小暮満寿雄 Art Blog

ダジャレbotと間違われますが、本職は赤坂在住の画家です。作品の他お相撲、食やポリティカルな話も多し。右翼ではありません

アーユルヴェーダの医食同源~朝飯は必ずしも摂らなくて良い?

2014-11-05 09:49:39 | Weblog

かれーな印度カレーを召し上かれー10

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ケララの風のミールス定食です♪

最近は不定期にUPしている「医食同源」の日の方がアクセス数が多かったりして、ちょっと複雑な気持ちでいますが、それはそれでけっこうなこと。

本日は好評をいただいている、「かれーな印度カレーを召し上かれー」の10回目。

カレーというよりは、インドの伝統医学アーユルヴェーダの話になっていますが、引き続きお楽しみいただければ幸いです!

 

かれーな印度カレーを召し上かれー10
アーユルヴェーダの医食同源 
掲載日:2005年12月21日

 

まいど、まいど、イダテンのゲンさんです!

最近、あっしの家では韓国ドラマ「チャングムの誓い」の話題で盛り上がってるんだが、あれは実に面白いなあ。正直言って、「冬ソナ」も「オールイン」もピンと来なかったイダテンのゲンさんだが、韓国宮廷料理の話ということもあってか、チャングムだけは毎週欠かさず見ることにしている。

あっしらみたいなオヤジには、ヨン様とかビョン様と言われても、まるで縁のない話だし、それに加えて出生の秘密や不治の病などが必ず出てくる、韓流ドラマ・黄金のワンパターンにはついていけなかったモンだ。

その点、チャングムはドラマの作りがしっかりしている上、チャングム役をやっているイ・ヨンエさんが、昔の吉永小百合を思わせる清楚な容貌だ。あっしらの年代好みの美人なもんで、このイダテンのゲンさんもちょっくら応援してるところさね♪ そのうち医食同源でも韓国料理について特集したいところさね。

それにしても1年が過ぎるのは早い。毎年毎年、「正月は地獄の旅への一里塚、めでたくもあり、めでたくもなし」なんて繰り返しているが、そろそろ景気も上がってきたことだし、これからいよいよ、めでたくエンジン全開といきてえモンさね。

ともかくも年の瀬になって、こちとら2週間替わりの特売セールに大童だ!

みなさまのご注文、心よりお待ち申しあげやすぜ!

 

アーユルヴェーダは古くて新しい伝統療法

今回もご好評にお応えしアーユルヴェーダの3回目。いよいよインドの医食同源に入ることにいたしやしょう。

「チャングムの誓い」の韓国宮廷料理にも、医食同源ならぬ薬食同源というのが出てくるが、その中でも五味五色というのが基本になっている(脚注ー『薬食同源』はこの国のお家芸、医食同源のコピーと思われる)

五味てえのは、辛・甘・酸・鹹(かん/しょっぱい)・苦のことで、五色は青・赤・黄・白・黒のことだ。この五味五色をまんべんなく食べれば、健康でいられるというワケだな。

これは、いわゆる中国における陰陽五行説に基づいているんだが、前回もお話ししたように、このルーツはアーユルヴェーダの医食同源に共通するものだ(※1)。

昔から日本にあった養生法には、漢方だけでなくアーユルヴェーダにも共通するものが多いと言われているが、韓国にも源流を同じにする考え方があったわけだ。

ところで、5000年に亘る歴史を有し、2500年前には「チャラカ・サンヒター」という医学書まで編纂されていたアーユルヴェーダだが、意外なことに、それがまとめられたのはごく最近の話――それも戦後、1945年の独立以降の話なんだ。

考えてみれば、日本の10倍の国土に6億もの民を抱え、言語ひとつとっても200種類はあるというインドだから、それも不思議はない。また、アーユルヴェーダはイギリス植民地時代に迷信の扱いを受けていたこともあって、長い間に知識が失われていたり、誤った解釈がなされていたんだ。

しかし独立後はインド政府によって教育制度が整えられ、国内の医師たちの努力から散逸していた知識が再編された。さらに西洋医学による科学的な検討と裏付けが加えられたおかげで、世界保健機構(WHO)も重要な治療法としてアーユルヴェーダを認めたのさ。このあたりは、まさに古くて新しい伝統療法ということが言えるだろうな。

