非国民通信

ノーモア・コイズミ

アメリカに口を出される筋合いは

2022-04-30 00:02:21 | 編集雑記・小ネタ

米、ソロモン諸島に警告 中国軍常駐なら対抗措置(AFP)

【AFP=時事】南太平洋のソロモン諸島を訪問中の米政府代表団は22日、ソロモンが中国と安全保障協定を締結したことを受け、中国が軍を常駐させることになれば、対抗措置を取ると警告した。

(中略)

 米ホワイトハウスによると、米政府代表団はソガバレ氏に対し、安全保障協定は米国とその同盟諸国の地域安全保障に影響を及ぼしかねないとして、「事実上の軍の常駐や戦力展開、軍事施設を確立する措置が取られるならば、米国は対抗措置を取る」と伝えた。

 

 ウクライナのNATO加盟を巡っては「各国には安保政策を自ら決める権利がある」云々との報道が専らで、それが衝突の火種になろうとも悪びれない論者が多数派を占めていましたけれど、この場合は真逆の反応が見られるところでしょうか。キューバのような喉元に位置する国であればアメリカの反発も理解できるのですが、ソロモン諸島にまで介入するのは覇権主義にもほどがある、という気がします。それでも反ロが常に正義であるように、反中もまた有理なのかも知れません。

 その中に浸りきっていると気づきにくいところですけれど、ロシア排除で盛り上がっているのは実際のところ一部の国に限られる、中国やインドだけではなく中東や南米、アフリカ諸国も軒並みNATO陣営の唱える制裁措置からは距離を置いています。理由は、明白ではないでしょうか。自分たちが加わる軍事同盟の拡大については反対の声に耳を傾けず強行してきたにもかかわらず、そこに加わらない国が他国との結びつきを深めようとすれば今回のように圧力をかけて妨害するわけです。埒外に置かれた国がNATOという排他的な仲良しグループと歩調を合わせたがらないのは当然のことでしょう。

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日本は友達だと思っていたけれど、相手からはそう思われていませんでした、という話

2022-04-27 23:32:31 | 政治・国際

ウクライナの感謝動画、日本なし(共同通信)

 ウクライナ外務省が公式ツイッターに投稿した各国の支援に対する感謝の動画に、日本が入っていないことが分かった。松野博一官房長官が26日の記者会見で明らかにした。松野氏は「軍事支援の文脈で謝意が示されたものと推察している。ウクライナ側へ趣旨を確認中だ」と語った。

 

 問題の動画で名前が挙った国は31カ国で、オーストラリア、アゼルバイジャン、アルバニア、ベルギー、ブルガリア、イギリス、デンマーク、ギリシャ、エストニア、エジプト、スペイン、イタリア、カナダ、ラトヴィア、リトアニア、ルクセンブルク、マケドニア、オランダ、ドイツ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロヴァキア、アメリカ、トルコ、フランス、クロアチア、チェコ、スウェーデン、フィンランドと表記は英語ながらキリル文字の順で掲載されていたものです。最後は"OUR FRIENDSHIP IS OUR VICTORY"と相変わらず勝利を追求するメッセージで締められていたのですが、日本が入っていないことで政府も大騒ぎしていたわけです。

 列記すると結構な数にも見えるウクライナの感謝対象国リストですけれど、地図上に当てはめてみると本当に特定の地域に限られていることも分かります。反ロシアで盛り上がっているのが一部の国に止まっているように、ウクライナ支援に熱を上げている国もまた限定的であることを今回の事例は示しているのではないでしょうか。まぁ、日本は100%ウクライナ側に肩入れしてロシアから非友好国認定までもらったのに、リストからは除外されていましたけれど。

 松野官房長官曰く「軍事支援の文脈で謝意が示されたものと推察している。ウクライナ側へ趣旨を確認中だ」とのことで、この後にウクライナから同意を得たことが続報で伝えられています。まぁウクライナからすれば面倒なクレームが入ったので日本側へ「仰るとおりです」「その通りです」等と回答したのでしょう。日本側のクレームが入らなければ、軍事支援云々という区分意識をウクライナ側が持つことはなかったに違いありません。

