご注文、心よりお待ち申しあげやすぜ!
本場のインドカレーをお見せしやしょう!
さて、今回の「かれーな印度カレーを召し上かれー」は、いよいよお待ちかね、インドカレーのレシピ編と洒落込むことにいたしやしょう。
よくカレーの専門店などに行くと、30数種のスパイスをブレンド、なんて銘打ってるのを見かけるけど、面白いことにインド料理の専門店でそれを売り物にしている所は、あまり見かけない。
まあインドカレーってえのは、料理によって使うスパイスの種類やブレンドが変わるワケだから、ひとくくりに「何種類のスパイスを使用」と言えないことは確かだがね。
そもそもスパイスの数をウリにしているのは、カレーの専門店にせよ店頭で売られているカレールーにせよ、日本式カレーの場合がほとんどだ。
意外なことに、本場のインドカレーより日本式カレーの方が(結果的にだけど)使うスパイスの数が多い場合が多いのさ。実際、インド人の家庭におじゃまして料理を作るところを見せてもらうと、4~5種類のスパイスで済ませるもんで、かえって驚かされることがある。そんなカレーが素晴らしい香りと味だったりするんで、2度びっくりさね。
え? そんな少ないスパイスでどうやってカレーを作るんだって?
とりあえず、論より証拠だ。インドカレーの基本中の基本、チキンカレーのレシピをお見せいたしやしょう。エビ太郎の作者先生に、わかりやすく絵を入れてもらったんで、興味のある方はぜひ試して作っていただきてえもんだ。
4つのスパイス+ガラムマサラ
上のレシピを見てもわかるだろうが、使われるスパイスはたったの5種類だ。どれもそんなに高いもんじゃないし、最近じゃあ、ちょっとしたスーパーでも普通に売られているから、ぜひ一度試してほしいもんだ。
見ていてわかるだろうが、ここではレッドペッパー、コリアンダー、クミン、ターメリックという4つのスパイスに加え、ガラムマサラという混合スパイスを用いている。
スパイスの役割ってえのは大きく分けると、次の5つに分類できるってことは、以前にも申し上げた。ちょっくらおさらいすると・・・
1、辛味に使われるスパイス
2、臭い消しに使われるスパイス
3、味つけに使われるスパイス
4、香りづけに使われるスパイス
5、色づけに使われるスパイス
このうち、レッドペッパーは1の辛味づけ。コリアンダーは2と3の臭い消し。クミンは4の香りづけを担う。そしてターメリックは色づけといった寸法だな。
だから、今申し上げた4つのスパイスさえあれば、スパイスの持っている要素はまんべんなく網羅できるってことさ。上にあげたチキンカレーのレシピは、まあその実践編ってワケだ。
香り立つスパイスくんたち
さて。このレシピでカレーを作ってみれば、わずか数種類のスパイスしか使ってないのに、香りひとつひとつが立って、自己主張をしているのがおわかりになると思う。実はこの香りの立ち方こそがインドカレーの真骨頂なんだな~。
インドに日本で言うカレー粉がない(※1)というのは、この辺が理由というわけだ。カレー粉では「香り」という、インド人が料理を評価する最大のポイントが損なわれるからなんだ。つまり、料理する直前でブレンドするからこそ、スパイスひとつひとつの香りが際立つって寸法さ。
そのあたりが、イギリス経由でやってきた日本のカレー粉に欠けている点だろうか。市販のカレー粉は味わいやコクを重視している一方、キツい香りを好まない日本人に遠慮している面があるからな。
ここでポイントになるのが混合スパイス、ガラムマサラの存在だ。
え? ガラムマサラとカレー粉って、どこが違うのかって?
