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非国民通信

ノーモア・コイズミ

新しい資本主義

2021-12-19 22:28:46 | 政治

 我々は独自の世界を建設している。新しい理想郷を建設するのである──とは、ポル・ポト政権下で唱えられたスローガンとして知られています。まぁ、独自であることと新しさに関しては、かけ声倒れとならず達成されたと評価できるのではないでしょうか。なにしろスターリン時代のソ連や毛沢東時代の中国ですら、民主カンプチアには及ばないですから。

 ドナルド・トランプ前大統領も「新しさ」という面では認められるべきと言えます。日本の政治家の中にはトランプの先駆者と呼びうる人物が少なからず思い当たりますが、少なくともアメリカ大統領の歴史の中でトランプは今までに例のない、すなわち新しい政治家でした。冷戦の精神から脱却できない古いバイデンとは対照的ですね。

 ただ「新しい」という言葉は総じて肯定的なニュアンスと結びつけられます。とりわけ政治の場では、古いものは断罪され、新しいものに置き換えられることが良いことであると、そう受け止められているものではないでしょうか。だから自分が良くないと思うものは古いものと位置づけ、あくまで良いものとして新しさを求め続ける人もいるわけです。

 岸田首相は「新しい資本主義」を提唱しています。では、その対になるものは何なのでしょう。「今の」そして「日本の」資本主義が進むべき進路として「新しい資本主義」が掲げられているものと思われますが、では現代日本の資本主義は「古い」ものなのでしょうか。何がどう新しいのかも問われますが、そもそも新しければ良いのか、という話もあります。

 紛争国を別にすれば、日本以外の国はGDPだけではなく賃金水準も中長期的には上昇を続けてきました。30年前に日本と肩を並べていた先進国も、30年前は一人当たりGDPが日本の十分の一以下だった途上国も、日本と同様に少子高齢化が進んでいる国も、いずれも経済成長を続け国民の所得も増えています。それがグローバルスタンダードというものなのでしょう。

 一方の日本は、ほぼ4半世紀にわたりGDPが横ばいを続け、給与水準に至っては主要国中で唯一の低下を見せています。もちろん紛争国など日本と同様の低成長国は存在しないでもありません。ただ内戦が勃発したわけでもないのに成長しない国は日本だけとも言えるわけで、これは間違いなく独自の、そして前例がないという意味では新しさすら醸し出すものです。

 たぶん、日本は既に独自の世界を建設してしまったのだと思います。我々は今、橋本龍太郎や小泉純一郎、竹中平蔵の思い描いた新しい理想郷の中に生きているのではないでしょうか。改革の旗の下、グローバル化と戦い続け諸外国とは異なる独自の資本主義を築き上げた、その結果が世界に類を見ない賃金水準の下がり続ける成長しない国家です。

 この状態から生み出される「新しい資本主義」がどうなるのか、現時点では今ひとつ具体的なビジョンが見えません。ただ私には、まず「普通の資本主義」を目指すべきのが先決であるように思われます。他の国のように成長する、他の国のように賃金が上がる、他の国と同じような当たり前の資本主義に辿り着くのがまずは第一歩となるはずです。

 マルクスにしても、「新しい」世界である共産主義は、資本主義の後に来るものと位置づけていました。だから八十年代後半の日本や北欧の福祉国家等こそが、むしろ共産主義に近いと評価されることもあったわけです。しかるに共産主義を掲げる勢力が権力を掌握したのは専ら資本主義の段階において立ち後れていた国ばかりで、その結実は単なる党独裁であり、マルクスの理想から遠いものだったのは言うまでもないでしょう。

 何事も階段を飛び越えては実現できない、新しいステージに進めるのは資本主義のトップランナーになってこそ、なのかも知れません。では今の日本に「新しい」資本主義の段階に進む能力があるのかどうか、私は大いに疑問です。それは資本主義を飛び越えて共産主義へのジャンプを目指した国と同じで、どこかに歪みは出るものであり、まずは「普通の」資本主義に追いつくことが先決であるように思います。

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若手(47歳)

2021-12-05 22:48:16 | 政治

47歳泉さん、やってくれるかな 参院選へ「女性登用、響いた」 立憲新代表(朝日新聞)

 決選投票の末、立憲民主党の新代表に選ばれたのは47歳の泉健太氏だった。議席を減らした衆院選から、来夏の参院選に向け、どう党勢を立て直すのか。参院選の立候補予定者や地方議員からは「若さ」や「発信力」に期待する声が相次いだ。一方、街の人々からは、代表選を通じて、立憲が目指す方向性が見えなかったとの指摘も出た。

(中略)

 都連幹事長代理の西沢圭太都議は泉新代表について、「党の若手の代表。リーダーシップと発信力がある。若返って、刷新感もある。変わったんだなと思ってもらえるのではないか」と期待を込めた。

 来夏の参院選では泉氏が党の顔となる。参院長崎選挙区(改選数1)に立候補予定で県連副代表の白川鮎美氏は泉氏を支持したという。「若さもあるし、党役員のジェンダー平等を進める点が心に響いた」と話した。

(中略)

 立憲民主党青年局の下部組織で、学生や若手社会人でつくる「立憲ユース」に所属する東京大4年の小林鷹義(たかとも)さん(26)は、代表選を会場で見守った。若者や学生の意見を政策に生かす仕組みを作り、若手候補者の発掘や育成を求めたいという。

 

 さて立憲民主党の新代表には下馬評通り候補者中の最年少である泉健太氏が選ばれました。とにもかくにも「若さ」への高い期待が窺われますけれど、党の支持層「以外」からはどうなのでしょうか。消費税増税を決めた当時の総理大臣と経済産業大臣の政策的な誤りを徹底的に糾弾する姿勢の一つでも打ち出すようなら話は別ですが、そこまでの抜本的な変革姿勢は見られないだけに、イメージ作りの勝利と思えないでもありません。

