府議会に「橋下チルドレン」誕生 若手6人で新会派(朝日新聞)
大阪府の橋下徹知事を全面的に支援する若手府議6人が24日、自民党府議団を離脱して新会派「自民党・維新の会」を結成した。代表の今井豊氏は記者意見で「知事の反中央集権、反官僚の闘いに大きく共鳴した」と強調。事実上の「橋下チルドレン」の誕生だ。
政治の世界などではしばしば「老害」という言葉が使われますが、むしろ「若害」の方が深刻ではないかと思われる今日この頃、何でも若手府議6人が「維新の会」なるものを結成したそうです。若い世代ほど支持率の高い橋下ですが、それは府民だけではなく府議の場合も同様なのでしょうか。さっそく小泉チルドレンならぬ橋下チルドレンと呼ばれているようです。同じ自民党議員でも年配の議員がブレーキ役になってくれればいいのですが。
「これが二重行政の現場」…実はTBS依頼でやっただけ(朝日新聞)
TBS系が今月11日に放送した「情報7days ニュースキャスター」で、国道と大阪府道の清掃作業をめぐり、通常実施しない清掃作業を業者に依頼し、国と地方の「二重行政の現場」として報道していたことがわかった。国土交通省近畿地方整備局が「事実誤認と考えられる」と指摘。TBSは25日、「行きすぎた表現でした。誤解を与えかねない表現になったことをおわびします」と同番組で謝罪した。
……で、その橋下と同類たちが出演した番組がこれです。曰く「二重行政の現場」と称して役所の無駄を煽り立てて、橋下らの「戦い」を応援する内容だったようですが、全くのやらせだったわけです。まぁ、すぐにばれる嘘を吐く人はいくらでもいますから決して珍しいことではないのでしょうけれど、「二重行政の現場」ならぬ「公務員叩きの現場」の事例としては記憶しておいていいのかも知れませんね。
こちらでも触れたことですが、公務員叩きの大半は実態に基づかないもので、誤ったデータを前提としていたり、あるいは今回のように「やらせ」だったりするわけです。私のブログでは取り上げませんでしたが、役所の不正経理を告発しておきながら実は謝礼を渡して偽証させていただけだったなんてのもありましたね。需要があるからには、今後も似たようなケースが続くのかも知れません。こうなるとほとんど人種差別に近い、公務員がバスの席に座ることを禁じられる日が迫っているような気さえしてきます。
名古屋市長に河村氏初当選 与党支援候補ら大差で破る(共同通信)
任期満了に伴う名古屋市長選は26日、無所属新人の前衆院議員河村たかし氏(60)=民主推薦=が、自民、公明両党の県組織が支持する元中部経済産業局長細川昌彦氏(54)、愛知県商工団体連合会長太田義郎氏(65)=共産推薦=ら無所属新人3人を大差で破り、初当選。投票率は前回を23・04ポイント上回る50・54%。大型地方選挙で民主系候補の連敗はストップした。
さて、名古屋では「THE FACTS」にも名を連ねた極右歴史修正主義者の河村たかしが当選です。対立候補のことはよく知りませんが、河村たかしを当選させるくらいなら自民党候補を勝たせておいた方がまだマシだったように思われます。しかるに最悪の候補が勝利してしまいました。民主党もこんな政治家を擁立しているようでは良識が疑われますが、民主党のバックアップだけでは勝てなくなっているだけに「勝てる」候補であれば資質は二の次にしてしまったのでしょうか。
昨今では小沢問題を契機に、一部の(あくまで一部であって欲しいものです)民主党支持層が自民党信奉者と見紛うばかりの発言を繰り返しているわけですが、河村たかしはその象徴かも知れませんね。その主張するところは自民党の極右議員と何ら変わらない、それでいて民主党の旗を掲げる、こういう候補が自民党候補を破ったところで、事態を悪化させるばかりだと思うのですけれど。
言うまでもなく、河村が看板に掲げてきたのは橋下と同様の公務員叩きです。党の名前じゃありません。引用した記事では脳天気に「民主党系候補の連敗はストップした」などと書いていますが、そうではなく東国原、橋下、森田と続いたポピュリズム型候補の当選継続であり、政界の侵食に歯止めが掛からない、そういう事態として捉えて欲しいものです。
それと、歴史認識うんぬんを争点に据えないフツーの有権者ならともかく、"反歴史修正主義"の
ウェブリングの類に参加していながらこの河村候補の当選を無邪気に喜べる自称リベラルな人が
いるのは謎と言いますか興味深いと言いますか。「政権交代」できれば何でもオッケーってこと?
冷凍食品に例えるなら、パッケージじゃなくて中身が毒入りかどうかが重要なんだけどなー。
この国にはいつか市町村長や知事になることも考えつつ、一生懸命地方議会で自治体をよくするために頑張っている議員だって結構いると思うんですけど、そのような人達がやる気なくすんじゃないでしょうか。タレント系首長が来て一回でも逆らったら速攻悪魔みたいな扱いですからね。そういう人はお笑い芸人かローカルタレントでも目指すしかないのでしょうか?
