Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

薔薇の名前

2006-03-03 00:04:08 | 映画 は行
これは以前TVで一部分見た(記憶に残っているのはおどろおどろしい雰囲気の漂う修道院、迷路になっている書庫、連続殺人、そして燃え上がる炎)だけ、と思っていたのに、見終わって「しっかり全部見たこと」を思い出した
大丈夫ぅ、私?

でも何故、今『薔薇の名前』か、というとそれにはちゃあ~んと理由があるのよ。この間読んだ岡田暁生著の「西洋音楽史」に次のように出ていたから・・・
「ウンベルト・エーコ原作の映画『薔薇の名前』には、僧侶たちがグレゴリオ聖歌を唱える場面が出てきて、中世の修道院世界を体験するには格好である」

そういう目で見てみると、グレゴリオ聖歌がまさに「歌う」ではなく「唱える」ということ、世俗と隔絶された修道院で響くこのグレゴリオ聖歌の醸し出す中空で漂う感じが実感できる。中世に生きたくはない、とも思ったけれど。
そしてどっさり出てくる写本の数々~、今、伝えられている写本はきっとこんな風に全て人の手によって修道院の奥で写され連綿と伝えられてきたものなのだとそこに流れる時間に思いをはせる。

1986年/フランス イタリア 西ドイツ/130分

監督:ジャン・ジャック・アノー
原作:ウンベルト・エーコ
出演:ショーン・コネリー/F・マーリー・エイブラハム/クリスチャン・スレーター/イリア・バスキン etc. 
*薔薇の名前:Wikipedia
コメント
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