うーん、お客さん。当然の疑問とはいえ、なかなか良い質問をするね~。それじゃ、そいつをご説明するとしようか。
※1 インドにも、日本でいうカレー粉にあたるものがないわけではない。ただ、一部の大都市のスーパーなどに限られ、あまり一般的ではない。
どこが違う? カレー粉とガラムマサラ
簡単に言うと、カレー粉はそのまま使えばカレーが出来上がるが、ガラムマサラはそうじゃなく、仕上げにふりかけて香りを高めるために作られた混合香辛料だ。
カレー粉ってえのは、さきほど申し上げたレッドペッパー、コリアンダー、クミン、ターメリックという、それさえあればカレーが出来上がる4大スパイスを中心に、数10種類もの香辛料がミックスされている。
一方ガラムマサラの場合、4大スパイスの含有量はきわめて低くなる。基本的にガラムマサラにターメリックは入れないし、レッドペッパーやコリアンダーも用いないことが多い。唯一、香りの強いクミンだけはガラムマサラの材料に使われるって塩梅さ。
ヒンディー語で「辛いスパイス」を意味するガラムマサラだが、辛味というよりは、おもに香りを演出する混合スパイスと考えて良いだろう。
日本でも市販品が売られているが、もともとはインドの各家庭に伝わるおふくろの味だ。
インドでは調理のたびに、食材や調理に合わせたスパイスを用意し、それを焙煎したり皮を剥いたり下処理したものを、ハマンダスタと呼ばれる石臼に搗いて料理に使う。
主な材料とするとクミン、ブラックペッパー、クローブ、カルダモン、シナモン、ガーリック、ジンジャー、ナツメグ、ビッグカルダモン、ベイリーフなど。
このうちベイリーフを除く、ほとんどがシードスパイスだ(※2)
インドでは魚や肉、野菜などによって、ガラムマサラのブレンドは変えられたりするんだが、その調合はなかなかややこしい。あっしら日本人が家庭でインド風カレーを作る時は市販のもので十分だろう。
ともかくも次回以降は、エビカレーや野菜カレー、マトンカレーなどのレシピもご紹介する予定だ。その時にガラムマサラのブレンドなどをご紹介するんで、もう一歩踏み込んでインドカレーを極めたい方は、どうぞお付き合いしておくんなせえ。
それじゃあ、お客さん。次回をお楽しみに!
※2 正確に言うとクローブは蕾だが、その性質上、シードスパイスと呼んでも差し支えないだろう。
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ケララの風のミールス定食です♪
最近は不定期にUPしている「医食同源」の日の方がアクセス数が多かったりして、ちょっと複雑な気持ちでいますが、それはそれでけっこうなこと。
本日は好評をいただいている、「かれーな印度カレーを召し上かれー」の10回目。
カレーというよりは、インドの伝統医学アーユルヴェーダの話になっていますが、引き続きお楽しみいただければ幸いです!
かれーな印度カレーを召し上かれー10
アーユルヴェーダの医食同源
掲載日:2005年12月21日
まいど、まいど、イダテンのゲンさんです!
最近、あっしの家では韓国ドラマ「チャングムの誓い」の話題で盛り上がってるんだが、あれは実に面白いなあ。正直言って、「冬ソナ」も「オールイン」もピンと来なかったイダテンのゲンさんだが、韓国宮廷料理の話ということもあってか、チャングムだけは毎週欠かさず見ることにしている。
あっしらみたいなオヤジには、ヨン様とかビョン様と言われても、まるで縁のない話だし、それに加えて出生の秘密や不治の病などが必ず出てくる、韓流ドラマ・黄金のワンパターンにはついていけなかったモンだ。
その点、チャングムはドラマの作りがしっかりしている上、チャングム役をやっているイ・ヨンエさんが、昔の吉永小百合を思わせる清楚な容貌だ。あっしらの年代好みの美人なもんで、このイダテンのゲンさんもちょっくら応援してるところさね♪ そのうち医食同源でも韓国料理について特集したいところさね。
それにしても1年が過ぎるのは早い。毎年毎年、「正月は地獄の旅への一里塚、めでたくもあり、めでたくもなし」なんて繰り返しているが、そろそろ景気も上がってきたことだし、これからいよいよ、めでたくエンジン全開といきてえモンさね。
ともかくも年の瀬になって、こちとら2週間替わりの特売セールに大童だ!
みなさまのご注文、心よりお待ち申しあげやすぜ!
