非国民通信

ノーモア・コイズミ

シリアルな話

2021-11-28 23:04:24 | 編集雑記・小ネタ

 若い頃はさておき、現在は調理に手間をかけるような気力もなく朝はシリアルで済ますことが多い私ですが、皆様の朝食はいかがでしょうか? 王道のコーンの他に玄米や各種の麦を使ったシリアルも多く流通するところですけれど、結局のところ食物繊維はまだしもビタミンやミネラルは別に添加されているもの次第であることを鑑みれば、芋ベースのシリアルがあっても良さそうなものだな、と思ったりします。

 素材もそうですが、味もどうなのでしょう。シンプルな砂糖の他にチョコレート味なりドライフルーツを混ぜたものなり色々とありますけれど、結局はどれも甘い系統ですよね? コーンフレークの発明者であるケロッグ兄弟が砂糖の添加を巡り骨肉の争いを繰り広げたことは割と有名ですが、そもそも甘味以外の選択肢はなかったのかという気がしないでもありません。

 つまりシリアルにも塩味があっても不思議ではないですし、バーベキュー味やコンソメ味、コンポタージュ味があってもいいと思うわけです。コーンフレークであればメキシカンタコス味やチーズ味あたりは、食べ始めてみればすんなり受け入れられるのではないでしょうか。玄米フレークであれば味噌味や出汁醤油味に鶏五目味など、取り合わせが良さそうなものはいくらでも思いつきます。

 まぁ、日本人の食生活にとって最大のリスク要因は塩分過多ですので、シリアルに甘口しか存在しないのは健康面を考えれば良いことなのかも知れません。時代とともに多種多様な健康食が流行しては廃れていった中でも減塩だけは流行ったことがないと言われるくらいですから、今以上に食塩の摂取量が増えそうなレパートリーを増やすのは良くないことなのでしょう。

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旗頭は変わっても、国民が期待するものは変わらない

2021-11-21 22:35:32 | 政治・国際

第2次岸田内閣支持率63% 維新、立民上回る11%(産経新聞)

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)は13、14両日に合同世論調査を実施した。先の衆院選後、10日に発足した第2次岸田文雄内閣の支持率は63・2%で前回調査(10月9、10両日)と変わらなかった。不支持率は30・7%。首相が意欲を示した憲法改正は55・5%が賛成で反対は33・9%だった。先の衆院選で躍進した日本維新の会が政党支持率を11・7%に伸ばし、野党第一党の立憲民主党(9・0%)を上回った。

 

 さて衆院選を終えた後の世論調査ですが、どのメディア報道でも軒並み維新が支持率を大きく引き上げています。大幅な議席増がイメージアップに繋がったのでしょうか、流行していると知られれば、それに追随することに誇りを感じる人も多いのかも知れません。調査元によって多少のズレはあるものの、全般的な傾向は変わらず、将来的には維新が野党第一党となる可能性も予測されるところです。

 

(耕論)維新、躍進のなぜ 吉富有治さん、菅野志桜里さん、秦正樹さん(朝日新聞)

 小さな政府や、民間への移行、規制緩和という新自由主義的な旗印も、悩ましいところかもしれません。「身を切る改革で財源を満たす」という看板は、もはや説得力に欠けます。だってそれこそ、行財政改革で財源を生むと約束した民主党政権の失敗じゃないですか。国民は賢いので、同じ道は通らない。

 

 そんな維新の伸張には党外からの関心も高いところで、各紙で特集が組まれることも増えてきました。内容はくだらないものが多いですけれど、上記の引用箇所についてはいかがでしょうか。最後の一文を除けば、まさに直視すべき現状を言い表しているようにも思います。(この辺、先々週に書いたことと重複してしまう点はご容赦ください)

 こちらは菅野志桜里──かつては山尾志桜里の名前で民進党の政務調査会長も務め、男性問題で一度は離党した人です。日本の政治家にとっての致命傷は第一に金銭問題であり第二が女性問題というのが常ですが、男性問題で責を問われる政治家が出てくるあたり、亀の歩みではあっても政界の女性進出は進んでいるんだなと感じたことを覚えています。

 結局この人は離党後に再選、そこから立憲民主党に入ったかと思えば再び離党して国民民主党に入党するなど出入りの激しい人生を送ってきたわけですが、先の衆院選では立候補せずと、結局は党から距離が出来たのかも知れません。そして党から距離を置いた分だけ客観視できている、それが上記のコメントではないかと私には思えます。