 言うまでもなく、直接の殺傷能力を持つ兵器だけで戦争が成り立つものではありません。民生品も兵器として転用されることは普通に行われていますし、補給物資がなければ戦線はたちまちに破綻してしまいます。日本がウクライナに送った防衛用装備品や民生用の機器類だって、立派にロシア軍に対する攻撃の役に立っているはずです。日本が行ってきたことが軍事支援でないなどと思い込めるのは、兵站を蔑ろにした大日本帝国の戦争観を今なお継承している人ぐらいでしょう。

 何はともあれウクライナが作成した動画に日本は入っていませんでした。そしてツイッターへ投稿された動画に過ぎないにもかかわらず官房長官が即座に動き出したというあたり、日本側の衝撃の大きさも分かります。日本としては、自分たちは当然のこととして名前の挙った陣営の一員であると信じていたのでしょう。日本はずっと西側の一員、西洋のメンバー、欧米と同列であると自国を評価してきたはずです。しかし当の「西洋」から見た場合の日本はどうなのか、少なくともウクライナからしてみれば言葉にして感謝を伝えたい相手ではなかった、眼中には入っていなかったことが分かります。

 その辺は結局、アメリカなりヨーロッパ諸国から見た場合も同じなのではないでしょうか。日本は自分たちをアジアよりも欧米諸国の仲間であると思い込んできたのかもしれませんが、それが客観的な評価であるかは大いに疑問です。ヒトラーからは名誉アーリア人、アパルトヘイト時代の南アフリカからは名誉白人の地位を与えられてきたのが日本人ですけれど、それが決して白人からの同胞意識に基づくものでなかったことは論じるまでもないでしょう。日本は自国の置かれた国際的な立場を自覚し、もう少しバランス良く立ち回ることを考えた方が良いと思いますね。

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何も間違ったことは言っていなかったのに

2022-04-26 21:07:29 | 編集雑記・小ネタ

ヒトラーと一緒に昭和天皇の写真 ウクライナ政府が動画から削除、謝罪(毎日新聞)

 ウクライナ政府は24日、ツイッターに投稿した動画の中で、昭和天皇の顔写真を掲載したことに日本国内のネットユーザーなどから批判が高まった事態を受け、動画から昭和天皇の顔写真を削除し、謝罪した。当初の動画には、ユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)を行ったナチス・ドイツの独裁者ヒトラーやイタリアのファシズム指導者ムソリーニと共に、昭和天皇の顔写真を並べていた。

 

 ヒトラーやムソリーニと昭和天皇を並べたことで日本人の反発を買っていたそうですが、どうしたものでしょう。確かにウクライナはソヴィエト連邦の構成国としてヒトラーや昭和天皇が元首を務める国を打ち破ったこともありますけれど、今も昔も一枚岩ではなかったわけです。むしろソ連と戦ったウクライナ人も多い、ウクライナ独立派ともなればなおさらのこと、ヒトラーよりもスターリンを敵役に掲げた方がしっくり来るような気もします。

 ともあれ昔年の日独伊3国は志を同じくする盟友であり、各国の元首であるヒトラー、ムソリーニ、昭和天皇の3人が並び称されるのは至って当然です。異なる点があるとすれば昭和天皇だけが戦争責任から免れてきたことですけれど、それは政治判断の結果に過ぎません。もしウクライナがソ連の一員としてファシズムの枢軸を倒したことを誇るのなら、結構な話といえます。しかるに日本からの「批判」を受けて昭和天皇の顔写真を削除したとのこと、結局のところウクライナの現体制は、戦争責任を曖昧に誤魔化し、歴史を都合良く修正するような輩に媚びたわけです。

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日本も昔はそうだった

2022-04-24 21:59:15 | 政治・国際

 今はトーンが少し戻りつつありますが、ロシアによる侵攻が始まった当初はウクライナを「(ロシアの)兄弟国」と伝える報道が多く見られました。歴史や文化、言語などの近さを考えれば妥当な扱いではあるのですが、これは専ら兄弟国に軍を向けたとロシアの非道を糾弾する意図で使われているだけで、開戦前までは反対にウクライナの文化や歴史的な独立性を強調し、ロシアとは明確に異なる国家として描かれる方が主流であったわけです。