とにかく公務員を批判していれば内容に関係なく賛同を得られる時勢ですから、首長たるもの東京都のワッペン問題の石原知事コメントに見られるように組織のトップ(それも10年間君臨した)、つまり当事者としてスタンスではなく、第三者としての役人に対する罵倒さえしていればOKですから。(そんな無責任な立場でいいなら誰でもできると思いますが)
まあそんなトップが、地方自治ならではの権力集中構造の中で、好き勝手放題した挙句どの様な結果になったとしても、橋下がよく口にする「責任」などとろうはずもないことは容易に予想できるというものです。
地方における独立行政委員会である教育委員会(それも制度上上下関係にない市町村教育委員会)から学力テスト結果の取り扱いに関する要請に対して「関東軍」とのレッテルで罵倒する行政感覚ですから、予算や人事とマスコミによる大衆扇動を駆使した行政手法はまさしく「ムッソリーニ」であり「ヒトラー」であり「金正日」といえます。
そんな中の府議会情勢であり、件の新会派による議員連中は、橋下が府における人事評価をイエスマンか否かの基準で再構築してしまった今、先日のWTCでの議決に関する議員に対するコメントに表された「賛成する議員の意見を取り入れる」という踏み絵を迫るという政治手法に乗っかってしまったともいえると思います。
権力というのは、明文か否かに限らず集中した段階で腐敗の可能性が高まる訳ですが、橋下が盛んに主張する道州制について、このような権力志向の首長が出現する時勢と独裁者を拍手で迎える市民の政治的判断力を考えるとまだまだ無理という気がしてなりません。
少なくとも、橋下が主張する関西州について、今以上に権力(租税や司法権等)を橋下の手に集中すると仮定するならば、これを抑制するよほどしっかりした法システムが構築されない限り、恐怖政治そのものの出現となる可能性は極めて高いと思います。
おっしゃるとおり・・・
最悪だ~! (ToT)/~~~
それにしても、ご存じの方も多いでしょうけど、名古屋って南京と姉妹都市関係を結んでいます。まさか河村も、市長在任中に南京事件を否定するような発言はしないとは思いますが、どんなもんでしょうね。
http://www.news.janjan.jp/area/0904/0904272293/1.php
この人たち、主張してることはもっともなんだけど、
最終的に取った手段は、「はあ?」でしょう。
そら、「官僚政治打倒」を言う左のインテリの方々が、小泉を黙示的に支持してたと言う話は聞いたことありますが、
それって、致命的な悪手でしょ?
命取りになって、詰んでしまわんと良いですが。
でわ。
確かに不思議ですね。むしろこの人たちは、政策的・思想的にもっと近いであろう共産党推薦候補の太田氏を応援すればいいようなものですが、結局当選しやすいであろう河村氏を選んだのでしょうかね?
まあ、河村氏の市政は高い確率で失敗に終わると思いますが、河村氏を信じ投票した名古屋市民が、騙されたときにどんな反応をするのでしょうか?
曲がりなりにも「反歴史修正主義」に名を連ねているなら、河村たかしの当選は絶対に阻止しなければいけないはずですよね。勝者が自民でなければ何でもOKなのでしょうか。ならば、自民党が看板を掛け替えるだけでも同じ様な……
>いるか缶さん
結局、有権者は政治家の地道な努力なんて見ない、むしろ見る前から全否定なのでしょうね。それどころか、政治の役割を頭から否定するような候補が支持を得る、地道な努力が報われないのはよくあることですが、それが最も端的に表れるのは有権者の前に出たとき???
>さらさん
有権者がブレーキ役になるどころか、有権者が政治(首長)の暴走を後押ししてしまっている有様ですからねぇ。権力に一定の制限をかけること、なんでも支配者の意のままになるのではなく、為政者が守るべきルールが意識されるべきなのですが、どうも危うい方向に向かっているようです。イエスマンを侍らせた独裁者が、民衆から歓呼の声で迎えられる、そういう時代に入ったのかと。
>すぺーすのいどさん
たとえ民主党の「平均」が自民党の「平均」よりはマシだったとしても、個々の候補となると話は別ですからね。いくら何でも河村は最低の部類にはいるはずなのですが……
>Bill McCrearyさん
してみると、国外での報道が気になりますね。南京ではどう報道されているのでしょうか。姉妹都市の新市長はTHE FACTSの賛同者、向こうだって無駄に事を荒立てたくはないだろうと思いますが、少なくとも日本では(北朝鮮外交がそうであるように)友好よりも対立によってこそ支持が高まる、ならば姉妹都市関係も危ういかも知れません。
>buhiさん
ある意味では、共産主義の拡大を防ぐためと称してナチス政権の背中を押していた昔年の欧米諸国、イスラム革命の波及を防ぐべくフセインを支援した往年のアメリカを思い出しますね。敵の敵が味方とは限らない、むしろそれ以上の禍根を後に残すことになるわけですが、「敵」憎さが目を眩ませるのでしょうか。
>凡人69号さん
結局、反自民、非自民の政権交代論者は自民党と同程度に共産党を「嫌って」いる場合が多いのかも知れません。共産党候補を選択肢に入れるくらいなら、極右だろうと歴史修正主義者だろうと新自由主義者だろうと構わない、そういうレベルで物事を考えている人々なのかも、と。
名古屋の同人誌即売会でスタッフがネトウヨな所があるのですが、毎回ヘイトな設問でヘイト解答を煽っては次回パンフに掲載してる恒例アンケート等で、今回の河村当選に絡んだネタが飛び出さないか少しwktkです。
(ご自由にお書き下さい、な設問もあるのですね。例え準備会が解ってても参加者が…ププー)
…もっともこの程度の後ろ弾を期待してるようでは、我ながら負け犬根性だなぁと凹みますけど。うう。
ウヨから見れば自民党候補よりも河村の方が遥かに主張の一致するところは多いはずなんですが、大方の有権者と違ってその手の人は政党名しか見ていないのでしょうかね(まぁ、河村当選を喜んでいる民主党支持層も人のことは言えそうにないですが)。敵失に期待するのもアレですが、当選という結果が出てしまった以上、当面はウヨ内部での「同士討ち」に期待するほかないでしょうか。