※1 アーユルヴェーダでは辛・甘・酸・鹹・苦の五味に、渋が加わる。

医食同源、7つのキーワード

繰り返しになるが、アーユルヴェーダではヴァータ(風)、ピッタ(火)、カパ(水)と呼ばれる3つのドーシャ――つまり生体エネルギーのバランスで、健康を維持するのを基本とされている。

たった3種類で人間を分けるのか、血液型より少ないじゃないか、などと言うなかれ。基本のドーシャはたったの3つでも、それは季節や時間などでさまざまに変化する。また、たとえば、ある人がヴァータ体質と診断された場合でも、それと同時にピッタやカパのドーシャを違うバランスで持っている場合が多い。

また、どの体質がいちばん良いということはなく、前回の図(『アーユルヴェーダは、風・火・水の三重奏』の図へジャンプ)を見ていただけばわかるように、たとえばピッタは快食快便だが、一方で下痢をしやすいというように、良い面と悪い面も持っていたりする。

病気につながる不快な症状というのは、3つのドーシャ、いずれかが増え過ぎたり減り過ぎた状態を指すんだが、特にドーシャは減るよりも増える方が、体に悪い影響を起こしやすいと言われているんだ。

さて、ちょっくら下の図をご覧になっておくれ。

アーユルヴェーダでは3つのドーシャ以外に、さらにそこから生まれる3つの生体化学変化があるとされている。

1、それは中国医学でいう「気」や活力、そして免疫機能を担うオージャス。

2、消化する火の役割を担うアグニ。

3、そして、未消化物となり、体の毒素となるアーマ。

この7つの言葉が、アーユルヴェーダ医食同源のキーワードになるって寸法さ。

幸せを呼ぶ朝のコーヒー、朝のお茶

アーユルヴェーダってえのは個人の体質を何より重視する。だから、たとえば朝飯ひとつとってみても、必ずしも食べなければいけないワケじゃない。

むしろ食欲のない時には、無理に朝食を食べなくても良いという考え方があって、特にカパ体質の高い人は、朝を抜いて昼と晩にきちんと食べた方が、かえって健康を保てるそうだ。

あっしみたいに、前の日どんなに飲んだくれても、朝はしっかり食べる人間には考えられない話だが、実際に朝食を抜いて元気になる人も多いそうで、人間の体ってえのは、つくづく不思議に出来てるモンだ(もちろん、基本的にアーユルヴェーダでも朝飯は奨励されている。皆が朝食べなくて良いわけではないので、勘違いしないでほしい)。

朝飯といえば個人的な話になるが、ここ15年くらい、あっしは朝食後のコーヒーは欠かさずブラックで飲むことにしている。コーヒーを飲むと朝食後の胃もたれが緩和されるからだ。飲み過ぎた翌日はなおさらさね。いわば、生活の中で自然に身についた健康法だな。

それは、あっしが胃酸過多傾向だから、コーヒーを飲むと苦みで胃酸が中和されるためと思っていたんだが――アーユルヴェーダに詳しい人の話だと、朝のブラックコーヒーが良いのはそれだけじゃないらしい。

朝の時間はカパ、つまり水のドーシャが増える時間で、体が重くなる傾向にある。先程も申し上げたように、余分なドーシャが増え過ぎるのは体によろしくない。それがコーヒーや濃いお茶を飲むとカパが減り、体が軽やかに動き出すってことらしい。

朝のコーヒーは、アーユルヴェーダのことを知らない頃から、気がつかないうちにやっていたことだが、いやいや――あっしも海のモンを扱う人間として、自分の持っている自然のセンサーにちょっくら自信を持った次第さね。

 

ゲンさんオススメ――アーユルヴェーダ三種の神器

個人の体質を重視するアーユルヴェーダだが、その中でわりと万人向きの健康食材法がある。それはショウガ・ターメリック(ウコン)・白湯(さゆ)をこまめに摂ることだ。

どれも安くて手に入りやすいもの――特に白湯なんてただのお湯で、タダみたいなモンだし、副作用の心配も少ないので、これからお話することを試してみると良いだろう。

女性にオススメしたいのが、ショウガをこまめに摂ることだ。アーユルヴェーダではショウガを積極的に使うことを奨めており、このスパイスには前述のアグニ――つまり消化の火を活発にし、血液の流れを良くする力があるとされている。