 アゾフ大隊(アゾフ連隊)も似たようなところで、これに関するネガティブな記述を日本の公安が抹消するという歴史修正主義を先日は目の当たりにしたところですが(参考)、しばしば正規軍であったり準軍事組織であったりと報道が分かれています。まぁロシア軍との戦闘で死んだら職業軍人とは異なる民兵として、捕虜として捕まったらジュネーヴ条約が適用されるべき職業軍人として西側メディアからは扱われるのでしょう。

 

マリウポリ、軍抵抗拠点に市民1000人 民間人被害拡大の恐れ(毎日新聞)

 ロシア軍に包囲されたウクライナ南東部の要衝マリウポリの攻防を巡り、ウクライナのシュミハリ首相は17日、米ABCテレビで「(マリウポリは)まだ陥落していない」と強調した。ロシア軍は「抵抗すれば全滅させる」と降伏を迫っているが、ウクライナ当局によるとウクライナ軍が拠点とする製鉄所には子どもを含む市民約1000人が避難していて、さらなる民間人被害が懸念される。

(中略)

 地元メディアによると、露軍は17日もマリウポリに空爆やミサイル攻撃を続けた。戦略爆撃機「ツポレフ22M3」も投入したという。これに対し、ウクライナ側は民族主義者の準軍事組織「アゾフ大隊」が主力となり抵抗している。

 

 これは1週間ほど前の報道でその後の進展に乏しいものですけれど、アゾフ大隊が根城とする製鉄所に市民が1000人ほど「避難」していることが伝えられています。ロシア側の攻撃対象である武装勢力の拠点へ敢えて避難する人がいるかは大いに疑問を感じるところで、むしろ人質であり人間の盾ではないかと思われますが、まぁ首都にいる大統領が最後の一人まで戦うと宣言し、民間人に武器を持たせて戦場に駆り立てるような体制の下では市民の犠牲など痛くも痒くもない、むしろロシアと戦う大義名分が強まるだけなのかも知れません。

 この状況を見て私が思い起こしたのは、80年ばかり前の沖縄です。アメリカ軍が迫る中、沖縄では民間人の「集団自決」も相次いだわけですが、そういうことが21世紀においてもなお起こりうるのかな、と感じたわけです。敵兵に捕まったら殺される、投降しても助からないと、当時の沖縄では信じ込まされていた結果と言えますが、ただ当時の「鬼畜米英」のイメージも決して無から創作されたのではなく、アメリカ軍による民間人殺害や捕虜虐待のエピソードぐらい探せばいくらでも出てくることは注視されるべきでしょう。

 職業軍人同士で国際条約を守って雌雄を決する、そんな「綺麗な」戦争など存在しません。アメリカのイラク侵攻やアフガニスタン侵攻でも民間人の殺害や捕虜の虐待は普通に見つかっています。同様の行為がウクライナ侵攻において存在しないとしたら、逆にその方がおかしいです。ましてや太平洋戦争の当時ともなれば、いかにアメリカ軍が日本人を残虐に扱うかと宣伝するためのネタぐらい無尽蔵に用意できました。降伏するぐらいなら死を選べと迫るのは容易いことです。

 

サッカーのウクライナ2部クラブから選手14人が従軍 地元メディア「ほぼチーム全体が軍に加わった」(スポニチ)

 サッカーのウクライナ2部リーグで活動するプリカルパティアの選手14人がコーチらとともに従軍していると複数の地元メディアが17日に報じた。「ほぼチーム全体が忠誠を誓い、軍に加わった」と伝えるメディアもある。

(中略)

 今回の従軍に関し、当初は軍事訓練を受けていない選手が「足手まといになる」との理由で消極的だったという。MFツツラは「地域の選手がプロに混じってプレーするようなもので妨げになる。何もできない」と感じていたというが、司令官から基礎から徐々に訓練すると説明を受け、参加を決断。「機関銃を与えられ、どう分解して手入れをし、射撃するのか学んでいる。当番で警備に出ている」と状況を説明した。

