非国民通信

ノーモア・コイズミ

校長の信頼厚い中核教員

2019-10-13 22:57:19 | 社会

「顔に熱湯やかん」「首絞め呼吸困難」教諭4人、いじめ行為50項目(読売新聞)

 神戸市立東須磨小学校の教諭4人が後輩の男性教諭にいじめを繰り返していた問題で、被害教諭が市教育委員会に訴えている暴力や嫌がらせなどのいじめ行為が約50項目に上ることが、関係者への取材でわかった。激辛カレーを無理やり食べさせられたことなどのほか、新たに「熱湯の入ったやかんを顔につけられる」「首を絞められる」などの行為を訴えていることが判明した。市は来週にも弁護士などの調査チームを発足させ、事実関係の確認を進める。

 市教委によると、加害教諭は30歳代の男性3人と40歳代の女性1人。関係者によると、関節技をかけられたり、熱湯の入ったやかんを顔につけられたりしたほか、首を絞められて呼吸困難になったことも複数回あったと訴えている。ビール瓶を口に突っ込まれてビールを飲まされ、空瓶で頭をたたかれることもあったという。はいていたジーンズを破られたり、カバンに氷を入れられたりしたほか、「お前みたいなやつ、いじってやってんねんから感謝しろ」などの暴言も数多く浴びせられたという。

 

 なにしろ学校は治外法権ですから、児童間での暴行や傷害、窃盗に恐喝といった類(これを学校用語で「いじめ」と呼ぶのですね)は日常茶飯事かと思います。では教員の間ではどうかと言えば、子供と同じようなことをしている人々の存在が明るみに出て、結構な話題を呼んでいるわけです。どうしても学校という世間の常識が通用しない世界にいると、相撲部屋よろしく独自の因習が育ってしまうのでしょうか。

 

被害者は「優しい先生」加害者は「人気者と評判」校内で暴行目撃の児童も 教員間暴力(神戸新聞)

 長男が昨年まで通ったという近くの女性(45)は、加害者とされる男性教諭について「担任ではなかったが、頼りがいがあり、人気者という評判。信じられない」。妹が在校しているといい「子どもたちが不安定にならないようにしてほしい」と配慮を求めた。

【詳報】東須磨小・教員間暴力 校長会見「4人中2人は前校長と親しい関係」(神戸新聞)

 加害教諭と前の校長との関係について、「4人のうち2人は(前校長と)親しい関係だったと思っている」とした。一方、この2人は校内で中核教員だったが「そこでの力と前校長の力が関係しているかは分からない」と述べた。

 

 「いじめがあった方がクラスの雰囲気がよく見えたりする」という説もあります(参考、教師がクラスの「いじめ」への対処を誤ってしまう理由。https://blog.tinect.jp/?p=37119)。加害者側からすれば、「共通の敵」に対して結束してるわけであり、いじめの声も表面的には「笑いが絶えない明るいクラス」に見えたりするとのこと、概ね説得力のある話です。そしてこれはクラスに限らず、職場でも同様ではないでしょうか。

 露骨な犯罪行為には走らずとも、いつも陰口で盛り上がっている排他的な仲良しグループは、普通の職場でも随所に形成されているのではないかと思います。これが上長や人事部の節穴には「協調出来ている」と映るのですね。だから今回の教職員の場合も然り、ある種の人々の目からはむしろ加害者側のグループこそが良く見えていた――これは決して不思議なことではありません。

 そして問題を起こす人であるからこそ、結果的に重んじられることもまた学校に限らず諸々の職場で見られがちな風景ではないでしょうか。アレコレ文句を言わずに仕事をこなす人と、事前に根回しをしておかないと難癖を付けて仕事を止めてしまう人、どちらが有為の人材であるかは一見すると明らかなようですが、どちらが高い評価を得るかは別問題だったりします。

 つまり「文句を言わない人」は蔑ろにされても問題になりにくい、一方で「難癖を付ける人」は常に気を遣ってやらないと業務に支障を来す、そうした中では「仕事を円滑に回すため」に、何事も後者に伺いを立てるような流れが作られる傾向にあるわけです。この結果として、単に面倒なだけの人が「キーパーソン」として物事を差配するようになる、それが上の目には「リーダーシップを発揮している」と映る、よくあることです。

 腐ったミカンは周りのミカンを腐らせますが、新鮮なミカンが周りのミカンを新鮮にすることはできません。影響力を発揮しているのは、腐ったミカンの方です。そしてこの影響力をリーダーシップのごとくに勘違いして評価する風土があると、組織内の問題児を増長させ、組織の腐敗を進めてしまうのですね。しかし手遅れになるまで「上」は問題に気づかない、と。