 実際のところ、維新の会が「今」主張している政策は故・民主党が政権交代を成し遂げる前夜に唱えていたものに近いです。そうした方向性は有権者の期待を大いに集め、民主党は自民党を下野させました。ただ言うまでもなく民主党が有権者に信じさせていた夢が現実のものとなることはなく、似たようなことを唱えていた「みんなの党」が今の維新のように議席を増やすなんてこともあったわけです。

 結局「みんなの党」は消滅してしまいましたが、その理由は内部分裂によるものであって、決して政治的主張が支持を失ったからではありません。かつて民主党が唱え、みんなの党がその意思を引き継ぎ、今は維新が掲げている旗は、小泉純一郎の頃からずっと有権者の心を捉えて放さないものであり、賢くない国民は支持を続けるものでもあります。

 もし維新の会が国政でも与党になったなら、かつての民主党のように国民の失望を招き支持者を失っていくことでしょう。しかし実際に責任政党となるまでは、国民の期待を集め続けるであろうことが予測されます。小泉純一郎の構造改革も、民主党の行財政改革も維新の身を切る改革も、多くの国民は路線の間違いとは思っていません。ただ結果が伴わなかっただけであり、そうなった時に国民は新たな改革の担い手を探すだけです。

 維新の会が党内分裂や金銭問題を連発しなければ、今後も議席を伸ばしていく可能性は高いでしょう。そうしたときに他の政党がどういう行動を取るかは、大いに危惧されるところですね。特に国民民主は非自民・反共の同志として維新と組む姿勢を真っ先に見せていますけれど、選挙前に訴えてきた経済政策からすると距離はあるはず、しかし政策よりも改革姿勢の方が優先度は高そうです。これに続く政党が出るとなれば、与党の政策に累が及ぶこともあるかも知れません。

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需要の問題

2021-11-14 23:00:13 | 雇用・経済

 少し前の話ですが、サントリーの社長が「45歳定年制」を主張して物議を醸しました。まぁ会社なんてのは性風俗産業の類と似たようなもの、年を取った人は嫌われ、若い人が求められるわけです。堅物を装った企業も水商売も価値観は同じ、ちやほやされるのは若い間だけ、年を取って放り出されるのが嫌なら経営側に回れということなのでしょう。

 会社の経営者もキャバクラの店長も、年増を追い出して若い人に置き換えたいと共通の望みを抱えているところですが、その一方で「若い人がすぐに会社を辞めてしまう」との嘆きも頻繁に耳にします。厚労省の調査によれば、若年層の3年以内の離職率は全体で3割超、従業員が30人未満の零細企業に至っては半分以上が離職するそうで、これもまた経営側の悩みの種のようです。

 なぜ若者は会社を辞めるのでしょうか。理由の一つは、市場の需要によるものです。つまり日本の会社は年齢を重視して人を採用するわけで、すなわち若いほど転職にも有利であることから、若者には「今の会社を辞めて、別の会社に移る」という選択肢があります。他社が欲しがる若い人材ほど、当然ながら転職のために今の会社を辞める理由が強まる、若年層の雇用が流動化するのは自明のことですね。

 一方、敢えて年増を採用しようとする会社は多くありません。中高年社員は若手と違って他社からの需要がないわけです。そうすると当たり前ですが、中高年社員には「他社に移る」という選択肢がない、「今の会社に残る」しかなくなります。経営側がどれほど中高年を就職市場に供給しようと努めても、それに釣り合う需要がないのですから必然の帰結です。

 そこでサントリーが自らリーダーシップを取って日本的経営を変えていこうとするならば、どうすべきでしょうか。一つは今年で62歳になる新浪剛史社長が若者にポストを譲り、介護や清掃、警備など高齢者向けの求人が多い業界へ転職して自ら範を示すのが市場の需給を満たす良い手であると言えます。これなら有言実行、誰も文句は付けられません。

 もう一つ考えるとしたら、サントリーが採用基準を変えることですね。若者の採用は中止し、採用は原則として45歳以上とすれば、今の会社を辞めてサントリーに転職することを考える中高年も出てくることでしょう。そして他社もまたサントリーに倣って採用基準を変え45歳以上を優先的に採用するともなれば、必然的に中高年の雇用は流動化します。

 少子高齢化ばかりが世界トップクラスに信仰する日本において、45歳以上の人間が軒並み経営者になってしまえば、それを支える若者の負担もまた増すばかりです。中高年には経営者ではなく、労働者として現場で働いてもらわなければ社会を持続させることが出来ません。そのためには、サントリーの社長に代表されるようなキャバクラ型の価値観ではなく、中高年をいかに活用できるかという知恵の方が求められると言えます。

