Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

ダリとガラ

2006-03-16 00:14:10 | 展覧会・建築・器
シュルレアリスムの画家サルバドール・ダリ(1904- 1989)とその妻ガラについて、この間の『新日曜美術館』を見るまで、二人の関係についてとんでもない思い違いをしていた。死ぬまでダリとガラは仲良く暮らしていきましたとさ~♪、なんて勝手に思い込んでいた。

確かにガラは終生ダリに影響を与え続けたが、二人の関係はアメリカからスペインに戻った時には壊れていた。ガラはダリの元を去り、再び彼の元に戻ってきたのは彼女の死の3ヶ月前だったという。

世紀の奇人という表の面に隠された繊細な画家の姿。番組では『ダリの絵は彼の個人的な人生のドラマの暗喩(あんゆ)であり、さらに、妻を描いた肖像の変遷からは、その時々のダリの心が読み取れる。最愛の妻・ガラの心がダリから離れた時、ダリは精神の混乱を避けるため、ガラを現実の女ではなく、聖母としてまつりあげて描いた。ダリの絵は「白昼夢の産物」などではなく、繊細な心のドキュメントだったのだ。』(NHKオンラインより)と結論付ける。番組ではダリとガラの関係はマゾヒスティックな愛のあり方だったと話していた気がする。

これを見てから結構な時間が経ったのだけれど、思い出すと心がざわめきひりつくのを感ずる。思い込みと事実とのギャップも大き過ぎた。
ダリは「ダリとガラ」って絵に署名まで入れているんだよ!こういうのも、愛なの?胸が張り裂けるような、こういうのも一つの愛の形というの?
こういう愛を胸に抱いてダリは絵を描いていたのか!!壮絶だなぁ、辛いなぁ。ガラはダリの元に戻って3ヶ月後にこの世を去り、彼女の死後ダリは描く意欲を失ってしまった・・と知ると、こういう愛も確かにあるのだと苦味を感じつつ思う。

サルバドール・ダリ
*Wikipediaサルバドール・ダリ
コメント (4)
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