非国民通信

ノーモア・コイズミ

被害者意識を焚き付ける人々

2019-07-14 22:37:43 | 政治

お笑いで学び、投票行こう 18歳投票率下位県、芸人が授業 参院選(朝日新聞)

 参院選で若者の投票率を上げようと、お笑いジャーナリストのたかまつななさん(26)が出張授業に取り組んでいる。18歳、19歳が投票できるようになった3年前も同じ取り組みをしたが、投票率は振るわなかった。ネットで資金を募りながら、投票率の低い県の学校を芸人仲間と回っている。

(中略)

 「僕たちお笑い芸人がお客さんの年代を見てネタを決めるように、政治家も投票者の年代で政策を決めているんです」とぶらっくさむらいさん。

 若者が投票に行かなければ、中高年を優遇する政策が通りやすくなる――それを実感してもらうための試みが、生徒たちと一緒におこなう「逆転投票シミュレーションゲーム」だ。

 

 選挙が近くなると定期的に、こういうことを言い出す人が出てきますが、いかがなものでしょう。まぁ自分が若年層からの支持が相対的に高い党――例えば自民党の関係者であったなら、若者へ積極的に投票を呼びかけるところかも知れません。一方で支持層が中高年寄りの党の支持者はどう思っているのか、興味深くもあります。

 ただ悪質と言いますか論者の思い込みを押しつけているだけと感じられるのは、「政治家も投票者の年代で政策を決めている」云々の行です。まぁレイシストであれば、毛嫌いしている政党と周辺国との関係を実態以上に深いものとして語り、中国や韓国に便宜を図っているように語るのが常です。この「中国・韓国」を「中高年」に置き換えると、こういう主張に繋がると言えるでしょうか。

 実際のところ、中高年を優遇する政策とやらが通りやすくなっているかは不明です。レイシストの頭の中では在日韓国・朝鮮人が不当な利益をむさぼっていることになっていますが、それと同じようなことが、このお笑いジャーナリストの頭の中では現実のものとして存在しているのかも知れません。でも、何か一つくらいは例が欲しいですね。

 そもそも政党が支持層の方を向くこともあれば、逆もあります。往々にして立場の強い党は内向きになりがち、自身の支持層をつなぎ止めようとする傾向が窺えるところです。一方で党勢の拡大を図りたい時には、「外」を向きます。つまり従来の支持層「ではない」人々に向けた政策が多くなることもあるわけです。今の自民党なら内向き傾向ですが、旧民主党の与党時代は、むしろ外向きであった等々。

 「若者の味方」を装う人は多いですが、その大半は高齢者向けとされる政策――福祉などを現役世代の負担として印象づけたがっている人々だったりします。では高齢者向けの福祉を削減すれば若者の得になるかと言えば、それは高齢の親の面倒を見る立場の現役世代の負担増に繋がったりもするものです。世代は繋がっているだけに、なかなか特定世代の優遇というのは難しいと言えます。

 教育費用の一部無償化を若者のための政策と見ることはできますが、専ら学費を負担するのは親世代ですから、その世代向けの負担軽減策とも考えられます。そして(少なからず日本市場が特殊であるのはさておき)一般的には教育水準の向上は国内労働力の質の向上に繋がりますので、産業界のための政策でもあるわけです。

 出身家庭の経済力次第で子供に与えられる機会は大きく左右されますが、これは子世代に向けた政策によって改善を図ることもできれば、親世代の経済状況を良いものにすることでも改善が期待できます。世代は繋がっているもの、特定世代の優遇と言い切れる政策は必ずしも思いつかないのですけれど、それでも世の中には「○○ばかり優遇されている!」と意気込む人々がいるのですね。まぁ、こういう被害妄想家の声を阻止する意味では、投票に行くのは大事なのかも知れません。

コメント

目次

2019-07-14 00:00:00 | 目次


なんだかもう、このカテゴリ分けが全く無意味になりつつあります……

社会       最終更新  2019/ 6/16

雇用・経済    最終更新  2019/ 6/30

政治       最終更新  2019/ 7/14

文芸欄      最終更新  2019/ 6/29

編集雑記・小ネタ 最終更新  2019/ 7/13

リンク集

Rebellionのブックマーク

Rebellion (rebellion0000) は Twitter を利用しています

 

↑暇ならクリックしてやってください


 このサイトはリンクフリーです。 

 