 しかし47歳の「若手」ってのも不思議な話です。45歳を定年にしたいと宣うサントリーの社長にも財界筋からは結構な賛同者がいたことから分かるように、ほとんどの職場では47歳ともなれば年齢を理由としたリストラ候補に入ってくるわけです。転職活動でもしようものなら、現実的な選択肢は重労働低賃金で未来ある若者からは敬遠されるような職種ばかり、47歳とはそういう年齢なのです。

 「永田町の常識は世間の非常識」とはよく言われますけれど、その最たるものは年齢意識でしょうね。47歳が若手と見なされるなんて政治の世界くらい(後はせいぜい若者から見捨てられた限界集落ぐらい)のもの、外の世界では中高年として疎まれるはずの世代の人間を若手と呼んで持て囃しているのですから、国民との意識の乖離は言うまでもありません。

 なお立憲民主党は支持層が中高年に大きく偏っている政党でもあります。支持基盤は中高年にあるのに、党の看板は「若手」で良いのかという論点もあるでしょうか。ただ、有権者の半分は女性でも当選する議員に占める女性の比率は至って低いものです。立民を含めた有力政党に女性候補が少ないことも一員ですが、有権者は必ずしも自分と同じ属性を重視しないことが分かります。

 女性の有権者が女性の候補者に投票するかと言えばその影響度は小さいように、年齢もまた然りです。高齢者であれば高齢の候補に、若者であれば若手の候補に投票するかと言えば、そんなことはないわけです。人事採用や性風俗店の指名と同じで、結局は若い方がイメージは良い、中高年を支持基盤とする党であっても若手を看板にして刷新をアピールしていくのは有効でしょう。

 後はまぁ、会社の人事や異性からの目線とは裏腹に「自分では若いと思っている」中高年も多いと思います。客観的には年寄りでも自己評価は「若者」、そういう人が「若手」の政治家に共感するという図もあることでしょう。それが現実を直視した政策への誘導に繋がるか、もしくは精神的な満足感を優先した政策を押し上げていくかと言えば──後者になるのが今までの通例ではあります。

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旗頭は変わっても、国民が期待するものは変わらない

2021-11-21 22:35:32 | 政治

第2次岸田内閣支持率63% 維新、立民上回る11%(産経新聞)

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)は13、14両日に合同世論調査を実施した。先の衆院選後、10日に発足した第2次岸田文雄内閣の支持率は63・2%で前回調査(10月9、10両日)と変わらなかった。不支持率は30・7%。首相が意欲を示した憲法改正は55・5%が賛成で反対は33・9%だった。先の衆院選で躍進した日本維新の会が政党支持率を11・7%に伸ばし、野党第一党の立憲民主党(9・0%)を上回った。

 

 さて衆院選を終えた後の世論調査ですが、どのメディア報道でも軒並み維新が支持率を大きく引き上げています。大幅な議席増がイメージアップに繋がったのでしょうか、流行していると知られれば、それに追随することに誇りを感じる人も多いのかも知れません。調査元によって多少のズレはあるものの、全般的な傾向は変わらず、将来的には維新が野党第一党となる可能性も予測されるところです。

 

(耕論)維新、躍進のなぜ 吉富有治さん、菅野志桜里さん、秦正樹さん(朝日新聞)

 小さな政府や、民間への移行、規制緩和という新自由主義的な旗印も、悩ましいところかもしれません。「身を切る改革で財源を満たす」という看板は、もはや説得力に欠けます。だってそれこそ、行財政改革で財源を生むと約束した民主党政権の失敗じゃないですか。国民は賢いので、同じ道は通らない。

 

 そんな維新の伸張には党外からの関心も高いところで、各紙で特集が組まれることも増えてきました。内容はくだらないものが多いですけれど、上記の引用箇所についてはいかがでしょうか。最後の一文を除けば、まさに直視すべき現状を言い表しているようにも思います。(この辺、先々週に書いたことと重複してしまう点はご容赦ください)

 こちらは菅野志桜里──かつては山尾志桜里の名前で民進党の政務調査会長も務め、男性問題で一度は離党した人です。日本の政治家にとっての致命傷は第一に金銭問題であり第二が女性問題というのが常ですが、男性問題で責を問われる政治家が出てくるあたり、亀の歩みではあっても政界の女性進出は進んでいるんだなと感じたことを覚えています。

 結局この人は離党後に再選、そこから立憲民主党に入ったかと思えば再び離党して国民民主党に入党するなど出入りの激しい人生を送ってきたわけですが、先の衆院選では立候補せずと、結局は党から距離が出来たのかも知れません。そして党から距離を置いた分だけ客観視できている、それが上記のコメントではないかと私には思えます。

 実際のところ、維新の会が「今」主張している政策は故・民主党が政権交代を成し遂げる前夜に唱えていたものに近いです。そうした方向性は有権者の期待を大いに集め、民主党は自民党を下野させました。ただ言うまでもなく民主党が有権者に信じさせていた夢が現実のものとなることはなく、似たようなことを唱えていた「みんなの党」が今の維新のように議席を増やすなんてこともあったわけです。

 結局「みんなの党」は消滅してしまいましたが、その理由は内部分裂によるものであって、決して政治的主張が支持を失ったからではありません。かつて民主党が唱え、みんなの党がその意思を引き継ぎ、今は維新が掲げている旗は、小泉純一郎の頃からずっと有権者の心を捉えて放さないものであり、賢くない国民は支持を続けるものでもあります。

 もし維新の会が国政でも与党になったなら、かつての民主党のように国民の失望を招き支持者を失っていくことでしょう。しかし実際に責任政党となるまでは、国民の期待を集め続けるであろうことが予測されます。小泉純一郎の構造改革も、民主党の行財政改革も維新の身を切る改革も、多くの国民は路線の間違いとは思っていません。ただ結果が伴わなかっただけであり、そうなった時に国民は新たな改革の担い手を探すだけです。