(中略)

 ウクライナ・サッカー協会のパベルコ会長は「チームに感謝している。ウクライナのサッカー史にとって重要な瞬間で世界への手本になる。ウクライナのサッカー界は軍とともにある」と歓迎しているという。

 

 徴兵で集められた素人など高度な専門性を要求する現代の戦場では役に立たない──そう主張する(自称)軍事通の人も多いのですが、少なくとも徴兵する側の考えは異なることが分かります。ここではサッカー選手に赤紙が来たことと、公然と反対することが難しい中で困惑を隠せない選手の声が伝えられているわけです。しかるにサッカー協会のお偉いさんは「ウクライナのサッカー界は軍とともにある」と胸を張っています。

 日本でも80年前は有望なプロ野球選手が戦場に送られ中には戦死した人もいましたけれど、当時の野球界も偉い人は軍への貢献を誇っていたのでしょうか。ウクライナに靖国神社に相当するようなものがあるかは知りませんが、戦場に送り込まれて死んだらサッカー選手も護国の英霊として祀られそうな勢いです。ともあれ、こうした事例が批判されず美談のように受け止められているのなら、大日本帝国的な空気は現代も息づいているのだなと感じるばかりですね。

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今こそ勝利至上主義を否定すべきです

2022-04-23 21:51:33 | 編集雑記・小ネタ

NHKがウクライナ避難民インタビューで「字幕改変」か 大学教授が指摘(週刊ポスト)

 戦禍を逃れ、日本へと避難してきたウクライナ人女性が、神妙な顔つきで心境を吐露する。

「今は大変だけど平和になるように祈っている」

 画面下の字幕にはそう記されている。4月10日、NHKの正午のニュースで、ウクライナのザポリージャから来日した女性が取り上げられた。祖国を憂い、平和を祈るウクライナ人女性のインタビューに映るが、発言内容に疑問の声を上げるのは、ロシアやウクライナ情勢に詳しい青山学院大学名誉教授の袴田茂樹氏だ。

「実際にニュースを見ていて、強い違和感を持ちました。映像中の女性の言葉は、南方アクセントのロシア語とウクライナ語のミックスで、直訳すると『私たちの勝利を願います。勝利を。ウクライナに栄光あれ』と話しています。戦争に勝つことを願う主旨の発言で、平和云々は語っていない。NHKの字幕は意訳ではなく戦闘を悪とする平和主義の意図的な改変だと感じました」

 

 こちらはお決まりのメディア批判、NHK叩きの文脈で掲載された記事ですけれど、取り敢えずウクライナからの避難者の生の声が正しく翻訳されるのであれば、それは結構なことだと思います。曰く「私たちの勝利を願います。勝利を。」とのこと。先日はウクライナ及びNATOが得ようとしているのは勝利であると私は書きました。そして今回のインタビューに応じた女性もまた平和ではなく勝利を訴えているわけです。

 ともすると日本の政府も国内世論も、さも平和を望んでいるかのごとくに扱われがちです。しかし平和とはいったい何を指しているのか、ロシアに対する(NATO陣営の)勝利を以て平和と呼ぶのであれば、それは必然的に戦闘によってもたらされるのを待つしかありません。一方の側に肩入れして軍用品の支援や経済制裁なりを続けるのは勝利のためとしか言えませんが、それが平和に繋がると考えられているなら何を意味しているのでしょうか?

 日本人にとっての「平和」が「敵」への勝利によってもたらされるものであるならば、「勝利を願うウクライナ女性」=「平和を祈るウクライナ女性」という等式が成り立ちます。ロシアに対する勝利を願うのは平和を祈るのと完全に同義であり、意訳でも改変でもないのでしょう。敵を打ち倒してこそ平和が成立する、そんな覇権主義に染まった社会であれば、このNHK報道も何らおかしいことはありません。ただ公然と「勝利」を訴えることを遠慮しているだけ、勝利を「平和」と言い換えているだけです。

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インド人も驚いたと思う

2022-04-21 22:25:59 | 編集雑記・小ネタ

ウクライナ支援の自衛隊機、経由地のインドが受け入れ拒否(毎日新聞)