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意外でも何でもない結果

2021-11-07 22:13:31 | 政治・国際
  自民 公明 立憲 共産 維新 国民 れいわ 諸派・
無所属
選挙前 276 29 109 12 11 8 1 15
選挙後 261 32 96 10 41 11 3 11
94.6% 110.3% 88.1% 83.3% 372.7% 137.5% 300.0% 73.3%

 さて先週の総選挙も無事に終わり、上記の通りの結果となりました。どういうわけか立憲民主党の幹部連中はこの結果が予想外だったようで、枝野が代表の座を降りるという事態に至ったわけです。まぁ昔から、政治に興味を持っているつもりでいるだけの不勉強な人ほど、単純に共産党と民主党の票を合算して(共産が民主に道を譲れば)自民に勝てると夢想する傾向は見られました。枝野も、そういう人の声を真に受けてしまったのかも知れませんね。

 

組合票が行き場失ったと連合会長批判(共同通信)

 立憲民主党最大の支援組織である連合の芳野友子会長は1日の記者会見で、衆院選での立民の不振を受け、共産党との共闘について「連合の組合員の票が行き場を失った。受け入れられない」と批判した。

 

 「野党共闘」の結果、一部の選挙区では自民の有名候補を退けるケースこそ見られたものの、比例区を中心に立民は大きく議席を減らす結果となったわけです。敗因は色々と取り沙汰されていますけれど、自信満々に断言するのは立民の支持母体である連合で、「(共産党との共闘で)連合の組合員の票が行き場を失った」とのこと。連合の影響力はさておき、連合とは無関係で組合員でもない普通の有権者の票にもまた、同じことが言えるのではないでしょうか。

 共産主義とはどんなものか、そして現存する日本共産党の政策はどのようなものか──それについては全くの無知であっても、とにかく「共産」と付くものは絶対に退けなければならない悪であると信じている人は少なくありません。共産党という小さな政党の支持者よりも、反共主義という現役バリバリの思想を奉じている人の方が世間にはずっと多い、それは多少なりとも政治に関心があれば普通に嗅ぎ取れるように思うのですが、野党共闘で盛り上がっていた人は周囲が見えていなかったのでしょう。

 

立民と共産の協力に温度差、出口調査分析…無党派層は維新支持増える(読売新聞)

 立民候補に一本化した選挙区全体では、統一候補は立民支持層の90%、共産支持層の82%を固めた。一方、共産候補に一本化した選挙区全体では、統一候補は共産支持層の80%を固めたのに対し、立民支持層は46%にとどまり、自民候補(20%)、日本維新の会候補(11%)などに票が流れた。立民支持層の共産候補への投票は局所的だったことがうかがえ、両党の協力関係が一枚岩でないことが明らかになった。

 

 なお109⇒96へ立民が議席を減らす中、共産党も12から10へと議席減、単純な比率で見れば最も勢力を弱めたと言えます。統一候補と称しつつ、立民の選挙区とは異なり共産が候補を立てた選挙区では立民支持層が流れ込むとは限らず、そもそも共産党が統一候補になったのは河野・石破・小泉進次郎といった人気者や、安倍・麻生・岸田など総理大臣経験者が対立候補になる勝ち目の薄い選挙区なわけで、まぁ共産党を利するものでなかったことは明らかです。

 共産党側には(自分たちは社民党とは違う、社民党のようにはならないと)驕りがあったと私は見ていますけれど、立民からするとどうでしょうか。共産党の議席減に関しては、案外「計画通り」なのではないかと思います。元より勝ち目のある選挙区で共産党の候補を取り下げさせるだけではなく、あくまで「限定的な閣外協力」と留保を付け(現実味はさておき)政権を取っても関与はさせない姿勢を打ち出すなど、共産党側に恩恵を与えるつもりは皆無であったはずです。

 表面上は選挙協力を装い、共産支持層の票の取り込みを狙う以上は明言できなかったわけですが、共産党の社民党化は立民幹部の狙いの中に入っていたのではないでしょうか。長年、対立してきた共産党だからこそ、社民党のように滅んでくれることが旧民主党勢力からすれば望ましい、そのためには玉木派のようにストレートに対決するのか、枝野派のように取り込みを図るのか、戦術は異なれど狙いは一緒だったと考えられます。