 維新の会が党内分裂や金銭問題を連発しなければ、今後も議席を伸ばしていく可能性は高いでしょう。そうしたときに他の政党がどういう行動を取るかは、大いに危惧されるところですね。特に国民民主は非自民・反共の同志として維新と組む姿勢を真っ先に見せていますけれど、選挙前に訴えてきた経済政策からすると距離はあるはず、しかし政策よりも改革姿勢の方が優先度は高そうです。これに続く政党が出るとなれば、与党の政策に累が及ぶこともあるかも知れません。

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意外でも何でもない結果

2021-11-07 22:13:31 | 政治
  自民 公明 立憲 共産 維新 国民 れいわ 諸派・
無所属
選挙前 276 29 109 12 11 8 1 15
選挙後 261 32 96 10 41 11 3 11
94.6% 110.3% 88.1% 83.3% 372.7% 137.5% 300.0% 73.3%

 さて先週の総選挙も無事に終わり、上記の通りの結果となりました。どういうわけか立憲民主党の幹部連中はこの結果が予想外だったようで、枝野が代表の座を降りるという事態に至ったわけです。まぁ昔から、政治に興味を持っているつもりでいるだけの不勉強な人ほど、単純に共産党と民主党の票を合算して(共産が民主に道を譲れば)自民に勝てると夢想する傾向は見られました。枝野も、そういう人の声を真に受けてしまったのかも知れませんね。

 

組合票が行き場失ったと連合会長批判(共同通信)

 立憲民主党最大の支援組織である連合の芳野友子会長は1日の記者会見で、衆院選での立民の不振を受け、共産党との共闘について「連合の組合員の票が行き場を失った。受け入れられない」と批判した。

 

 「野党共闘」の結果、一部の選挙区では自民の有名候補を退けるケースこそ見られたものの、比例区を中心に立民は大きく議席を減らす結果となったわけです。敗因は色々と取り沙汰されていますけれど、自信満々に断言するのは立民の支持母体である連合で、「(共産党との共闘で)連合の組合員の票が行き場を失った」とのこと。連合の影響力はさておき、連合とは無関係で組合員でもない普通の有権者の票にもまた、同じことが言えるのではないでしょうか。

 共産主義とはどんなものか、そして現存する日本共産党の政策はどのようなものか──それについては全くの無知であっても、とにかく「共産」と付くものは絶対に退けなければならない悪であると信じている人は少なくありません。共産党という小さな政党の支持者よりも、反共主義という現役バリバリの思想を奉じている人の方が世間にはずっと多い、それは多少なりとも政治に関心があれば普通に嗅ぎ取れるように思うのですが、野党共闘で盛り上がっていた人は周囲が見えていなかったのでしょう。

 

立民と共産の協力に温度差、出口調査分析…無党派層は維新支持増える(読売新聞)

 立民候補に一本化した選挙区全体では、統一候補は立民支持層の90%、共産支持層の82%を固めた。一方、共産候補に一本化した選挙区全体では、統一候補は共産支持層の80%を固めたのに対し、立民支持層は46%にとどまり、自民候補(20%)、日本維新の会候補(11%)などに票が流れた。立民支持層の共産候補への投票は局所的だったことがうかがえ、両党の協力関係が一枚岩でないことが明らかになった。

 

 なお109⇒96へ立民が議席を減らす中、共産党も12から10へと議席減、単純な比率で見れば最も勢力を弱めたと言えます。統一候補と称しつつ、立民の選挙区とは異なり共産が候補を立てた選挙区では立民支持層が流れ込むとは限らず、そもそも共産党が統一候補になったのは河野・石破・小泉進次郎といった人気者や、安倍・麻生・岸田など総理大臣経験者が対立候補になる勝ち目の薄い選挙区なわけで、まぁ共産党を利するものでなかったことは明らかです。

 共産党側には(自分たちは社民党とは違う、社民党のようにはならないと)驕りがあったと私は見ていますけれど、立民からするとどうでしょうか。共産党の議席減に関しては、案外「計画通り」なのではないかと思います。元より勝ち目のある選挙区で共産党の候補を取り下げさせるだけではなく、あくまで「限定的な閣外協力」と留保を付け(現実味はさておき)政権を取っても関与はさせない姿勢を打ち出すなど、共産党側に恩恵を与えるつもりは皆無であったはずです。

 表面上は選挙協力を装い、共産支持層の票の取り込みを狙う以上は明言できなかったわけですが、共産党の社民党化は立民幹部の狙いの中に入っていたのではないでしょうか。長年、対立してきた共産党だからこそ、社民党のように滅んでくれることが旧民主党勢力からすれば望ましい、そのためには玉木派のようにストレートに対決するのか、枝野派のように取り込みを図るのか、戦術は異なれど狙いは一緒だったと考えられます。

 問題は、共産党を社民党のように消滅させると明言するわけにはいかないことですね。これを言ったら流石に選挙協力も成り立ちません。しかし、共産党との協調を装えば連合を筆頭とする立民の支持層を遠ざけてしまいます。もう少し世間から「選挙協力を続けていれば共産党も社民党と同じ道を辿る」と受け止められていれば、立民は支持層をつなぎ止められていたような気がしますが、そうしたビジョンを支持層と共有することが出来なかったのが敗因の一つでしょうか。

・・・・・

 立民・共産が議席を減らす一方、躍進したのは維新の会でした。大阪では候補を擁立した全ての選挙区で自民党候補に勝利しただけではなく、比例区でも全国に支持を広げ、自民・立民に続く41議席を獲得するに至ったわけです。自民への批判票の受け皿は立民・共産の選挙連合だけではなく、むしろ維新にこそ向かったところがあると考えられます。