 自民党の高市早苗政調会長は21日午前の党政調審議会で、ウクライナ避難民に支援物資を届けるため派遣を予定していた自衛隊の輸送機が、経由地のインドから受け入れを拒否されたと明らかにした。政府は国連平和維持活動(PKO)協力法に基づき、インドのムンバイにある国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の備蓄倉庫にある毛布などをポーランドやルーマニアに運ぶ方針だった。政府関係者は、調整不足が原因としている。【藤渕志保】

 

 曰く「調整不足が原因」と言うことですが、どうなのでしょうね。会社で問題が起こると「コミュニケーション不足が原因」と結論づけられることが多いですけれど、それと似たようなノリが感じられます。いずれにせよ経由地とはいえ軍隊を他国に派遣するからには相応の手続きも必要なわけで、それを怠っていたのではないかという疑惑も拭えません。

 何しろ日本ではウクライナが絡めば「何でもあり」でやってきました。難民の定義に当てはまらないと認めつつ政府専用機の送迎付きでウクライナ人を本当の難民よりも手厚くもてなしてきた、武器輸出に係る原則も有名無実化させてウクライナに軍需物資を送ってきた、ウクライナ人のペットの犬は防疫のルールの例外にすると農林水産省も発表しているわけです。日本の感覚からすれば「ウクライナ支援のためであればルールなど無用」というのが当然なのではないでしょうか。

 もっとも、そんな日本の常識が通用するのは反ロシアで盛り上がっている特定陣営に限った話です。中立的立場の国からすればウクライナ支援であろうとルールを守ることは求められる、軍隊を自国に入れるとあらば簡単には決められないのが当然でしょう。ウクライナ支援のためであれば調整など飛ばして自衛隊機の経由地として受け入れられると日本政府は思っていたに違いありません。しかしそれは、世界で通用する考え方ではないのです。アメリカを宗主国と仰ぐ陣営の結束は強まるばかりですけれど、そうでない国との溝は深まるばかりですね。

 

ウクライナに供与した大量の兵器の行方、米国も把握しきれず(CNN)

ワシントン(CNN) 米国はウクライナに大量の武器を供与しているが、国境を越えて送り込んだ対戦車ミサイルや地対空ミサイルなどの兵器がどうなったかを確認する方法はほとんどないと、関係者がCNNに証言した。

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ゼレンスキーのケツの穴でも舐めてろ

2022-04-19 21:36:01 | 編集雑記・小ネタ

ウクライナから避難のペット犬検疫で特例 農水省が発表(産経新聞)

農林水産省は18日、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて来日した避難民が連れてきた犬について、狂犬病予防法に基づく防疫体制を一部見直し、特例措置を適用すると発表した。ウクライナ政府の現状を踏まえ、必要な出国地政府発行の防疫書類がなくても、予防状態を確認後に条件付きで動物検疫所での係留措置を短縮する。

 

 ウクライナ人への優遇措置は止まるところを知りませんが、今度は犬についても特例を設け、基準値以上の抗体価さえ確認できれば飼い主の滞在先に同行できるようにすると報じられています。ちなみに狂犬病に対する抗体価はワクチン接種の他、狂犬病ウイルスへの感染でも上昇するそうです。だから係留期間を設けて安全を確認する必要があったわけですが、愛しいウクライナのためなら防疫など二の次というのが我が国の政治判断ということが分かります。

 しかし在留資格が切れれば断固として滞在を認めない、親と子供をバラバラに引き離すことに繋がろうとも問答無用で強制送還を繰り返してきたのが日本の入管行政だったはずです。ウクライナ人に関しては法律を曲げてペットと一緒に暮らすことが許されるのに、フィリピン人やヴェトナム人には親と子が一緒に暮らすことさえ認めていないのはどうしたことでしょうか? アジア人(アフリカ人や南米の人も)はウクライナの犬以下の扱いです。日本のウクライナ支援が表すのは人道であるよりもむしろ「差別」の方であるとしか言えません。

 

・・・・・

 

ウクライナ難民受け入れフランス移民政策の混沌(東洋経済)

