7月7日投開票の東京都知事選は、現職の小池知事が3回目の当選を果たし、広島県安芸高田市の元市長石丸伸二氏が2位、立憲民主党を離党し「反自民」「非小池都政」を旗印に集った「オール東京」の下で闘った蓮舫さんは3位という結果に終わった。
5月27日に立候補を表明して以来、蓮舫さんの動向を見てきたが、東京都が抱える様々な問題に取り組む人たちの声に耳を傾け、都庁下の炊き出しや再開発が進む神宮外苑をすぐに視察するなどの迅速な行動力を発揮し、「行政改革の専門家」の視点で問題の本質を即座に把握して、具体的な解決策と東京の未来像を提示する、その知性と理性、率直さ、政治家としての卓越した能力に改めて感心し、連日の街宣の盛り上がりと相俟って、当選への期待は高まっていった。
しかし、聴衆の盛り上がりが高まるにつれて、テレビやSNS上では蓮舫さん本人や、蓮舫さん支援を表明し積極的に協力する共産党等へのネガティブキャンペーンが強まり、組織に頼らず「自立した個の集まり」に拘った選挙戦術は、既得権益を守ろうと結束する組織による「蓮舫潰し」の前に有効な対抗手段を見いだせないまま、結果として敗北。蓮舫さんの描いた「新しい東京、新しい未来」への期待は、一旦断ち切られることになった。
ちなみに、都知事選のもう一人の“勝者”、自らの「はっきりものを言う姿」をアピールするYouTube紹介戦略が功を奏して2位になった石丸氏は、人気の謎と本人の不思議な話法がテレビ界の商品価値と評価されたのか、今や連日テレビに出演し自己アピール、彼の「思う壺」状態になっているように見える。
蓮舫陣営に話を戻すと、選挙結果が出た後も、「水に落ちた犬は叩け」とばかりに、テレビタレントたちによる蓮舫さんへの揶揄や誹謗中傷は一層声高になり、SNS上では街角に残った「R」マークのシールを執拗に取りざたした「ひとり街宣」への根拠不明な非難が続いたりしている。
こうして、今回の都知事選は、「物言う個人」が、のびのび自分らしくふるまい、連帯し、力を持つことを嫌い、あるいは恐れ、何としても潰そうとする既存メディアを含む既得権益層の意志と、その影響下にあって、政治に関わる発言や行動を何となく嫌悪し、あるいは無駄と考える人たちが作る虚無的な日本社会の姿が、明確に可視化された選挙だったように思う。
そんな中、蓮舫さんへの支持表明をした一人、岸本聡子杉並区長は、選挙後の最初の金曜日にSNSの動画で以下のように語り掛けている。
「あげた声は残る。いつか誰かの力になる時がきっと来る。それは未来に繋がっています。・・・
社会をつくるのはひとりひとりの主権者です。・・・
選挙と選挙の間の民主主義を作ろう。」
https://x.com/satokokishimoto/status/1812332697270026658
そして、蓮舫さん本人は、選挙を終えた今、「私はね。黙らないよ。いま、最も自由に黙らない。」と旧ツイッター上で宣言。テレビやSNSでの揶揄や誹謗に対し、ユーモアと皮肉を交えつつ、ひとつひとつ率直な反論を展開している。
私たちも、新しい未来のために、あきらめずに、堂々と、これからも声を上げていきましょう!
「護憲+コラム」より
笹井明子
5月27日に立候補を表明して以来、蓮舫さんの動向を見てきたが、東京都が抱える様々な問題に取り組む人たちの声に耳を傾け、都庁下の炊き出しや再開発が進む神宮外苑をすぐに視察するなどの迅速な行動力を発揮し、「行政改革の専門家」の視点で問題の本質を即座に把握して、具体的な解決策と東京の未来像を提示する、その知性と理性、率直さ、政治家としての卓越した能力に改めて感心し、連日の街宣の盛り上がりと相俟って、当選への期待は高まっていった。
しかし、聴衆の盛り上がりが高まるにつれて、テレビやSNS上では蓮舫さん本人や、蓮舫さん支援を表明し積極的に協力する共産党等へのネガティブキャンペーンが強まり、組織に頼らず「自立した個の集まり」に拘った選挙戦術は、既得権益を守ろうと結束する組織による「蓮舫潰し」の前に有効な対抗手段を見いだせないまま、結果として敗北。蓮舫さんの描いた「新しい東京、新しい未来」への期待は、一旦断ち切られることになった。
ちなみに、都知事選のもう一人の“勝者”、自らの「はっきりものを言う姿」をアピールするYouTube紹介戦略が功を奏して2位になった石丸氏は、人気の謎と本人の不思議な話法がテレビ界の商品価値と評価されたのか、今や連日テレビに出演し自己アピール、彼の「思う壺」状態になっているように見える。
蓮舫陣営に話を戻すと、選挙結果が出た後も、「水に落ちた犬は叩け」とばかりに、テレビタレントたちによる蓮舫さんへの揶揄や誹謗中傷は一層声高になり、SNS上では街角に残った「R」マークのシールを執拗に取りざたした「ひとり街宣」への根拠不明な非難が続いたりしている。
こうして、今回の都知事選は、「物言う個人」が、のびのび自分らしくふるまい、連帯し、力を持つことを嫌い、あるいは恐れ、何としても潰そうとする既存メディアを含む既得権益層の意志と、その影響下にあって、政治に関わる発言や行動を何となく嫌悪し、あるいは無駄と考える人たちが作る虚無的な日本社会の姿が、明確に可視化された選挙だったように思う。
そんな中、蓮舫さんへの支持表明をした一人、岸本聡子杉並区長は、選挙後の最初の金曜日にSNSの動画で以下のように語り掛けている。
「あげた声は残る。いつか誰かの力になる時がきっと来る。それは未来に繋がっています。・・・
社会をつくるのはひとりひとりの主権者です。・・・
選挙と選挙の間の民主主義を作ろう。」
https://x.com/satokokishimoto/status/1812332697270026658
そして、蓮舫さん本人は、選挙を終えた今、「私はね。黙らないよ。いま、最も自由に黙らない。」と旧ツイッター上で宣言。テレビやSNSでの揶揄や誹謗に対し、ユーモアと皮肉を交えつつ、ひとつひとつ率直な反論を展開している。
私たちも、新しい未来のために、あきらめずに、堂々と、これからも声を上げていきましょう!
「護憲+コラム」より
笹井明子