老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

フト思ったこと---犯罪も戦争も不安や恐怖心を和らげるシステムが普段から有効に働いていることが大切。抑止システムだけを競い合うのは、逆に不安と恐怖心を高めるだけ。

2022-12-21 13:17:29 | 民主主義・人権
得てして世の流れというものは、各国の「指導者層の都合」からの意見が飛び交う中の雰囲気を土台に作られていくもののように感じられる。ことに軍事や防衛構想等の話の場合、特に感じられる。

市民はただ単に指をくわえて、これを眺めているだけしかできないのだろうか?

そんなこんなで今、日本では敵基地先制攻撃さえも容認する閣議決定がなされた。

また、こんな日本の動向に深い懸念を表明し続けている中国が存在している。そして北朝鮮の脅迫的反応も出始めている。更にロシアとウクライナ、そしてNATO・米国等の動き、台湾、中印等々、いやな世の中の雰囲気が満ちているとも見える報道が続いている。

第三の道(アンソニー・ギデンス著、149-150ページ、1998年)という本にこんな記載がある。

『「犯罪」が増加する要因に「日々の礼儀の乱れ」がある。それを最近の犯罪学は証明している。
 犯罪の増加は困ったこと、市民は対策を取りたくなり、2つの観点から行動をする事になる。
 一つは事前のそなえで犯罪を抑止できるように、例えば、鍵を余分に付けたり、窓に柵を付けたり、防犯カメラを設置したりするだろう。
 もう一つは、犯罪に巻き込まれることの恐怖心を如何に克服するかの対策であり、警察に駆け込んだり、国によっては、市民は銃刀を用意するかもしれない。』

しかし、「第三の道」がとりあげた学説【「犯罪」が増加する要因に「日々の礼儀の乱れ」がある。それを最近の犯罪学は証明している】は、犯罪の防止に有効な対策は普通見逃しがちな「地域の市民の日々の挨拶から始まる市民間の関わり合いであり意思の疎通」が大切だと言っている。

ここで「日々の挨拶」即ち「礼節」を期待するには、「衣食」あるいは「衣食だけでなく住の心配のない安定した職」が市民に足りていることも大切な条件になるだろう。

従って地域の「犯罪」を減らし、不安や恐怖におののく心配のない世の中作りは、「安定した職」の提供システムと「日々の礼儀」の励行システム作りに如何に汗をかくか、ということが最も大切な行動目標となるだろう。家の鍵の心配や自衛手段に頼るだけでは決して充分ではないことに、留意する必要がある。

では、この学説の「犯罪」を「戦争」に置き換えてみたらどうなるか?

この学説の趣旨から言うと、「戦争」を未然に抑止するにも、不必要な恐怖心にかられることから逃れるためにも、取り組むべき大切な行動は、「当該地域の国家間の、並びに各国の市民の間の、日々の挨拶から始まる国家間・各国市民間の関わり合いであり意思の疎通」のための努力、ということになるだろう。

そこで日本並びに近隣地域の現況を再度見れば、日本では敵基地先制攻撃さえも容認する閣議決定がなされ、こんな日本の動向に深い懸念を表明し続けている中国が存在し、そして北朝鮮の脅迫的反応も出始めている。このようなキナ臭い話のみが我々の周りを駆け巡っているのである。

従って、これも繰り返しだが、得てして世の流れというものは、各国の「指導者層の都合」からの意見が飛び交う中の雰囲気を土台に作られていくもののように市民には感じられ、ことに軍事や防衛構想等の話の場合、特に市民にはそう感じられる。故に、市民はただ単に指をくわえて、これを眺めているだけしかできないのだろうか?と言う閉塞感に襲われるのである。

この閉塞感が引き起こされる大きな要因は、【大切な行動目標である「当該地域の国家間の、並びに各国の市民の間の日々の挨拶から始まる国家間・各国市民間の関わり合いと意思の疎通」の努力において、現在【国家間】の挨拶から始まる日々の関わりと意思の疎通が不足しているからだろう。

我が国に当てはめれば、現政権は、市民が求める大切な行動を不充分にしかしていない、そしてバランスのとれた充分な行動をする意思も能力も無いと判断せざるを得ない。

だとすれば、我々市民が、「紛争」の懸念を低減するには各国市民の間での礼儀が大切な行動目標である、との認識と意思を少なくとも明らかにし、そのシステム作りに智恵を働かせる必要があると思う。

幸いに世界中の市民の間の距離の壁はネット社会の現在なくなっている。「戦争」という恐怖の根本に巣くう「疑心暗鬼」という妖怪は、封じ込もうという意思さえあれば世界中の市民から消し去ることも可能な環境は整ってきている。世界市民が強い意思と智恵さえ発揮すれば。

そして「安定した職」の提供システムの重要性。

競争社会中心主義、革新技術推進中心主義という新自由主義のみが前面に押し出され、格差や不平等の発生が放置され、職業の不安定さも放置されている。

これらの問題にも現政権が、市民が求める大切な行動を不充分にしか出来ない、そしてその意思も能力も無いのであれば、職業の不安定さの改善に、我々市民が少なくともその意思を明らかにし、システム作りに智恵を働かせる必要があるだろう。無論そのような意思も能力も無い政権には降りてもらい、ともに行動する政党・政治家を見いだす行動も大切でしょう。

そしてこれらの過程から生まれる話題や市民の動きを、世界中の市民が共有することこそが、「犯罪」や「戦争」の恐れから遠ざかる本筋と思う。

市民が「人間の都合」からの意見を自由に述べ合う「場」の存在が、今後必要なシステムと思っている。

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
yo-chan
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