老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

北朝鮮政策を明確にせよ

2007-09-07 20:42:05 | 北朝鮮問題
内閣官房長官といえば、内閣の公式見解を記者会見で発表するスポークスマンのはずである。にも拘らず与謝野氏は個人的見解を公然と発表しているようである。

先日は北朝鮮の水害救援について「人道支援はその時々の政治的困難を乗り越える場合も可能性としてある、独立して考えていい分野だ、外務省に大いに検討してもらいたい」(9月4日の朝日夕刊)と述べていたが、今日のNIKKEINETニュースでは『北朝鮮人道支援、「前向き」を修正・官房長官』との見出しである。
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20070907AT3S0600X06092007.html

昨日終了した6カ国協議の中の日朝国交作業部会の席上でも、外務省の担当大使からは北朝鮮に対する水害救援の申し出は一切された様子はない。いったい与謝野官房長官の「外務省に大いに検討してもらいたい」との発言は何だったのだろうか。

どうやらアメリカの北朝鮮融和策への転換にともない、安倍首相と内閣官房長官及び外務省との対北朝鮮対策の意思はバラバラで閣内不統一のようである。そしてその原因と責任は安倍首相の意思が不明確なところにある。

一方、安倍首相は8月28日に北朝鮮問題について拉致と核と並んで『不幸な過去の清算』に言及したと報じられている(9月7日朝日朝刊)。

米国が融和路線へ転換した以上、強硬路線では拉致問題も解決しないことは今や明らかであり、その過ちを速やかに認めるべきである。そして北朝鮮に対する強行路線から柔軟路線へ転換するのかしないのか、記者会見で国民に明確にすべき時であると思う。

「護憲+BBS」「安倍自民党政権を検証する」より
厚顔の美少年
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ヒゲの隊長・佐藤正久さんに聞く(9/5毎日夕刊)

2007-09-07 06:37:07 | マスコミ報道
毎日新聞は、「駆け付け警護」発言が問題になっている佐藤議員へのインタビュー記事を、今日の夕刊「特集ワイド」で掲載しています。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070905dde012040002000c.html

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どう見ても軍隊なのに「自衛隊」。明らかな戦場なのに「非戦闘地域」。リアルな世界で“虚構”を演じる身は決して楽ではない。イラク先遣隊長として、そんな立場にあった「ヒゲの隊長」こと、自民党参院議員の佐藤正久さん(46)が就任早々、勇ましい発言で物議をかもしている。その本音は「もっと武器を自由に使わせて」ということのようだ。だが、ずるずると現場に流されて、非武装の原則を安易に変えていいのか。真意を聞いた。【藤原章生】
=====

記事は、事の発端(TBSの番組での発言)、その発言に対する公開質問状が送られていることを紹介後、以下のように続きます。

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佐藤さんの真意はどこにあるのか。東京・永田町の議員会館を訪ねた。表情は少し暗く、「まいった」という顔だった。
・・・
「(報道では)集団的自衛権の話になっていますが、私は『駆け付けつけ警護』を含め、一般論として武器使用の話をしただけなんです。自衛隊の武器使用はいろいろな議論を経て、今では指揮官がそれを命令できるようになった。そして、『自己または自己の管理下にある人間を守るため』の正当防衛、または緊急避難の範囲なら、武器が使えることになっています」
これでもまだ不十分だと、佐藤さんは感じてきた。
「現状では、現状では、オランダ軍どころか、自衛隊の仲間や邦人が拉致されたとしても、我々は武器を使えないんです。サマワで、報道陣やNGOの人が襲われても、何もできない」
・・・
しかし、今の自衛隊が海外の活動で武器を自由に使えないのは、国民のコンセンサスの表れでもある。現にイラクで日本人青年が誘拐され、殺された時、自衛隊に対して「武器を使ってでも助けろ」という声は国内ではほとんど上がらなかった。
なのになぜ、今ごろになって「オランダ軍の警護」という仮定の話を持ち出したのか。しかも、なぜ「喜んで裁かれてやろう」などと、国民の理解が得にくくなる言い方をしたのか。
佐藤さんによると「これは明らかな誤解」。二つの別な話が一つにまとめられてしまったためだという。「裁かれるというのは司法判断のこと。我々がもし武器を使ったら、最終的には日本の司法が判断します」
佐藤さんはそれを「裁き」と呼んだに過ぎず、違法行為もいとわないという考えではない、と語る。
・・・
自衛隊は現地ではどう見られていたのか。私はイラクで取材した04年2月、サマワで自衛隊を迎えたオランダ軍にリチャード・オペラー司令官にぶつけたことがある。・・・「彼等は見たところ、プロの軍人であり、十分に自衛能力がある。」
・・・
佐藤さんも大きくうなずき、こう答えた。
「・・・オランダ軍と自衛隊を比べた場合、どちらがレベルが上かというと陸上自衛隊。武器の性能、国力...。治安維持の権限がないけれど、冷静に実力を比べたら、我々が上でしょう。オランダの陸軍、海兵隊はほんとうに小さな組織でしたから。彼らのパトロールはジープ型の車。我々は軽装甲自動車ですし」
インタビューの中で、佐藤さんは本音をはっきりとは語らなかったが、言葉の裏を類推すると、「それだけの装備があるのだから、それなりのことをやらせてほしい」―。武器をまともに使えないのなら、むやみに外に出すな、という思いだろう。
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記事の最後は、以下の言葉で結んでいます。

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今後、国会では憲法9条の集団的自衛権の解釈に関する議論が深まる。「イラク派遣の顔」だった佐藤さんは自衛隊員としてではなく、国会議員としてそこに加わる。戦場を非戦闘地域として方をすり抜ける、小泉純一郎前首相的な詭弁がいかに現場を苦しめるか。戦場を知る目で糾弾してもらいたい。
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TBS発の問題のせいか、毎日新聞はこの問題の矛先を佐藤議員から政策の矛盾に向けたいみたいです。しかし、結びの言葉は、ひとつ間違えば「現場を苦しめているのは、憲法と現実の乖離にある。だから改憲」となりかねません。一見政府を批判しているように見せて、事態収束に一役買ったように、私には見えました。

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
笹井明子
コメント
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