アーユルヴェーダは古くて新しい伝統療法
今回もご好評にお応えしアーユルヴェーダの3回目。いよいよインドの医食同源に入ることにいたしやしょう。
「チャングムの誓い」の韓国宮廷料理にも、医食同源ならぬ薬食同源というのが出てくるが、その中でも五味五色というのが基本になっている(脚注ー『薬食同源』はこの国のお家芸、医食同源のコピーと思われる)。
五味てえのは、辛・甘・酸・鹹(かん/しょっぱい)・苦のことで、五色は青・赤・黄・白・黒のことだ。この五味五色をまんべんなく食べれば、健康でいられるというワケだな。
これは、いわゆる中国における陰陽五行説に基づいているんだが、前回もお話ししたように、このルーツはアーユルヴェーダの医食同源に共通するものだ(※1)。
昔から日本にあった養生法には、漢方だけでなくアーユルヴェーダにも共通するものが多いと言われているが、韓国にも源流を同じにする考え方があったわけだ。
ところで、5000年に亘る歴史を有し、2500年前には「チャラカ・サンヒター」という医学書まで編纂されていたアーユルヴェーダだが、意外なことに、それがまとめられたのはごく最近の話――それも戦後、1945年の独立以降の話なんだ。
考えてみれば、日本の10倍の国土に6億もの民を抱え、言語ひとつとっても200種類はあるというインドだから、それも不思議はない。また、アーユルヴェーダはイギリス植民地時代に迷信の扱いを受けていたこともあって、長い間に知識が失われていたり、誤った解釈がなされていたんだ。
しかし独立後はインド政府によって教育制度が整えられ、国内の医師たちの努力から散逸していた知識が再編された。さらに西洋医学による科学的な検討と裏付けが加えられたおかげで、世界保健機構(WHO)も重要な治療法としてアーユルヴェーダを認めたのさ。このあたりは、まさに古くて新しい伝統療法ということが言えるだろうな。
※1 アーユルヴェーダでは辛・甘・酸・鹹・苦の五味に、渋が加わる。
医食同源、7つのキーワード
繰り返しになるが、アーユルヴェーダではヴァータ(風)、ピッタ(火)、カパ(水)と呼ばれる3つのドーシャ――つまり生体エネルギーのバランスで、健康を維持するのを基本とされている。
たった3種類で人間を分けるのか、血液型より少ないじゃないか、などと言うなかれ。基本のドーシャはたったの3つでも、それは季節や時間などでさまざまに変化する。また、たとえば、ある人がヴァータ体質と診断された場合でも、それと同時にピッタやカパのドーシャを違うバランスで持っている場合が多い。
また、どの体質がいちばん良いということはなく、前回の図(『アーユルヴェーダは、風・火・水の三重奏』の図へジャンプ)を見ていただけばわかるように、たとえばピッタは快食快便だが、一方で下痢をしやすいというように、良い面と悪い面も持っていたりする。
病気につながる不快な症状というのは、3つのドーシャ、いずれかが増え過ぎたり減り過ぎた状態を指すんだが、特にドーシャは減るよりも増える方が、体に悪い影響を起こしやすいと言われているんだ。
さて、ちょっくら下の図をご覧になっておくれ。
アーユルヴェーダでは3つのドーシャ以外に、さらにそこから生まれる3つの生体化学変化があるとされている。
1、それは中国医学でいう「気」や活力、そして免疫機能を担うオージャス。
2、消化する火の役割を担うアグニ。
3、そして、未消化物となり、体の毒素となるアーマ。
この7つの言葉が、アーユルヴェーダ医食同源のキーワードになるって寸法さ。
幸せを呼ぶ朝のコーヒー、朝のお茶
アーユルヴェーダってえのは個人の体質を何より重視する。だから、たとえば朝飯ひとつとってみても、必ずしも食べなければいけないワケじゃない。
むしろ食欲のない時には、無理に朝食を食べなくても良いという考え方があって、特にカパ体質の高い人は、朝を抜いて昼と晩にきちんと食べた方が、かえって健康を保てるそうだ。
あっしみたいに、前の日どんなに飲んだくれても、朝はしっかり食べる人間には考えられない話だが、実際に朝食を抜いて元気になる人も多いそうで、人間の体ってえのは、つくづく不思議に出来てるモンだ(もちろん、基本的にアーユルヴェーダでも朝飯は奨励されている。皆が朝食べなくて良いわけではないので、勘違いしないでほしい)。
朝飯といえば個人的な話になるが、ここ15年くらい、あっしは朝食後のコーヒーは欠かさずブラックで飲むことにしている。コーヒーを飲むと朝食後の胃もたれが緩和されるからだ。飲み過ぎた翌日はなおさらさね。いわば、生活の中で自然に身についた健康法だな。
それは、あっしが胃酸過多傾向だから、コーヒーを飲むと苦みで胃酸が中和されるためと思っていたんだが――アーユルヴェーダに詳しい人の話だと、朝のブラックコーヒーが良いのはそれだけじゃないらしい。
朝の時間はカパ、つまり水のドーシャが増える時間で、体が重くなる傾向にある。先程も申し上げたように、余分なドーシャが増え過ぎるのは体によろしくない。それがコーヒーや濃いお茶を飲むとカパが減り、体が軽やかに動き出すってことらしい。
