非国民通信

ノーモア・コイズミ

極左党公約

2008-10-31 23:15:37 | 文芸欄

公約3

・年齢は非公開を原則とします

 

・老人党と同じバーチャル政党なので立候補はしません
・極左党代表代行:管理人(かん・まさと)と民主党代表代行の菅直人は無関係です
・自称中道と違って堂々と左に立つので暫定的に極左党ですが、
 他に良さそうなネーミングがあったら別の名前にしようと思います

 

 ←清くなくてもとりあえず1票を!

コメント (4)   トラックバック (1)

民間では当たり前だけど

2008-10-30 23:14:53 | ニュース

高校入試、茶髪・眉そりチェックし不合格 神奈川の県立(朝日新聞)

 神奈川県平塚市の県立神田高校(生徒数347人)が入学試験で選考基準になっていない茶髪や眉そりなどをチェックし、該当する受験生を不合格にしていたことが28日、わかった。県教育委員会の発表によると、本来の基準では合格圏内にいながら不合格にされた生徒は、過去3回の入試で計22人にのぼるという。

 県教委によると、この不正なチェックは05、06、08年度入試で校長の指示により行われた。対象項目は、髪の色やピアス跡、つめの長さ、眉そりやスカートの長さなど。こうした「裏基準」に基づき、教員が願書受付日や受験日に受験生をチェックした。

 県教委が公表している県立高の選考基準では、調査書と面接、学力検査を点数化し、合算した上位から合格を決めることになっており、身なりや態度は基準に含まれていない。今春不合格になった10人を含む計22人の不合格者について県教委は個別に事情を聴き、入学希望者がいれば受け入れる方針だ。

 色々な点で面白いニュースです。まぁ第三者にも客観的に判定できるような基準で合否を決める代わりに、ブラックボックスの中で「従順さ」を問うのは「民間では当たり前」でもありますが、この場合はどうなのでしょうね。

 とりあえず神奈川県の県立高入試は「公開型」と言うべきでしょうか、選考基準は公開されており、その事前に公開された基準を満たせば合格できる仕組みを是としていたようです。教員採用などでもそうですが、公務員の世界にはその傾向が強いですね、事前に定められた基準をクリアしているか否かで採否を決めることになっている、そういう運用でなければならないとされてきたわけです。実力主義とは本来、こういうものを指すべきです。

 しかるに県立神田高校では、非公開の「裏基準」を尺度として、告知することなく志願者を計っていた、これが問題になっています。だから基準を公開すればいい、なんて方向に話を進める人も出てくるわけですが、表だって「ツメの長さは何mm以内、スカートの長さは何cm~」と、公言することへの気恥ずかしさもあったのではないでしょうか。本当は他人の身なり服装に干渉したくて堪らない、抑えつけたくて仕方がないのに、その欲望にどこか後ろ暗さを感じていたからこそ、こういう結果になったような気がします。

 【合否判定に使われた主なチェック項目】 茶髪に染めた跡がある▽つめが長い▽願書受付日や受験日の態度が悪い▽願書提出時に軍手をつけたままで受け渡しをした▽胸ボタンを外している▽服装がだらしない▽ズボンを引きずっている▽スカートが短い▽まゆをそった跡がある▽化粧をしている

 それはさておき「願書提出時に軍手をつけたままで受け渡しをした」人がいるそうです。大物ですね。茶髪や眉剃りは、周りの流行に合わせようとするコミュニケーション意識の現われですが(こういう傾向の強い人の方が、すんなり会社に溶け込めるものです)、まさかファッションで軍手をつけていたわけでもないでしょう。むしろファッションの対極にあるのが軍手です。その軍手を敢えてつけたまま願書提出に踏み切る辺り、逸材と言わざるを得ません。でも、こういう本当に個性的な人どこでも嫌われるものなのですな。

 最後の「化粧をしている」というのも微妙です。これが会社勤めになりますと反対に「化粧をしていない」ことがマイナスの査定になるわけですから。遠からぬうちに化粧をすることを迫られるのに、化粧をするなと口にする、ある意味では「大人になれ」と言いつつ「子供でいろ」と要求しているような印象も受けます。まぁ会社が要求する「社会人」の価値観に挑戦する気概を持った教育者がそれを言うなら大したものですが、どうせ「ダメなものはダメ」ぐらいにしか考えてないでしょうから。

