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「Blue Island 憂鬱之島」香港の民主主義の危機を知る映画

2022-08-24 20:42:33 | 民主主義・人権
香港と日本の共同制作。私も少額でしたがクラウドファンディングに参加しました。東京などの上映は終わりましたが、地方ではまだまだ上映されます。
そして、撮影地の香港では上映禁止だそうです。

英国から1997年7月に中国に返還され、一国二制度は香港基本法で50年と決められ、中国本土の政府とは違った人権・自由を尊重する民主主義の政治が施行されていますが、今年はちょうどその半分の年月が過ぎました。

映画は3人の過去を描くドラマと今のインタビューを組み合わせて、香港の民主化運動を描いていますが、まさに一国二制度の危機だと分かります。

「Blue Island 憂鬱之島」
https://blueisland-movie.com/

天安門事件時代の中国から香港に、海を泳いで逃れた男女チャン・ハックジーと妻(若い頃をアンソン・シェム/ティン・シウイェンが演じる)のドラマで始まります。

こうした危険を冒してまで、中国本土から香港に渡った人の数は10万人を超える一方、中国返還の1997年以前の10年には50万人が、天安門事件後にも、大量の香港市民が海外に移住しているそうです。

2020年6月末、中国政府は「香港国家安全維持法」を施行し、香港の民主化運動の迫害や言論弾圧をますます強めています。英国政府が海外市民受付を開始した20~21年で12万人以上が申請しており、未だ増え続けているとか。

天安門事件に北京学生支援にいったケネス・ラム(若い頃はキース・フォン)、投獄された過去を持ち、今は成功し引退したビジネスマンのレイモンド・タン(若い頃ケルヴァン・タム)とチャン・ハックジーの3人のインタビューと過去のドラマ。

過去のドラマ以外の映像は、デモへの発砲、血を流し引きずられる学生達、結束バンドで後ろに縛られた手、手…。人権を尊重しない政府、警察、軍隊のやることは、どの国でも同じようです。

彼らは、民主化と自由を求めて香港を愛し、しかし変わっていく香港に居続けて命懸けの抵抗をするか、海外に出ていくか、迷いつつ脅えつつも今なお香港にいます。でも何時まで居続けられることか。

日本では、香港というと気軽に行ける買い物旅行や観光旅行、投資話などを聞きますが、それだけではない香港の姿、香港人の苦悩。人権や自由の大切さを突き付けられます。

最後のシーンは香港の人々のプロフィル映像。
この映画のチャン・ジーウン監督も、出演者も、「どうぞ無事に生き延びて」と祈らずにはおれません。

「護憲+BBS」「明日へのビタミン!ちょっといい映画・本・音楽・美術」より

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