 政策面で見ると、維新はある意味で古典的な改革路線の継承者と言えるでしょうか。小泉純一郎を始祖とし、既成の権威を標的に自らを改革者に位置づける振る舞いは、その後に民主党へと引き継がれ、今は維新が担い手となったわけです。「小泉構造改革路線を忠実にやっているのは民主党だ」とは民主党が政権交代を果たした当時の小泉純一郎による言葉ですが、その民主党のポジションに収まったのが維新であると私は思います。

 行政には莫大なムダが積み重なっており、それを削減・改革できれば財源が捻出できる──こうした世界観は今も昔も幅広く受け入れられています。問題は、何かをムダとして叩いたところで経済が疲弊するばかりだったということですね。だから自民も立民も、財政出動路線へと僅かなりとも舵を切ってきたわけです。ただ構造改革路線の誤りを認めず、改革が足りないからだと信じ続ける人もまた多いことが問題になります。

 かつて民主党が政権交代を成し遂げたのは、自民党の低迷もさることながら、当時の民主党が自民よりラディカルな構造改革路線に舵を切っており、それが国民の期待を集めたからでもあります。もちろん民主党の政権交代後、事業仕分けなどのパフォーマンスで河野太郎や国民の喝采を浴びる一方、成果は上がらず徐々に民主党の支持は低下していきました。そうした中、にわかに議席を増やしたのが「みんなの党」であったことは、どれだけ記憶されているでしょうか。

参考、衆院選前に民主党が語ったことを、国民はまだ信じているのかも知れない

 その後「みんなの党」は内部分裂を繰り返して消滅に至るのですが、民主党政権失速後は構造改革路線の継承者として、一時は候補を擁立さえ出来れば必ず勝つという人気ぶりでした。そして維新の源流でもある当時の大阪府知事、橋下徹は「みんなの党の渡辺喜美代表は僕がこうあるべきだと思っていることを進めている。渡辺代表の考えは1から100まで賛成」と賛辞を尽くしていたわけです。

 財政出動ではなく、何かを「ムダ」と見立てて叩いていく、そうした政治姿勢が国民に益をもたらしたことはありませんが、根強く支持を集めてきたものでもあります。この路線の担い手は小泉純一郎から民主党を経て、維新の会が現代における旗手となっているのではないでしょうか。そして、党勢を躍進させている……と。

 この結果は、今後の国政にどう影響を与えるのでしょう。今のところ自公政権は安定多数を確保しており、野党に怯える必要はないかも知れませんが、しかし将来的に議席を奪われていく可能性はあります。時に野党側の主張を取り込み、支持層の拡大に努めることは昔から行われてきましたが、そこで取り込みの対象となるのは「どの」野党の主張でしょうか。

 立民が自民にとっての脅威であるならば、自民が立民の政策を取り込んで自身の手柄にするという未来もあり得ます。しかし立民以上に維新の方が脅威と見なされるのであれば、政策の取り込みが行われるのは維新の方です。支持層が維新へと流出するのを防ぐべく、自民党が維新に政策面で妥協していく可能性は高まることでしょう。

 先に自民党の中で総裁選が行われたわけですが、最も国民からの人気があり、かつ最も財政出動路線からは距離を置いていたのが河野太郎です。岸田内閣が失速し変化が求められるようになったとき、改革路線・ムダ削減路線で維新と張り合えそうな看板が求められるようになったならば、一度は閣僚ポストから追いやったはずの人気者に逆襲を許す、そうして自民党が構造改革路線に回帰する、そんな将来もあり得る気がしますね。

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若者が選挙に行くことで何が変わるのか

2021-10-24 21:41:28 | 政治

「衆議院選挙」とは?超基本情報をわかりやすく説明(All About)

日本は2007年に超高齢社会に突入し、さらに勢いを増してますます高齢化が進んでいます。そうなると、選挙に立候補した人は、人口の割合が大きい高齢者に選んでもらうために、高齢者が喜びそうな政策を掲げます。実際、高齢者の年金や介護の予算は年々増えています。するとその予算を確保するため、働く人が負担する税金が高くなっていきます。

 

 さて来週には早くも衆院総選挙が行われるわけです。そして選挙が近くなる度に目にする定型文が上記の引用ですが、いかがなものでしょうか。こういう言説を無批判に信じている人もいるのかも知れません。しかし本当に今の日本の政策は高齢者寄りなのか、各政党は高齢者の方を向いているのか、少しくらいは考えてみる必要があるように思います。

出典:2021年 衆議院選挙に関する調査 株式会社グリーン・シップ

 こちらはリサーチ会社による世論調査結果です。これを見ると自民党は年代の上昇に伴い支持が落ちていく一方、公明党も含めた他党の支持が概ね伸びていくことが分かります。どの政党も世代による差は見られるのですが、特に立憲民主党は顕著で18/19/20代の投票先として僅かに7.9%しか挙らないにもかかわらず、70歳以上ともなると24.1%と、3倍を超える開きを確認できます。

 もちろん世論調査で「選挙に行く」と回答しても実際には投票しない人が多いように、回答と投票先が一致する保証はありません。とはいえ真逆の結果になるとも考えづらいところで、世論調査結果をベースに見るのであれば、若年層の低い投票率の結果として得をしている政党(立憲民主党)と、損をしている政党(自民党)があることは推測できます。

 ただ「若者が選挙に行かないから高齢者寄りの政治になっている」と主張している人は、与党支持者と野党支持者の双方に偏ることなく存在している印象です。若年層の投票率向上によって自民の票は増え、立憲民主の票は相対的に目減りすると予想されますが、不思議とどちらの党の支持者も若年層の投票率が上がることで自分の思想信条に近い方に世の中が動くと夢見ている節が見受けられるところだったりします。

 こちらも同じリサーチ会社による調査結果ですが、総じて若い世代は「経済政策」への関心が高く、高齢層になると「年金などの社会保障」への期待が高まっていることが分かります。この辺りは世間一般の感覚と一致するところでしょうか。ただ、だからといって投票率が高く人数の多い世代の関心事に各政党がフォーカスしているかと言えば、そこは別問題に見えます。