 「ウクライナ人を助けるのはいいのだが、彼らと私たちのいったい何が違うのか……」

 

ウクライナ避難民は行けるのに……ミャンマーで広がる日本への失望(日経ビジネス)

 「ウクライナ人は日本に行けるのに、なぜ私は駄目なのか」。あるミャンマー人の男性はこう心境を吐露する。

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スポーツの世界なら勝利を追い求めるのは悪いことのように言われますけれど

2022-04-17 22:24:03 | 政治・国際

ウクライナの独大統領訪問拒否、ショルツ首相「腹立たしい」(ロイター)

[ベルリン 13日 ロイター] - ドイツのショルツ首相は13日、シュタインマイヤー大統領がウクライナ訪問を希望したものの受け入れられなかったことは「苛立たしい」と述べた。

親ロシア的姿勢で知られるシュタインマイヤー氏は12日、ウクライナ訪問を計画していたが歓迎されていないようだと述べた。ウクライナ当局者は後にCNNに対し、ゼレンスキー大統領がシュタインマイヤー氏の訪問申し出を拒否した事実を否定した。

 

 当初は「数時間以内に陥落する」と言われ、その後に「数日以内に陥落する」と報じられたものの、進捗のないままキエフ周辺からロシア軍は撤退してしまいました。ロシア軍の力量を過大評価してきたことにも検証の必要がありそうですが、ともあれ安全が確保されたことを受けてNATO加盟国首脳のウクライナ詣でが始まっているわけです。しかるにドイツ大統領についてはウクライナ側から拒絶された模様。ゼレンスキー陣営も気が大きくなっているものと思われます。

 

「原油禁輸を阻害」独を名指し批判 武器支援の加速訴え―ウクライナ大統領(時事通信)

 【ロンドン時事】ウクライナのゼレンスキー大統領は14日、英BBC放送とのインタビューで、ドイツとハンガリーを名指しし、欧州連合(EU)が検討するロシア産原油の禁輸を阻んでいると批判した。「どうしたら人々の血で金を得ることができるのか、私には分からない」といら立ちをあらわにした。

 

 そしてウクライナ発のコメントがこちらです。まぁ張り子の虎でしかない風力や太陽光発電を掲げて原発を止めてきたドイツはEU内でも特に化石燃料への依存度が高くなる、ロシアからの石油や天然ガスなしでは国民の生活も産業も成り立たないわけです。ゼレンスキーとしてはドイツにも「欲しがりません勝つまでは」の精神を持って欲しいのかも知れません。ただドイツとしても旗色を明確にしておきたい意思はあれど、どこまでを犠牲に出来るかは別問題なのでしょう。

 もっとも私にはウクライナ人の血で金を得ることよりも、勝利を得ようとしていることの方がずっと重いように感じられます。NATO諸国とゼレンスキー双方で思惑が一致しているのは、軍人だけではなく民間人を含めたウクライナ国民を戦場に送り込むことでロシアに対する勝利を得ようとしていることですが、それがウクライナに暮らす人々にとって最善のことであるとは到底考えられません。

 キューバ危機が第一にアメリカとソ連の対立であって、アメリカとキューバとの局地的な争いではなかったように、今回も当初はロシアとNATOとの対立であり、ロシアとウクライナとの二国間の争いではなかったはずです。キューバからのミサイル基地撤去はキューバではなくソ連に対して要求されたものであったように、軍事同盟の不拡大はウクライナではなくNATOにこそ要求されたものでした。

 しかるにNATO側は外交的解決を一切拒み、ならばと短期間でウクライナの首都を陥落させ交渉を優位に進めようとしたロシア側の思惑は脆くも潰え、ロシアとウクライナの消耗戦へと展開してしまったわけです。NATOは引き続きロシアとの外交的解決は選択肢に含めず、ウクライナに兵器を送ってロシアと戦わせることを望み、ゼレンスキーもまた成人男性の出国を制限し市民に武器を持たせてロシア軍と戦わせています。ロシアに対する勝利を追い求めるなら、それが最善の手段なのかも知れません。しかし他の解決法がなかったとは言えないでしょう。