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2019-10-13 00:00:00 | 目次


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よくもそんなことを

2019-10-06 21:15:04 | 政治

野党、消費増税に一斉反発 枝野氏「不況の中で暴挙」(毎日新聞)

 野党は1日、消費税率10%への引き上げに対し、一斉に反発を強めている。4日召集の臨時国会で追及を強める構えだ。

 立憲民主党の枝野幸男代表は党会合で「今の消費不況の中でこの暴挙は日本経済全体に深刻な影響を与えるのではないか」と指摘。国民民主党の玉木雄一郎代表も記者団に「税の3原則である『公平、中立、簡素』いずれにも反する税制で、問題が多いと言わざるを得ない」と批判した。玉木氏は野党内で浮上している減税法案提出に関し「8%に下げるのか、5%に下げるのか。経済状況を注視しながら立場を決めていきたい」と述べた。

 衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」代表の野田佳彦前首相は軽減税率について「しっかり社会保障を支えるために社会の中に根づかせるべきものだったが、おかしなやり方になってしまった」と否定的な見解を示した。

 

 さて先月には立憲民主党や国民民主党、野田佳彦グループが統一会派を結成しました。とりあえず当ブログでは、新しい統一会派を「民主党」と呼ぶことにしたいと思いますが、この民主党内の各派閥のボス達が揃って消費税引き上げに否定的な見解を述べているようです。民主党玉木派代表の言う「税の3原則である『公平、中立、簡素』いずれにも反する税制」との評価は全くその通りですけれど――

 民主党枝野派代表の「今の消費不況の中でこの暴挙は日本経済全体に深刻な影響を与えるのではないか」との意見も、それなりに筋は通っています。しかし、消費税増税は「今」決まったものではなく、遡ること7年前に決められたものです。修正主義者の枝野が認めることはないにせよ、その当時は消費税増税が実行される今よりも、ずっと酷い不況だったはずです。

 そして言うまでもないことですが、7年前に消費税増税を決めたのは、現・民主党野田派の会長である野田佳彦であり、枝野もまた経済産業大臣を勤めていました。民主党政権による公約破りの消費税増税には反発がなかったわけではなく、僅かながら離党者も出たものですが、枝野は元より玉木もまた、当時は民主党に残ることを選んだ歴史があります。

 民主党の面々にとって、言行不一致は習慣であって不実ではないのかも知れません。もし私が民主党議員であったなら、自らが消費税増税を決めたにも関わらず、その取り付けた合意を自民党が履行する段になって異議を唱えるようなことは、とても恥ずかしくてできません。しかし民主党議員に、恥の意識など期待する方が馬鹿というものです。

 もし民主党が誠実であろうとするのなら、まずは消費税増税を決めたという自党の過ちを明確に認め、国民に謝罪することから始めなければなりません。しかし過ちを認めるどころか、その責任を自民党になすりつけようとする、何とも卑劣な人々ではないでしょうか。まぁ、こんな党に投票する愚かな人々がいるのですから、過ちが繰り返されてしまうのだと言えます。

・・・・・

 なお軽減税率にも言及されていますが、これはどうしたものでしょう。逆進性を軽減する上では、やらないよりマシとは言えます。マイナス100点の政策を、マイナス98点程度に緩和する意義はあります。しかし前々から述べてきたとおり、「日本式」軽減税率の問題として、軽減税率対象と、そうでない品目の税率が僅かに2%しか違わない点は、もう少し論議されるべきだったはずです。

 軽減税率を導入している国は数多ありますけれど、日本のように「2%しか違わない」軽減税率は極めて珍しいわけです。僅かに2%の差では、むしろ煩雑さが印象論として優ってしまう虞すらあります。そもそもイートインとテイクアウトを分けるのは極端に外食が安いという日本の個別事情に適したものなのか疑わしい等々、どうにも軽減税率の「中身」は消費税同様の欠陥が多そうです。

 ただ、この欠陥は意図されたものなのかとも考えられます。例えば公明党は「軽減税率を導入させた」という実績さえ作れれば、中身まで気にするつもりはなかった。新聞業界は、軽減税率対象という「特別枠」に自らを加えることができればそれで満足だった。そして増税派は、効能が乏しく煩雑さの方が目立つと軽減税率にネガティブな印象を植え付けたかった。こうした人々の思惑の結果として、2%しか違わないという世にも奇妙な軽減税率が作られたのではないでしょうかね。

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