 もちろん社会保障関連を全くスルーしている主要政党はありませんが、同様に経済政策を語らない主要政党もまた存在しないわけです。各政党が高齢者に選んでもらうために、高齢者が喜びそうな政策を掲げていると、そう信じている人はより大胆な高齢層向けの福祉の切り捨てを政治に期待しているのかも知れません。ただ客観的に見れば、主立った党はどれも若者の関心事に一定の重きは置いていると言えます。

 仮に有権者に占める若者の比率と投票率の双方が高かったとして、それで主要政党が軒並み年金政策は脇に置いて経済政策をメインに語ったとしましょう。しかし現実問題として社会保障費の増額は高齢者の票を目当てに年金を手厚くしたからではなく、単に年金受給者が増えただけ、純然たる自然増の結果でしかありません。むしろ無関心であればこそ、増額が続くことにも繋がります。

 そもそも社会保障政策や経済政策と言っても方向性は様々です。より高所得層の負担を減らす方向の社会保障政策や、ひたすら企業が内部留保を積み増す方向の経済政策だってあるわけです。むしろ高齢者にも、自分が受け取る年金額より年金の財源を気にする人は多い、未就労の若年層だからこそ、労働者側ではなく経営側の利益に感情移入している人もまた多いことでしょう。

 結局のところ、今の政治が高齢者の方を向いている──と言い募るのは、自身の思想信条と政府与党のやることが一致しないことへの苛立ちを、高齢者を犯人に仕立て上げることで晴らそうとしているだけでしかありません。自分が異性にモテないのは異性の側に問題があるからだ、そう考えるような類と似たようなものです。

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政界の与党と労組の与党

2021-10-17 21:51:24 | 政治

 さて先月末には政界の与党である自民党の新総裁が誕生したわけですが、今月の初めには労組の世界の与党である連合でも新会長が選ばれました。自民党総裁選の場合、多少なりとも主張の異なる候補者が政策を訴え、比重は低いながらも党員の投票まで行われたのは周知の通りです。一方で連合会長は、候補者が政策を競うこともなければ組合員に投票させることもなく代表者が決められるものだったりします。

 まぁ(連合からはじき出されている少数派組合は知りませんが)労組の世界は基本的に無謬説で成り立っており、トップの政策は無条件で正しく議論の余地などないことになっています。ゆえに組織内の選挙で争う必要も投票で当落を決める必要もありません。そして参加の労組は「上」の労組が決めた指令に粛々と従っていれば正しい道を歩める、と。

 こう書くと労組が悪者のように見えますが、普通の民間企業も同じです。会社の代表取締役を選ぶのに複数候補者が経営方針を競い合って、それで従業員からも票を募って当落を決めたりはしません。会社も労組も上に立つ人間を決める方法は同じ、誰がトップになるかは偉い人の間で決め、上長が決めたことに部下は従うことが求められる、そういうものです。

 ただ労組のあり方として、企業に近い方が良いのか政党に近い方が良いのか、という議論はあってもおかしくない気がします。事実上の総理大臣を決める自民党総裁選の行方が日本国内の居住者の命運を左右するように、労組の世界の長が誰になるかも労働者にとって決して無関係ではありません。連合が、せめて自民党くらいに民主的な形で会長を決めるような組織であってくれたらな、と思うところです。

 

連合新会長の芳野氏 「共産の閣外協力あり得ない」 立憲に不快感(毎日新聞)

 新たに就任した連合の芳野友子会長は7日、東京都内で記者会見し、立憲民主、共産両党が政権交代時に共産による「限定的な閣外からの協力」で合意したことに対し、「連合はこれまでも共産の閣外協力はあり得ないと主張している」と述べ、共産と協力する立憲に不快感を示した。連合は労働運動を巡り、歴史的に共産と対立しており、立憲は次期衆院選に向けて最大の支持団体との連携に不安を抱えることになる。

 芳野氏は連合が推薦する立憲の候補予定者の活動について、「現場では選対にも共産党(関係者)が入り込んで、立憲、共産両党の合意をたてに、さらなる共産党政策をねじ込もうとする動きがある。立憲には混乱がないよう選対をしっかりコントロールしてほしい」とも指摘。今後、立憲の枝野幸男代表と初めて面会した際に直接申し入れる考えも示した。

 

 ともあれ新たに就任した連合会長ですが、主張に関しては従来の連合の路線を堅持するであろうことが窺われます。昔から政治に疎い人ほど、共産党が民主党に選挙協力すれば自民党に勝てる!みたいな妄想を抱きがちだったわけですが、そもそも連合とは労使協調の邪魔になる共産党系の労組を排除する形で結成されたものであり、これを支持母体とする民主党系諸派と共産党との連携が一筋縄でいかないことくらいは理解しておくべきでしょう。

 ただ民進党時代までは旧民主系勢力も反共が基調であったものの、それが合流を目指した小池百合子グループに拒絶されたあたりで潮目が変わったところはあると言えます。小池百合子が作った「希望の党」に合流し政策的に距離の近い支持層の獲得を目論んだ民進党議員の多くが排除され行き場を失う中、共産党から票を受け取ることに否定的ではない枝野一派が巻き返しを図り、政策はさておき選挙戦略には大きな変化が生まれたわけです。

 立憲民主党にとって、共産党に道を譲らせるメリットと、民主支持層の中にも少なくない反共主義者や支持母体である連合との間に溝が出来るデメリット、どちらが大きいかは一概に言えないところです。一方の共産党からすれば、専ら民主のために候補を取り下げるばかりであって、これを続けていけばいずれは社民党と同様に滅びへの道を進むほかないことは明白でしょう。

 もっとも共産党からすれば、自分たちは社民党とは違う、社民党のようにはならない、社民党と違って賢く立ち回れると、そんな驕りもあるのかも知れません。まぁ、社民党よりもアンチが多い分だけ存在感は残せるような気はします。あるいは外敵の存在が内部の結束を高めるようなもので、「自民憎し」のあまり党の利益よりも自民党の不利益を追及した結果の可能性も考えられます。