朝のコーヒーは、アーユルヴェーダのことを知らない頃から、気がつかないうちにやっていたことだが、いやいや――あっしも海のモンを扱う人間として、自分の持っている自然のセンサーにちょっくら自信を持った次第さね。
ゲンさんオススメ――アーユルヴェーダ三種の神器
個人の体質を重視するアーユルヴェーダだが、その中でわりと万人向きの健康食材法がある。それはショウガ・ターメリック(ウコン)・白湯(さゆ)をこまめに摂ることだ。
どれも安くて手に入りやすいもの――特に白湯なんてただのお湯で、タダみたいなモンだし、副作用の心配も少ないので、これからお話することを試してみると良いだろう。
女性にオススメしたいのが、ショウガをこまめに摂ることだ。アーユルヴェーダではショウガを積極的に使うことを奨めており、このスパイスには前述のアグニ――つまり消化の火を活発にし、血液の流れを良くする力があるとされている。
ショウガは加熱すると甘味とコクが増すため、インドカレーには欠かせない食材となっているのは、みなさまご存じのことだろう(スパイスとして使うショウガやターメリックの塩梅については長くなるので、次回以降にお話することにいたしやしょう)。
また、ショウガは女性の大敵「冷え」に対抗できる強い味方だ。使い方も簡単なので、是非とも試しとくれ。
擂りおろしショウガを湯豆腐や刺身の薬味に使っても良しだが、おろしショウガ、刻みショウガを炒め物やスープ、カレーなどに使うと、加熱によって刺激が少なくなり量も多く摂れるので、より高い効果が期待できる。
あっしの長谷川家では国産のショウガをすりおろし、ダシ汁に入れて使っている。具だくさんの味噌汁や鍋ものに、擂りおろしショウガをタップリ入れるのさ。まあ、なるべく農薬を使ってない素性の良いヤツがいいやな。そいつを毎日食べているおかげか、うちのババアも息子の嫁も冷え知らずさね。
冷えに悩んでいるご婦人がた! ダマされたと思って試してみな。冬もポカポカ、快適な暮らしがはじまるかもしれねえよ。ただし胃腸に炎症のある方や、ショウガが体に合わない方は、この限りじゃないので気をつけておくんなよ。
白湯で美人になるってホント?
白湯もまた、ご婦人がたにオススメしたい健康法だ。アーユルヴェーダにおいて、白湯は体を浄化する作用があるとされている。
人間の体には大なり小なり、正しく処理されなかった不純物――つまりアーマが溜まるように出来ている。前述の図にもあるように、食べ物はオージャス、活力や免疫力に変わるものと、アーマになって体内のあちこちにへばりついて悪さをするものに分かれる、というのがアーユルヴェーダの考え方だ。
白湯には悪玉コレステロールなどのアーマを、体外に排出させてしまう力があるとされている。これが冷たい水だと、アグニの持つ消化の火を消してしまう上、体内に入った時の浄化力が大幅に落ちるんで、奨められないそうだ。
また白湯にショウガを一片切って浮かべるのは、万人向けの健康法になるそうだ。
茶腹も一時なんて言うけど、過食をしたくない人や、体重をコントロールしたい人には良いと言われている。また、老廃物は外に出ることで、お肌もきれいになるそうなんで、おひとつ試してみてはいかがかな? できれば、良い水で飲むのが望ましいが、そのあたりはみなさんで工夫をしていただきてえもんだ。ただ、腎臓に疾患のある方に水分の摂り過ぎは禁物なんで、よっく心得ておくんなせえよ。
(もうひとつ、ターメリックの薬効は以前にも少しお話したが、これまた長くなるので、次回以降にお聞かせいたしやしょう)。
アーユルヴェーダの歯磨き健康法
ところで、アーユルヴェーダで推奨されている健康法に歯磨きがある。
何だ、歯磨きだなんて言わねえでおくれ。正確に言うと口腔内(こうくうない)の洗浄で、口の中ってえのは、唯一手が伸ばせる内臓(肛門も同様)と考えられるからだ。
まあ、考えてみれば世の中、パーツだけでものごとを捉えている場合ばかりじゃない。
養老先生の言葉を借りれば、解剖学的に言えば口という器官は存在しない。口ってえのは、唇や歯、舌、喉などパーツの総称なわけで、そこをきれいにしておくってえのは、何かしら内臓に良い状態を作ることになるワケさね。
口の中は雑菌が繁殖しやすく、真っ先にアーマのモトが出来る場所だ。歯周病がめぐりめぐって心臓に到達するというのも実際にある話で、それなどは口のアーマが体内をかけめぐる典型的な例と言えるだろう。ともかくも、口の中ってえのはものを食べる有難い場所だから、くれぐれも大切にしてえモンだ。
さーて、時間が来やがった。
次回はアーユルヴェーダの話はちょっくら小休止にして、いよいよ本格的なインドカレーのレシピに迫ることにいたしやしょう。
それじゃ、お客さん! 次回をお楽しみに!
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