ショウガは加熱すると甘味とコクが増すため、インドカレーには欠かせない食材となっているのは、みなさまご存じのことだろう(スパイスとして使うショウガやターメリックの塩梅については長くなるので、次回以降にお話することにいたしやしょう)。

また、ショウガは女性の大敵「冷え」に対抗できる強い味方だ。使い方も簡単なので、是非とも試しとくれ。

擂りおろしショウガを湯豆腐や刺身の薬味に使っても良しだが、おろしショウガ、刻みショウガを炒め物やスープ、カレーなどに使うと、加熱によって刺激が少なくなり量も多く摂れるので、より高い効果が期待できる。

あっしの長谷川家では国産のショウガをすりおろし、ダシ汁に入れて使っている。具だくさんの味噌汁や鍋ものに、擂りおろしショウガをタップリ入れるのさ。まあ、なるべく農薬を使ってない素性の良いヤツがいいやな。そいつを毎日食べているおかげか、うちのババアも息子の嫁も冷え知らずさね。

冷えに悩んでいるご婦人がた! ダマされたと思って試してみな。冬もポカポカ、快適な暮らしがはじまるかもしれねえよ。ただし胃腸に炎症のある方や、ショウガが体に合わない方は、この限りじゃないので気をつけておくんなよ。

白湯で美人になるってホント?

白湯もまた、ご婦人がたにオススメしたい健康法だ。アーユルヴェーダにおいて、白湯は体を浄化する作用があるとされている。

人間の体には大なり小なり、正しく処理されなかった不純物――つまりアーマが溜まるように出来ている。前述の図にもあるように、食べ物はオージャス、活力や免疫力に変わるものと、アーマになって体内のあちこちにへばりついて悪さをするものに分かれる、というのがアーユルヴェーダの考え方だ。

白湯には悪玉コレステロールなどのアーマを、体外に排出させてしまう力があるとされている。これが冷たい水だと、アグニの持つ消化の火を消してしまう上、体内に入った時の浄化力が大幅に落ちるんで、奨められないそうだ。

また白湯にショウガを一片切って浮かべるのは、万人向けの健康法になるそうだ。

茶腹も一時なんて言うけど、過食をしたくない人や、体重をコントロールしたい人には良いと言われている。また、老廃物は外に出ることで、お肌もきれいになるそうなんで、おひとつ試してみてはいかがかな? できれば、良い水で飲むのが望ましいが、そのあたりはみなさんで工夫をしていただきてえもんだ。ただ、腎臓に疾患のある方に水分の摂り過ぎは禁物なんで、よっく心得ておくんなせえよ。

(もうひとつ、ターメリックの薬効は以前にも少しお話したが、これまた長くなるので、次回以降にお聞かせいたしやしょう)。

 アーユルヴェーダの歯磨き健康法

ところで、アーユルヴェーダで推奨されている健康法に歯磨きがある。

何だ、歯磨きだなんて言わねえでおくれ。正確に言うと口腔内(こうくうない)の洗浄で、口の中ってえのは、唯一手が伸ばせる内臓(肛門も同様)と考えられるからだ。

まあ、考えてみれば世の中、パーツだけでものごとを捉えている場合ばかりじゃない。

養老先生の言葉を借りれば、解剖学的に言えば口という器官は存在しない。口ってえのは、唇や歯、舌、喉などパーツの総称なわけで、そこをきれいにしておくってえのは、何かしら内臓に良い状態を作ることになるワケさね。

口の中は雑菌が繁殖しやすく、真っ先にアーマのモトが出来る場所だ。歯周病がめぐりめぐって心臓に到達するというのも実際にある話で、それなどは口のアーマが体内をかけめぐる典型的な例と言えるだろう。ともかくも、口の中ってえのはものを食べる有難い場所だから、くれぐれも大切にしてえモンだ。

さーて、時間が来やがった。

次回はアーユルヴェーダの話はちょっくら小休止にして、いよいよ本格的なインドカレーのレシピに迫ることにいたしやしょう。

それじゃ、お客さん! 次回をお楽しみに!

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毎度お馴染み、神保町マンダラのチキンカレーです♪

 
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