 ただもう一つの可能性として、自民党だけではなく連合もまた共産党のターゲットなのかも知れません。今までは無条件に近かった民主系勢力と連合の支援関係が共産党の侵入によって崩されるのなら、それは一定の意義があるように思います。そもそも共産党が対立してきたのは自民党だけではなく労使協調路線の連合でもあるわけで、ここに揺さぶりをかけるのは党の戦略として正しいですから。

 民主党政権が終わって第二次安倍内閣が始まると、政府による春闘への口出しが始まりました。結果は胸を張れるほどではないながら、前政権時代よりも少しだけ多めに賃金が上がるようになったわけです。これに対する連合のコメントとしては「政権への親和性が強い企業の動きだ」「労働条件の改善は労使自治で決めるのが基本だ」云々が伝えられています。

 民主党政権の経済政策は、政府による介入の少ない──つまりは市場原理主義的なものでした。こうなった理由の一つとして、支持母体である連合への配慮もあったのではないでしょうか。「労使自治」による決定を連合が求めている以上、民主党政権は(安倍政権のような)介入は行わないのが基本姿勢になる、政府として賃上げは求めず、あくまで連合の「自治」に任せる形となったわけです。

 こうした連合との間に距離が出来るのであれば、それは民主党の政策面にも良い影響を与えることでしょう。政治の世界は自民一強と言われながらも稀に与党が変わることもありますし、自民党支配の中でも路線の異なる政治家が台頭することもあります。一方で労組の世界には政権交代も路線変更もありません。しかし共産党がくさびとなって労組の世界を揺るがすならば、それは停滞する現状を変える要素になるのではないでしょうかね。

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人気者は、大体が地雷

2021-09-26 21:48:33 | 政治

立憲が外交・安保政策を発表 日米同盟を軸、辺野古新基地建設は中止(朝日新聞)

 立憲民主党の枝野幸男代表は24日、次期衆院選の公約第5弾となる外交・安全保障政策について発表した。「平和を守るための現実的外交」と題し、日米同盟を基軸とした外交・安保を掲げた。沖縄県名護市辺野古での米軍の新基地建設は中止し、沖縄における基地のあり方を見直すため、米国との交渉を開始することを盛り込んだ。

 

 かつて民主党は沖縄の米軍基地を「最低でも県外」に移設させると主張して政権を奪取したことがあります。もっとも与党の座についた後は早々に県外移設案を放棄、辺野古移設が進められることとなったわけです。そんな民主党政権の残党が集う立憲民主党では公約第5弾として辺野古での新基地建設は中止などと掲げるそうですが、いかがなものでしょうか。

 消費税率10%への引き上げは民主党政権で決定され、安倍内閣時代も覆されることはありませんでした。普天間基地の辺野古移設は自民党政権下で決定され、民主党政権時代も結局は覆ることがなかったわけです。そして今、立憲民主党は消費税率の一時引き下げや辺野古移設の中止を訴えています。

 「決定した」政権と「覆さなかった」政権のどちらが非難に値するのか、いずれにせよ民主党政権の中核メンバーであった枝野に当時の責任がないとは言えないでしょう。消費税の問題にせよ辺野古移設の問題にせよ、立憲民主党の所属議員たちが与党の一員であった当時に何をしてきたかは、無視されるべきではないはずです。しかるに、委細構わず立憲民主党を支持してしまうような人もいるわけで、それはまた民主党以上に問題の根が深いと感じますね……

 

河野太郎の「まるで野党」な政策を支える軍師2人 「異色・経産官僚」と「内閣府の政策参与」(デイリー新潮)

 自民党総裁選を有利に進めるとされる河野太郎行政・規制改革担当相(58)。脱原発などのエネルギー政策、年金改革など、目玉政策を後押しする2人の参謀がいる。経産省をはじめとする霞ヶ関の省庁幹部は、その存在に警戒を強めているという。

 参謀の1人めが、内閣府の政策参与でシンクタンク「構想日本」の伊藤伸・統括ディレクター(43)。河野氏の出馬会見にも顔を見せていた。昨年10月から河野氏に請われ、内閣府政策参与となった。

(中略)

 伊藤氏は毎日新聞(2020.12.17)の「ひと」欄に登場し、こう紹介されている。

〈大学卒業後、国会議員秘書をしながら構想日本の事業仕分けを手伝ううちに、住民や有識者が地方自治体の個々の事業を点検し、無駄や改善を議論する手法に魅力を感じた。構想日本の常勤スタッフに転じ、民主党政権で内閣府参事官に起用された〉

〈手がけた事業仕分けは、丁々発止の公開議論が注目を集めた。当時野党議員として視察した河野太郎氏は「うらやましい」と感想を語った〉

 18日に行われた総裁選の公開討論会では河野氏の持論である「全額税方式による最低保障年金の創設案」をめぐって、財源や、そのために必要となる消費増税アップ率を問う声が相次いだ。

「最低保障年金創設を中心とする改革案については河野さんの持論で、民主党政権時代に枝野さん(幸男・現民主党代表)などと共に発表したものです。民主党政権時代といえば事業仕分け、つまり伊藤さんの存在とつながってくるので、霞ヶ関の省庁幹部は警戒を強めていると聞きます」(同)

 

 さて人気では他の総裁候補を圧倒する河野太郎ですが、元は民主党政権の内閣府参事官であった人を参謀役にしているそうです。この民主党の事業仕分けを指した「うらやましい」発言については私も過去に取り上げたことがありますが、もとより事業仕分けは河野太郎が始めて、それを民主党が引き継いだものでもあります。河野太郎が民主党寄りであるよりも先に、民主党が河野太郎寄りであったのかも知れません。