コメント

Tips2

2019-07-13 20:33:12 | 編集雑記

手取り15万円で支出15万円の生活と、手取り40万円で支出40万円の生活は全く別物です。

 

収支ばかりを問題視し、フローを考慮していない論者を見たら、その人のことは金輪際、無視してください。

コメント

大きな変化はなさそうですが

2019-07-07 20:54:09 | 政治

 再来週には参院選挙と言うことで、職場では組合活動が大変に活発です。密室で決まる春闘とは異なり選挙に台本はありませんから、たぶん手を抜けない状況なのでしょう。2017年の選挙では民進党の分裂で地域毎に対応が分かれ、私の住む選挙区であれば小池百合子グループへの投票指令が飛んできたものです。今回は立憲民主支持で概ね固まっている模様ですが、結果はいかに。

 web上で検索してみれば、自分と似たようなことを書いている人はいくらでも見つかるわけです。ただ地方組織における自民党と旧民主党系の各組織の蜜月ぶりを気にしている人は、自分以外には滅多に見かけない気がします。どうにも人の目に触れるのは報道も華やかな国政選挙や「与野党対決」の華やかな選挙区ばかり、居住地域の政治勢力図なんて、普通の人は気にしないものなのでしょうか。

 先の統一地方選挙において「共産党以外の野党」が自民党系候補に明確な対立候補を立てたのは、わずかに2選挙区でした。その2選挙区に報道が集中する陰では、自民党内部での争いを除けば無風の選挙が行われていました。どうにも国政選挙となると「野党でございます、野党でございます、自民党へ不満の方は我が党に清き一票を」と訴える党が出てくるものですが、それが地方の選挙となると消えてしまうことに、少なくとも私は疑問を感じています。

 「何でも反対」というイメージで野党を嫌う人も多いです。しかし、そういう人ほど野党を見ていない、むしろ反対はメディアを前にしたパフォーマンスであり、むしろ自民党の良きパートナーとしての活動の方が多いことから目を背けていると言えます。逆に政権与党への対抗馬として「共産党以外の野党」を応援する人もまた、野党の実態を見ていない、自分の都合の良い解釈しかしていないと言わざるを得ないでしょう。

 どうも寡聞にして近年の同様な調査結果を目にしていないのですが、故・民主党が政権奪取する前の時代は、自民党+αの政権や民主党+αの政権を望む人よりもむしろ、自民党と民主党の「大連立政権」を望ましい政治の在り方として挙げる人が、世論調査の結果として結構な多数派を占めていました。地方議会での勢力図を見れば、それは妥当な判断とも感じますが、今の世論はどうなのでしょうね。

 野党の筆頭と目される立憲民主党あたりを見ると、ある程度は良いことも言っている反面、その中には旧民主党が政権獲得前に唱えていたこと、政権交代前夜に公約から政策集に格下げしたり、あるいは取り下げたり、与党になってからは審議することすら避けるようになったことが少なからず含まれているようにも思います。看板は変えても中身は民主、また同じことをやるのではないかという気もするところです。

 争点の一つとなっている消費税増税についても、「今は」上げないと立憲民主党は主張します。しかし、今よりもさらに経済情勢が悪い時期に、消費税増税を閣議決定したのは他ならぬ民主党です(ついでに軽減税率を巡る枝野の主張なんかを見ると、やはり根本は逆進課税指向なのだな、とも)。選挙前に唱えていたことを蔑ろにしつつ、選挙前には語らなかった消費税増税を推し進めたのが民主党なのですけれど、この史実に立憲民主党候補はどう向き合っているのか――そこに顕著な不誠実さを私は感じていますが、世間の反応はどうなのでしょう。

 現政権の直面する諸々の問題は相応に世間の注目を集めており、安倍総理や閣僚の答弁に納得している人は、あまり多くありません。それは残念でもないし当然と言えますが、では与党への不満や不信が野党への支持に繋がっているかと言えば、そうはなっていないのが現実です。まぁ過去に向き合うことで支持が得られるかは別問題、むしろ自己正当化を貫くことで得られる支持もあるのかも知れませんが、とりあえず次の選挙で国会の勢力図が大きく変わる可能性は低そうです。

コメント

Tips

2019-07-06 20:31:13 | 編集雑記

お金は使ってもなくなりません。所有者が変わるだけです。

 

お金を「限りある資源」みたいに扱っている論者を見たら、その人のことは金輪際、無視してください。

コメント