Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

High and dry(はつ恋)

2005-05-10 00:13:44 | 
よしもとばなな氏の「High and dry(はつ恋)」読み返した。この小説は14歳になったばかりの秋に始まる主人公・夕子のはつ恋の話である。彼女が恋する相手は通っていた絵画教室の二十代後半の絵の先生・・・久倉先生、キュウくんと呼ばれている。
                
とにかく夕子もキュウくんも、関わりあう人間に対して真剣だし誠実なの。人と人との関係はつまるところそうだよなあ、と胸がほわっと温かいもので満たされる。登場人物は夕子の母、父、父の親友のおじさん、キュウ母、ほつみさん、ミホさん・・・誰一人として悪い人はいない、どころか魅力的。
この小説は恋の話が中心なのだけれどそれだけじゃなく、いやそれ以上に、人として相手と向き合うこと、また親子の間の愛情と信頼、そして人生に対して前向きに生きる姿勢が描かれ、そうしたことに深い共感を覚える。
コメント
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