参考、河野太郎と小池百合子のカイカク観

 「小泉構造改革路線を忠実にやっているのは民主党だ」と、小泉純一郎は語りました。安倍晋三に言わせれば民主党政権は「悪夢」とのことでしたが、自民党内にも民主党の理解者がいなかったわけではないことが分かります。河野太郎に小泉純一郎、議員票では弱いけれど党員票には強く、国民からの人気も高い両者がともに民主党政治に肯定的であったのは興味深いところです。

 

河野氏、同性婚と選択的夫婦別姓に賛成(日本経済新聞)

年金制度の改革に言及し「年金に最低保障が必要だ」と表明した。財源は「消費税がいいのではないか」と語り、保険料ではなく税方式で最低保障年金を検討すべきだと主張した。

河野氏はいまの年金制度について「全世代ベーシックインカムというところまでいっていない。年金の部分で最低保障がやはり必要だ」と強調した。財源について「消費税であれば応分に能力のある人が負担していただける」と説明した。

 

 そして年金の最低保証が必要なのは今に始まったことではありませんけれど、財源として河野太郎は消費税を挙げています。もとより消費税増税の口実は一貫して社会保障目的(実際に使われるものではないのはさておき)でしたので、この辺は今までと変わらないとも言えます。しかし「消費税であれば応分に能力のある人が負担していただける」との行はどうでしょう?

 逆進性の強い消費税は、社会保障とは最も相性が悪いものでもあります。一応は消費に回す額の多い人が多くを納税することになりますけれど、それが「応分に能力のある人」に該当するかは疑わしいところです。金持ちでも蓄財が趣味で消費は最低限、納税額の少なくなる人もいれば、低所得世帯でも家庭の事情で出費がかさみ納税額も大きくなる人もいますし、所得に占める納税額の割合ともなればなおさら逆進性は強まりますから。

 他にも河野太郎は、企業が社員の賃金を上げれば法人税の減税をするとも語っているそうです。賃上げにインセンティブを持たせること自体は悪くありませんが、法人税課税の対象は大半が黒字部分です。そして国税庁によると赤字法人は2019年時点で65.4%だそうで、およそ3分の2の法人は減税の影響を受けません。法人税減税を梃子にした賃上げは、影響範囲があまりに小さすぎます。

 率直に言って河野太郎には税の知識が致命的に不足しているようにも見えますが、支持者にとってはどうなのでしょうか。小泉純一郎に民主党、河野太郎と、「自民党をぶっ壊す」とばかりに改革の旗を掲げておけば、それを讃える人は少なくないわけです。結局のところ中身はあまり関係なくて、それらしい雰囲気を作って世の中を盛り上げることさえ出来れば、地位を得るには十分なのかも知れませんね。

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民主党の辞書に反省の文字はない

2021-09-19 22:50:27 | 政治

 さて事実上の次期総理大臣を決める自民党総裁選が始まったわけですが、私の会社の御用組合でも選挙期間中だったりします。もっとも組合の選挙はいつも定員数=立候補者数ですので政策?論争も何もありません。労使協調・反共・民主党支持という永遠に不変の三本柱の下、誰もが同じ方向を向いている連合ワールドは今日も平和です。

 

立憲、アベノミクスの検証開始 負の側面への指摘で総裁選に対抗(朝日新聞)

 会合には、アベノミクスに批判的な経済学者の金子勝・慶大名誉教授が出席。約1時間にわたり議論を交わした。会合後、記者団の取材に応じた江田憲司代表代行は「先進国では日本だけ賃金が下がっている。だから消費も伸びないし成長もしない。そこにメスを入れる」と話した。

 自民党の総裁選が注目を集めるなか、アベノミクスを検証し、負の側面を指摘することで対抗する狙いがある。枝野氏は12日のインターネット番組で、「総裁候補は安倍政権と本当に違うことができるのか、アベノミクスの『罪の部分』を否定できるのか」と牽制(けんせい)した。

 

 そして一応の野党第一党である立憲民主党界隈でも、この機に存在感をアピールすべく色々と取り組んでいることが伝えられています。しかるに検証と称しつつ、朝日新聞すらも「負の側面を指摘することで対抗する狙い」と伝えるなど、初めから結論ありきの検証であろうことは誰の目にも明らかです。頭の中ではとっくに結論が出ているのに考慮するふりをする、そういう人には嫌悪感を抱くばかりなのですけれど、政府与党への支持が薄らいでも野党への支持には必ずしも繋がっていない理由を、民主党幹部はどう受け止めているのでしょうか。

 

立憲が公約第2弾発表 夫婦別姓・LGBTなど自民との対立鮮明に(朝日新聞)

 第2弾として発表した政策には、多様性や人権に重点を置いた5項目を盛り込んだ。選択的夫婦別姓制度を早期に実現▽LGBT平等法の制定/同性婚を可能とする法制度の実現を目指す▽DV対策や性暴力被害者支援など、困難を抱える女性への支援を充実▽インターネット上の誹謗(ひぼう)中傷を含む、性別・・民族・障がい・国籍、あらゆる差別の解消と国内人権機関の設置▽入国管理制度を抜本的に見直し、多文化共生の取り組みを進める。

 

 自身の党の価値を訴えるつもりがあるのなら、むしろ民主党政権時代の政策を検証した方が良いような気がします。2009年から2012年まで与党であった民主党からは看板を掛け替えたので過去の総括は不要と民主党支持層は考えているのかも知れませんが、本物の無党派層はもう少し昔のことを覚えている、それが今の支持率に表れているわけです。

 確かに旧民主党は夫婦別姓を含む民法改正案を国会に提出し、否決された過去があります。しかし政権交代が現実的となった2009年、突如として選択的夫婦別姓導入をマニフェストから削除、自民党を追い落として政権交代を成し遂げた後は夫婦別姓に触れることはなく、何ら進展を見せないまま自民党への禅譲で終わりました。なぜ民主党は与党時代に夫婦別姓を避けたのか、その検証こそ求められるべきでしょう。

 あるいは民族や国籍などあらゆる差別の解消をも訴えているそうですが、では民主党政権時代に高等教育無償化の対象から朝鮮学校を除外したことは、どう説明するのでしょうか。どうせ政権に返り咲くことはないのだから考える必要はないと、そう党内では扱われているのかも知れません。重要なのは、自民と対立するポーズを取ることですから!