 

 ←応援よろしくお願いします

コメント (8)   トラックバック (3)

共産党の専従職員は「蟹工船」状態だそうで

2008-10-29 23:07:10 | 編集雑記

 たまたま週刊新潮の中吊り広告が目に止まったのですが、ちょっと気になったので立ち読みしてきました。今週の特集は“【ワイド】現代「貧乏物語」”です。その中の一つは「▼蟹工船ブーム「共産党」の専従職員は「蟹工船」状態」、何となくわかるような気はしますが、さてどういう切り口なのかな、と。

 共産党の入党者は近年まれに見る増加傾向なのですが、しかるに財政基盤の強化には繋がっていないそうです。党費として収入の1%を納めることにはなっているものの、低収入の入党者が多いために党費収入は党員数と違って増えていない、赤旗の発行部数も伸び悩み、その結果として党専従職員の待遇も悪化の一途にあることが伝えられています。仕事量は増える一方なのに、給料は増えないどころか遅滞も相継ぐとか……

 とりあえず労働条件を基準に考えるなら、共産党も立派な「ブラック」のようです。この点、皆様はどう思われるでしょうか? 週刊新潮誌上では、この専従職員の待遇の悪さに皮肉を投げかけています。搾取される労働者の状況を改善しようと訴えるなら、まず自分の足下の専従職員の待遇を何とかしたら?とばかりに。

 とりあえずこの点に関しては、私も週刊新潮と同意見です。自ら働く人の待遇を悪化させるなど、とんでもない話であり、これは改善すべきです。共産党は模範となるべきです。とはいえ、苦しい台所事情がそれを許さない……のかもしれませんが、それは民間企業でも定番の逃げ口上ですから、共産党がそれを真似てはいけません。同様に「やりがい」を口にして待遇面の問題から目を逸らそうとするのも、やってはいけないことです。

 財政上の問題、と言うのは物事の一面でしかありません。要因はもう一つ、財政上の理由と同程度かそれ以上に大きいものがあるのではないでしょうか。それはすなわち「民意」です。「民意」が低賃金、劣悪な労働環境を要求しているのなら、多数決の中で生き残るために、その民意に従わねばならない、だから専従職員の待遇も「悪く」しておく必要があるとしたら?

 例えばほら、カップラーメンの値段も知らない麻生総理の優雅なナイトライフに疑問を投げかけるマスコミがあったわけですが、ここで真の特権階級である麻生総理の贅沢ぶりはスルーしつつも、それを糾弾する報道関係者の高給ぶりをあげつらうような人も少なからずいるわけです。しっかりとした給料を受け取ることが、その人の主張への信頼を損ねるとしたならば、共産党としては党職員の給料を増やすわけにはいきませんよね?

 釜ケ崎の暴動で、抗議の先頭に立った活動家がいました。その人を大阪府警及び産経新聞は「一戸建ての住宅に住み、高級車に乗っている」と非難したわけです(真偽の程はさておき)。この非難が成り立つためには「一戸建ての住宅に住み、高級車に乗っている人は貧困層の味方ではない」という認識を必要とします。そしてこの認識を受け容れるとすると、貧困層の味方であるためには、自らも貧困でなければならないことになります。ならば党専従職員の待遇も今のままで据え置くか、あるいはもっと悪化させるかした方が、より「庶民の味方」のイメージを作れるのかも知れません。

 ゆとりある労働環境と、将来的な安心をもたらす十分な給与、これを用意できれば模範的な雇用主と言いうるはずですが、世間の評価は全くの正反対です。(実態と世間の認識のズレが大きいとはいえ)好待遇とされるマスコミや公務員への評価はどうでしょうか? ボロクソですね? そうです、それが社員であろうと専従職員であろうと、ゆとりある労働環境と十分な給与を提供することは、社会的な非難に値する振る舞いなのです。ですから既存の価値観の中で共産党が支持を広めようとするなら、党職員の待遇を改善するわけにはいかないのです。