・・・・・

 ちなみに国際政治学者だという触れ込みの人物による「ウクライナでは大統領の方針を9割の国民が支持しています」みたいな主張がメディアに取り上げられることがあります。国民の9割から支持されるとは金正恩のライバル登場かと思ったりもしますけれど、真偽はどれほどのものなのでしょうね。ただ9割の支持率が物事を正当化してくれるなら、クリミア半島のロシア編入を決める住民投票だって賛成票が9割を占めたわけです。同じ9割の賛意の内、片方だけを錦の御旗に使い、もう片方の賛意を否定するとしたら、それは物事を公平に見ることが出来ていないことを示すものでしかありません。

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スタルヒン球場は正式名称じゃなくなってたんですね

2022-04-16 22:50:29 | 編集雑記・小ネタ

恵比寿駅のロシア語案内、JRが紙で覆い隠す 識者「消極的ヘイト」(朝日新聞)

 JR東日本が、恵比寿駅(東京都渋谷区)のロシア語の案内表示の上に紙を貼り、文字を隠す状態にしていたことが分かった。ロシアによるウクライナ侵攻を受け、利用客からロシア語の表記を疑問視する意見が相次いだためという。

(中略)

 同社によると、利用客らからロシア語の案内表示に対して「不快だ」という趣旨の意見が複数寄せられたという。そこで7日から、ロシア語の案内表示だけ白い紙を貼り付けて隠し、「調整中」と表記した。

 JR東の外国語の案内は中国語、韓国語、英語が多い。ただ、日比谷線沿線にロシア大使館があり、行き方の問い合わせが多いことからこれまでロシア語も表示してきたという。

 

 これはこれで問題視されて紙を剥がして元に戻すことになったそうですが、ロシア料理店が嫌がらせを受けたりロシア国籍を理由に内定を取り消されたりロシア人お断りの旅館が出てきたり等、他でも色々あるわけです。今やロシア語は敵性言語、国家を守るために市民を戦場に送り込む大統領が英雄視されているあたり、アメリカに降伏しても大日本帝国の精神はちゃんと受け継がれているんだなぁ思わないでもありません。

 ちなみにウクライナではロシア語がウクライナ語と並び事実上の公用語であった時代もありましたが、2014年の暴力革命による体制転覆の後、ウクライナ語を唯一の公用語と定めるよう法改正が行われ、その後もロシア語での広告禁止など次々とロシア語の使用を制限する法律が施行されてきました。ウクライナの現体制への連帯を示したかったのなら、そんなに的外れではなかった気もします。

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それで公安の役目が務まるとは思わない

2022-04-13 22:40:16 | 政治・国際

 先日の記事で私は、過去を変えることは出来なくとも、未来に向けて改めることは出来ると書きました。これまでが公正ではなかったとしても、これから公正になることは出来る、と。ただ勿論それは、心がけ次第でもあります。現状に何の疑問も持たなければ、相も変わらぬポジショントークを続けることしかできないことでしょう。

 例えば日本の公安は共産党を今なお監視下に置いていますが、その根拠は「暴力革命路線を捨てていない」からだそうです。ただ暴力革命が対象を危険視する理由になるのなら、2014年にウクライナで起こった政変は何だったのかと問いたくもなります。あれこそ正真正銘の暴力革命なのですが、どういうわけか日本を初めとする西側諸国では暴力による体制転覆に何一つ異議が出ないまま承認されています。選挙なしで体制を覆しても構わないと日本政府が考えているのなら、どうして「暴力革命路線を捨てていない」との理由で特定政党が監視対象になるのか、そこは筋が通りません。

 ロシア側の発表もウクライナの大本営発表と同程度には割り引いて受け止める必要がある、真偽を確かめながら聞く必要がありますが、残念なことにこれは事実でした。日本の報道は「悪しき両論併記」が伝統であり、間違った情報が広められることもあれば、正しいことも伝えられている、適切に取捨選択さえ出来れば真実を知ることは不可能ではない──少なくとも最悪の状況には陥っていないと私は思っていました。ところが今回、我が国の公安は開戦前の記述を綺麗に削除してしまったわけです。

 

