東北地方の大地震が起こった。あまりの悲惨さにお見舞いや慰めの言葉もない。米新聞の見出しに【HELL ON EARTH】(この世の地獄)というのがあったが、文字通りの「地獄絵図」が私たちの目の前に展開されている。TVの映像で繰り返し流される津波の凄まじさに声もない。自然を破壊し続けた人間の傲慢さに対する神の怒りではないかと思えるほどである。それが、自然との共生の精神をどの地域より持っている東北地方で起きた事に立ちすくむ。
大災害の中でひたすら生き続けようと必死に努力されている東北地方の人々の姿にただただ脱帽するのみ。人間の卑小さ、無力さを身にしみて味わい尽くし、どん底から歩きだしている人間の偉大さに改めて感動する。
さらに福島第一原子力発電所、第二発電所で放射能漏れが現実のものになりつつある。TVで発表される原子力保安院の情報の分からなさ、枝野官房長官の発表の分からなさ。これを見ていると逆に事態の深刻さが想像できる。おそらく、炉心溶融が相当深刻なレベルに達しているのだろう。3月13日のTBSニュース(関口宏司会)でも専門家が「少しでも原子力を学んだ人間なら、背筋が凍る話」だと語っていた。
情報が一元化されておらず、政府・東電・県などまちまちの発表をしている。一番おかしいのは、東電の社長がこの件について一度も記者会見をしていない。東電の社長が菅総理大臣か枝野官房長官かと見まごうような状態。さらに心配な点を挙げれば、米空母ドナルド・レーガンが配備された事である。ドナルド・レーガンに配備されている核防護(かくぼうご)隊でなければ、炉心溶融した原発には近寄れない。自衛隊の核防護隊が決死の覚悟でホウ酸と塩水を注入した。想像力を働かせると、第一原子力発電所の一号機の爆発で、何人もの被爆者が出ている可能性があると思われる状況。少なくとも、これらの疑問に政府は答えていない。
「最悪を想定し楽観的にふるまう」のが危機管理の鉄則である。枝野氏の対応は、【塩水を注入して放射能を閉じ込めたけれど、住民の避難対象地域を半径20kmに拡大する】という言葉に象徴される。安心な状況ならば、なぜ避難対象地域の拡大が必要なのか、素朴な疑問に何も答えていない。また、菅首相がなぜ福島原子力発電所を最初に視察したか。事態がそれだけ深刻だから、視察したのではないのか。この疑問にも何も答えていない。要は、「自分たちの取り組みの最善をアピールして、時の経過とともに悲観的な状況に追い込まれる。」という最悪のもの。
東電福島原発の危機的状況については、下の広瀬隆氏の発言が真相に近いと思う。
ニュースの深層3/17(木)「福島原発事故 メディア報道のあり方」1/3
http://www.youtube.com/watch?v=veFYCa9nbMY&feature=player_embedded
この広瀬氏の発言を聞けば、事態の深刻さが理解できる。特に、原子炉内部の複雑な構造・配線などを知り尽くした東芝・日立の元社員(70年代に活躍した社員)を招集しなければ、現在実行しようとしている電源回復によって、冷却機能が回復するかどうかきわめて疑わしい、という提言は傾聴に値する。
また、米国はじめ諸外国がなぜ自国民を逃がしているかの理由も納得できる。ネット上で公開されているドイツ人が作成した放射能拡散のシュミレーション画像を公開すれば、米国が何故日本政府の対応に怒っているかが了解できる。
<下の画像は衝撃的です>
http://www.spiegel.de/images/image-191816-galleryV9-nhjp.gif
もう一つ重要な問題は、放射能と放射性物質の違いが、国民に周知徹底されていない点。TVで公開されているモニタリングポストによるシーベルト数は放射能の値。これは距離に反比例して薄まる。問題は放射性物質(ヨウ素など)。放射性物質は放射能を出す。これを体内に吸い込むとほぼ半永久的に放射能を出し続ける。特に、女性と子供に甚大な被害を及ぼす。
この事は、例えば、原爆投下後数カ月経た広島・長崎に入り被爆した人が、多数いたという事実を想起すればすぐ理解できる。原爆投下直後なら、放射能の影響は考えられるが、数ヶ月たった後には、放射能数値の値は激減していたはず。ところが放射性物質は、空気中を浮遊する。この塵を体内に吸い込んだから、被爆したのである。
ところが、現在発表されている検査結果は、放射能の数値だけ。放射性物質の数値は一つも発表されていない。数値を測る事は可能。原子力関係の研究機関には検査機器があるはず。これをフル活用して、放射能だけでなく、放射性物質の検査数値を発表すべきである。これが行われていないのは、当局による情報隠しが行われている可能性が高い。
東北・関東地方の皆さんは、放射能被曝と放射性物質による被爆とどちらの可能性が高く、どちらの危険性が高いかをよく考えて危機回避をしてほしいと思います。
「護憲+BBS」「政党ウォッチング」より
流水