 問題は、共産党を社民党のように消滅させると明言するわけにはいかないことですね。これを言ったら流石に選挙協力も成り立ちません。しかし、共産党との協調を装えば連合を筆頭とする立民の支持層を遠ざけてしまいます。もう少し世間から「選挙協力を続けていれば共産党も社民党と同じ道を辿る」と受け止められていれば、立民は支持層をつなぎ止められていたような気がしますが、そうしたビジョンを支持層と共有することが出来なかったのが敗因の一つでしょうか。

・・・・・

 立民・共産が議席を減らす一方、躍進したのは維新の会でした。大阪では候補を擁立した全ての選挙区で自民党候補に勝利しただけではなく、比例区でも全国に支持を広げ、自民・立民に続く41議席を獲得するに至ったわけです。自民への批判票の受け皿は立民・共産の選挙連合だけではなく、むしろ維新にこそ向かったところがあると考えられます。

 政策面で見ると、維新はある意味で古典的な改革路線の継承者と言えるでしょうか。小泉純一郎を始祖とし、既成の権威を標的に自らを改革者に位置づける振る舞いは、その後に民主党へと引き継がれ、今は維新が担い手となったわけです。「小泉構造改革路線を忠実にやっているのは民主党だ」とは民主党が政権交代を果たした当時の小泉純一郎による言葉ですが、その民主党のポジションに収まったのが維新であると私は思います。

 行政には莫大なムダが積み重なっており、それを削減・改革できれば財源が捻出できる──こうした世界観は今も昔も幅広く受け入れられています。問題は、何かをムダとして叩いたところで経済が疲弊するばかりだったということですね。だから自民も立民も、財政出動路線へと僅かなりとも舵を切ってきたわけです。ただ構造改革路線の誤りを認めず、改革が足りないからだと信じ続ける人もまた多いことが問題になります。

 かつて民主党が政権交代を成し遂げたのは、自民党の低迷もさることながら、当時の民主党が自民よりラディカルな構造改革路線に舵を切っており、それが国民の期待を集めたからでもあります。もちろん民主党の政権交代後、事業仕分けなどのパフォーマンスで河野太郎や国民の喝采を浴びる一方、成果は上がらず徐々に民主党の支持は低下していきました。そうした中、にわかに議席を増やしたのが「みんなの党」であったことは、どれだけ記憶されているでしょうか。

参考、衆院選前に民主党が語ったことを、国民はまだ信じているのかも知れない

 その後「みんなの党」は内部分裂を繰り返して消滅に至るのですが、民主党政権失速後は構造改革路線の継承者として、一時は候補を擁立さえ出来れば必ず勝つという人気ぶりでした。そして維新の源流でもある当時の大阪府知事、橋下徹は「みんなの党の渡辺喜美代表は僕がこうあるべきだと思っていることを進めている。渡辺代表の考えは1から100まで賛成」と賛辞を尽くしていたわけです。

 財政出動ではなく、何かを「ムダ」と見立てて叩いていく、そうした政治姿勢が国民に益をもたらしたことはありませんが、根強く支持を集めてきたものでもあります。この路線の担い手は小泉純一郎から民主党を経て、維新の会が現代における旗手となっているのではないでしょうか。そして、党勢を躍進させている……と。

 この結果は、今後の国政にどう影響を与えるのでしょう。今のところ自公政権は安定多数を確保しており、野党に怯える必要はないかも知れませんが、しかし将来的に議席を奪われていく可能性はあります。時に野党側の主張を取り込み、支持層の拡大に努めることは昔から行われてきましたが、そこで取り込みの対象となるのは「どの」野党の主張でしょうか。

 立民が自民にとっての脅威であるならば、自民が立民の政策を取り込んで自身の手柄にするという未来もあり得ます。しかし立民以上に維新の方が脅威と見なされるのであれば、政策の取り込みが行われるのは維新の方です。支持層が維新へと流出するのを防ぐべく、自民党が維新に政策面で妥協していく可能性は高まることでしょう。

 先に自民党の中で総裁選が行われたわけですが、最も国民からの人気があり、かつ最も財政出動路線からは距離を置いていたのが河野太郎です。岸田内閣が失速し変化が求められるようになったとき、改革路線・ムダ削減路線で維新と張り合えそうな看板が求められるようになったならば、一度は閣僚ポストから追いやったはずの人気者に逆襲を許す、そうして自民党が構造改革路線に回帰する、そんな将来もあり得る気がしますね。

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