穴にハマったアリスたち

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美翔さんを崇め奉る

2012年06月15日 | プリキュア雑談・総合
Twitter上にて榎本さんが、唐突に「SplashStar」劇場版の実況を始めたので、唐突にSSについて語ってみたい。

まず、「SS」の失敗の理由として、よく「前作と変化がなかったからだ」と言われる気がするけど、それは違うんじゃないかと思ってみる。

美翔さん:
 「………。。。」

ああ何ですかその顔は。
失敗じゃないもんとか、そんな強情を言いたいんでしょうか。
困ったものです、この売上半減娘は。

ざっと思いつく他シリーズにはない特徴としては、こんな感じ。

 (1) 平常時から複数の変身フォームがある。
 (2) 追加戦士がいない。
 (3) 幹部が一人ずつ登場し、一人ずつ襲ってくる。
 (4) 中盤の勝利イベントがない。
 (5) 当初持っていた夢や価値観が、最終的に変わる。
 
かなり特徴的です。
今の感覚では、絶対にありえないお約束破壊だとすら思える。
このように「SSは二番煎じだったからダメだ」は、不適切だと思うのです。

美翔さん:
 「………」(えっへん)

ああ何ですかその顔は。
まぁ公平なところを考えるなら、上に挙げた事柄が特徴的なのは、「SSが頑張ったから」なのではなく。
「失敗要素と判断されたので、後のシリーズでは避けられたため、結果的にSSだけになった」が正でしょうけれど。

(2)については初代と「5」もそうなので正確には違いますが、残りは致命的に思えます。
今放送したら、極めて普通に「夏ごろに霧生姉妹が、風月として加入」する展開になるはず。
どうせ美翔さんが企画会議の場で、「プリキュアはふたりなの」「私たちは特別なの」と言い張って却下したんですよね。
それがこんな惨劇を招くなんて…。

そしてこの中でも、かなり異様なのが(5)。

当初、絵が大好きで、自身の歓迎会の場ですら周囲を無視してお絵かきなさってた美翔さん。
立派な社会不適合者でしたが、最終的には絵から卒業する方向に進んでます。

2曲あるソロソングは、どちらも「絵だけではできないことがある」を歌ってる。
件の劇場版でも、「絵を描いていればいいと思っていた。だけど…」と発言。
檜舞台にして「初めて他人のために作品を考えた」記念すべき文化祭の作品は、絵ではなく像。
日向さんの誕生日に贈ったのも、絵ではなく病的クッションです。

これはかなり異常。
他シリーズでいえば、花咲さんがお花を否定するようなもの。

花咲さんがお花好きになったのは、過去の回想を見る限り、孤独からの逃避がきっかけだったのは容易に想像できます(明言はされていませんが)。
美翔さんのお絵かきも、似たようなものだと想像。
やたら忙しそうな上に、ちょいとズレた言動をするご家族をお持ちなので、一人黙々とお絵かきして遊んでいたお子様時代が目に浮かびます。

最終的に、そこから成長した美翔さんは、かなり異様であると同時に、とても面白い演出だと思う。
(厳密に言うと、花咲さんも最終話では「宇宙飛行士」を夢として掲げ、ただのお花好きからは卒業している)

アニメ的な定番でいえば、美翔さんのその後の人生は、美大あたりに入学して絵の道を進む…だと思う。
でも個人的には、いたって普通の進学をし、絵とは関係ない就職をして「ちょっと絵が得意なサラリーマン」とか、絵が補佐的に必要な職業(保育士とか)になる方が、「らしい」と思ってみる。

惜しむらくは、「その成長は別にたいして作品テーマと絡まない」ことですけど。

強いて言えば「ふたり」テーマについては、「絵は一人で描くもの」なので、重視するわけにはいかなかったのかもしれません。
いたって普通に「みんなで絵の題材を探しに行く」とか「人に見てもらう」「誰かを描く」要素があるので、そんなに矛盾しませんが。

この「絵への依存から卒業した」設定は、割と徹底されてるのか、最近の「オールスターズ」イベントでも「料理が得意」とか「人の心に敏感」とか、無理やり感のある紹介をされるケースも少なくありません。
まぁ、美翔さんのことなので、「絵?ああ、得意なんだっけ」「ぶっちゃけ特技とか覚えてないよね。名前すら忘れてるのに」と思われてるだけな気もしますけど。

「SS」の設定裏話として、一番気になるのはこれ。
実際のところ、どんな理由や意図でこうなったんだろう?あるいは単なる偶然や、無意味な深読みなんだろうか。
まぁ何にせよ、似たような展開を辿った子が後にはいないことを思うと、存在そのものが失敗品ともいえます。それでこそ美翔さん。


【蛇足】

ちなみに日向さんも、「最後まで改善せず、本人も真面目に反省してしない純粋な悪い能力」を持ってる特異な存在。
ありていにいえば「時間にルーズ」な点。
「劇場版の日向さんは、急に悪い子になっていて違和感がある」との感想もありますが、日向さんは時間に関しては最初からこんな感じです。

弊ブログは日向さんを過保護にすると決めているので、あまり深くは突っ込みませんが、花鳥共々何かがおかしい。

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