 

野党4党、市民連合と政策合意 「コロナ禍に乗じた憲法改悪に反対」(朝日新聞)

 政策の柱は、①憲法②コロナ対策③格差是正④エネルギー⑤ジェンダー平等⑥行政の透明化の6項目。具体的には、安保法制、特定秘密保護法、共謀罪法などの違憲部分を廃止し、コロナ禍に乗じた憲法改悪に反対する。消費税減税や富裕層の負担強化など公平な税制を実現する。また、原発のない脱炭素社会や選択的夫婦別姓の実現、森友・加計問題、桜を見る会など疑惑の真相解明などが盛り込まれた。衆院選で4党が掲げる政策の土台となる。

 

 挙げ句の果てには、これです。故・民主党政権は女性閣僚の少ない内閣でもありましたが、ジェンダー平等とはどう折り合いを付けるのでしょうか。そして消費税増税を決めたのも民主党政権でしたが、自分たちが引き上げた消費税の減税に政策合意するとは、いったいどういう神経をしているのか首を傾げるほかありません。民主党議員と支持者の間では、何もかも安倍が悪いで済む話なのでしょうか……

 もし公約として、消費税増税を決めた当時の首相と経産相を国会に証人喚問し、誤った判断を下した責任を徹底追求することを掲げるなら、多少は本気も感じられるところです。しかるに消費税増税を決めた当時の主要メンバーが中核に居座っているのが立憲民主党という看板を変えただけの民主党なわけで、何も反省していないことがよく分かります。結局、悪いものは全て安倍のせい、自民のせい、それで証明完了なのかも知れません。

 「先進国では日本だけ賃金が下がっている。だから消費も伸びないし成長もしない。」と、江田憲司代表代行が述べたと伝えられています。それ自体は正しいですが、民主党政権時代の賃金の伸びは、安倍内閣時代のそれを下回るものでした。アベノミクスが良いものであったとは言いませんけれど、民主党政権の経済政策に比べればマシというのが客観的評価でしょう。そういう結論に至れるのなら、民主党の「検証」にも価値はありますが、そうでないならば民主党は自画自賛と自民党批判だけの非生産的な存在としか呼べませんね。

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評価と実績は別問題

2021-09-12 22:27:52 | 政治

甘利氏「ワクチン迷走といわれた担当相の評価が上がるとは」 総裁選で河野氏に皮肉(産経新聞)

 自民党の甘利明税調会長は6日、国会内で講演し、党総裁選(29日投開票)への出馬の意向を示している河野太郎ワクチン担当相について、「菅義偉(すが・よしひで)首相がダメだとたたかれた一番の原因が新型コロナウイルスワクチンの迷走と言われ、それでワクチン担当相の評価が上がるってどういう構図になっているのか良く分からない。半分くらいは菅首相に分けてやったら」と皮肉混じりに語った。

 

 日本国内のワクチン接種ですが、実際のところどうなのでしょうか。動き出しは遅くオリンピック期間には完全に間に合いませんでしたが、公表されるデータを見る限り摂取率自体は順調に伸びていることになっています。ただ自分は9月に入って自衛隊の集団接種が40歳以上を締め切った後も予約受付すら始まらないハズレの自治体に住んでいますので、どうにも上手くいっていないような印象を拭うことが出来ません。

 まぁ真っ当な自治体に住んでいれば、事情は違うのでしょう。ワクチン接種の地域格差にはもう少し注目されて欲しい気もするところですが、あまり話題にはなっていないような気がします。隣接する自治体の全てにワクチン接種の予約受付開始で後れを取ったとあらば、議会で市長が槍玉に挙げられていたとしても不思議ではないですけれど、どうにも自民と民主双方の会派との関係は悪くないようで……

 それはさておき、このワクチン接種の進捗あるいは遅れは、誰の責となるのでしょうか。ワクチン接種を巡る混乱は政府の支持率低下の一因ともなっているわけですが、それでいて河野ワクチン担当相の評価だけが上がっているとすれば、それは理不尽な話に違いありません。でもまぁ、そういう人っていますよね。複数の社員で対応したのに、一人だけ賞賛される人、評価される人は皆様の職場にもいると思います。

 いわゆる「プロ経営者」の類には行く先々で業績を悪化させてきた負の実績の持ち主も少なくありません。それでも別の会社から請われて社長に就任する等々、自らの評価を高めることには成功している人も多いわけです。往々にして業務遂行能力と評価を得るための能力は一致しないと言いますか、組織の足を引っ張って昇進する人もいれば組織を支えてきたのにリストラの標的にされる人もいる、世の中そういうものなのでしょう。

 いずれにせよ河野ワクチン担当相は菅内閣の一員として仕事をしてきたのであって何もかも一人で担当してきたのでもなければ、菅内閣とは異なる独自路線でやってきたのでもありません。ならばワクチン接種を巡る評価は菅も河野も同程度であって良さそうな気はします。そうならずに一方だけが評価を高めるなれば、それは他人の手柄を自分のものにする能力に長けた人間であることを証明するものなんだろうな、と思いますね。

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野党共闘

2021-09-12 22:21:53 | 政治

三重県知事選 一見勝之氏が当選確実(毎日新聞)

 衆院選への立候補を表明した鈴木英敬知事の辞職に伴う三重県知事選は12日投開票され、無所属新人で元国土交通省自動車局長の一見勝之氏(58)=自民、立憲、公明、国民推薦=が、元県議の岡野恵美氏(69)=共産推薦=と建設会社社長の石川剛氏(47)の無所属新人2氏を破って当選を確実にした。

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