国際テロリズム要覧2021 > 極右過激主義者の脅威の高まりと国際的なつながり(公安調査庁)

 2014年,ウクライナの親ロシア派武装勢力が,東部・ドンバスの占領を開始したことを受け,「ウクライナの愛国者」を自称するネオナチ組織が「アゾフ大隊」なる部隊を結成した。同部隊は,欧米出身者を中心に白人至上主義やネオナチ思想を有する外国人戦闘員を勧誘したとされ,同部隊を含めウクライナ紛争に参加した欧米出身者は約2,000人とされる。

 

 幸いにして、web魚拓という形で公安が削除した記載を読むことは現時点で可能です。これすら消されるようであれば、日本もロシアに負けない情報統制が始まったということになりますが、今後はどうなることでしょうか。いずれにせよ、このアゾフ大隊はアゾフ連隊とも呼ばれウクライナ軍の一翼を形成しており、開戦前は上記の引用の通りに評価されていたものでもあります。ところがロシアとの戦争が始まるや、反ロの英雄みたいに扱われるようになったわけです。

 

「国際テロリズム要覧2021」中の「アゾフ大隊」に関する記載の削除について(公安調査庁)

 「国際テロリズム要覧」は、内外の各種報道、研究機関等が公表する報告書等から収集した公開情報を取りまとめたものであって、公安調査庁の独自の評価を加えたものではなく、当該記載についても、公安調査庁が「アゾフ大隊」をネオナチ組織と認めたものではありません。

 

 アゾフ大隊に関する記述を抹消した公安の言い分が上記となりますが、いかがでしょうか。いやしくも政府機関が公式に掲載した以上、それを公安の見解ではないと主張するのは無責任です。公安調査庁の発表は個人ブログの文章とは違います。もし公安とは見解が異なるのであれば、それは掲載しないなり説明を加えるなりの対応は必要ですし、何もなしに載せるのであれば、少なくとも公安として疑義を持つような類いの報告ではなかったということのはずです。

 いずれにせよ、アゾフ大隊が開戦前までは「内外の各種報道、研究機関等が公表する報告書」によってネオナチ組織であると目されていたことは分かります。それをロシアと戦う上で不都合だからと覆い隠してしまう、なかったことにしてしまおうとする公安の姿勢には大いに疑問を持たれてしかるべきです。そして公安の本来の役目としてもどうなのでしょうか。

 「敵の敵」を味方として贔屓目に扱うケースは、余所の国でもよくあることです。例えばアメリカは、親米政権を転覆させたイランの革命政権と戦わせるため、イラクをテロ支援国家指定から除外しサダム・フセイン政権への支援を行ってきました。そしてアフガニスタンの内戦に介入したソ連と戦わせるため、ムジャヒディン勢力に資金と武器を供給してきたわけです。

 サダム・フセインが後にどんな運命を辿ったかは言うまでもありません。ランボー3では同志であったムジャヒディン戦士の中からはアルカイダが誕生し、彼らの一部は2001年にアメリカへ恩返しに訪れました。手を携えていた当時は「敵の敵」として都合の良い相手ではあったのでしょう。しかし時を経てツケを払わされたことは認識される必要があります。

 アゾフ大隊に関しては、将来的にもわざわざ日本へ関わってくることはないのかも知れません。しかし「敵の敵」として贔屓目に扱ってきた相手から手痛いしっぺ返しを食らうことは、これに限らずあり得るわけです。そこで公安の果たすべき役割はどこにあるのでしょうか。ポジショントークで「敵の敵」の抱える問題には目をつぶる、そんな姿勢で公安が役割を果たすことが出来るとは、私は思いません。

 公安に限らず日本政府、野党政治家の大半もウクライナからの大本営発表を信じるばかりで疑う姿勢を見せいてません。それは自分たちが「どちらの陣営に属しているか」旗色を明確にすることにこそ繋がりますが、一方で情報収集の面では絶望的に信用できない振る舞いであると言えます。日本の国益を考えるなら、特定の勢力へ一方的に肩入れするのではなく物事を俯瞰的に見る、不都合なものでも事実は受け入れる姿勢が必要ではないでしょうかね。

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