 とりあえず公務員を叩いておいて、正規職員を非常勤に置き換える、雇用を不安定化させて低賃金で扱き使うほど、改革者として評価されるのが日本社会です(参考)。共産党がこの「民意」と対決し、その価値観を転換させることができるならいざ知らず、「民意」の支持を得ようとするのであれば、この頸木から逃れることは出来ません。我々の社会の世論は、党専従職員が(共産党が国民に約束するような)ゆとりある生活を送ることを許さないでしょう。だから共産党の職員は、貧乏でなければならないのです。

 

 ←共産党の応援もよろしくお願いします

コメント (11)   トラックバック (2)

都会の人は、よく歩く

2008-10-28 22:54:17 | ニュース

都市部の人は「よく歩き、肥満も少ない」 食育白書(朝日新聞)

 都市部の人は、よく歩き、肥満の割合が低く、地方は肥満の人が目立つ――。こんな傾向が、政府が28日に閣議決定した08年版食育白書で分かった。1日の歩行数を都道府県別で見ると、2千歩以上の開きがあった。

 1日の歩行数は全国平均で成人男性7525.5歩、成人女性6662.6歩。都道府県別で多い順に、男性が(1)神奈川8371.5歩(2)兵庫8281.2歩(3)東京8237.8歩。女性は(1)高知7777.5歩(2)兵庫7499.8歩(3)神奈川7371.4歩。

 歩行数が少ない順に、男性が(1)高知6173.1歩(2)山形6207.2歩(3)徳島6217.7歩。女性は(1)山形5214.8歩(2)和歌山5842.4歩(3)岩手6005.7歩。内閣府は「地方は車の利用が多いからでは」と分析する。女性で高知が最も歩行数が多いが、高知県健康づくり課は「階段を使うなど健康づくりを推進しているが、理由は分かりません」という。

 他の国でも同様のものがあるのかどうかは寡聞にして知るところではありませんが、日本は田舎信仰が強いわけです。都会は「悪」であり、田舎暮らしを理想とする、というより美化する傾向は強いですよね? ところが歩行数を見てみると、都会人の方がよく歩き、肥満も少ない傾向にあるとか。

 男性のワースト1位と女性のベスト1位をダブル受賞した高知県の存在が大いに謎ですが、それを例外とすれば都市部の住民の方が歩いています。都市部の方が弱冠、年齢層が若いことも影響しているかも知れませんが、やはり移動手段の違いが大きいでしょう。都市部では徒歩と公共交通機関を組み合わせた移動が主ですが、地方では自動車の利用が中心とするなら、今回の結果にも頷けます。駅やバス停までは歩くしかない(自転車もありますが)ですから必然的に歩数が増える一方、自家用車で移動するなら、庭に出るまでしか歩きませんからね。

 漠然としたイメージ、思いこみとしては「都会=不健康」であり、その対極にあるものとして「田舎=健康的」という位置づけがあると思います。ただそれは作られたイメージと言いますか、田舎暮らしへの憬れが入り交じっているような気もしますし、単なる懐古趣味、都市化が進んでいなかった(ように思われる)時代へのノスタルジーでもあるのではないでしょうか。

 今回歩行数が調査対象になっているわけですが、住民一人当りのエネルギー消費量などはどうなのでしょう。自分の足で移動する傾向の強い都市部よりも、車で移動する機会の多い地方の方がエネルギー消費量は多そうです。時に、田舎暮らしよりも都会で暮らした方が環境負荷は小さいのではないかと思われるのですが、いかがなものでしょうか。都市と同様、「効率」もまた「悪」のイメージが強いですが、それを否定するあまり、かえって環境負荷の高いものを推進していたとしたら……

 聞くところによると、布オムツも紙オムツも、環境負荷に大した差はないそうです。繰り返し使える布オムツの方が環境に優しいイメージが強いですが、洗濯に要する環境負荷は紙オムツを使い捨てにする環境負荷に劣るものではないらしいのです。ただ昔からあるものの方が「正しい」イメージがあり、新しく生み出されたものには「利便性のために○○を犠牲にした~」等の負のイメージが付け加えられる、それだけの話です。

 まぁ誰でも住みたいところに住む権利がありますから、地方に住みたければ地方に住み続けられることが最良です。ただ、本気で環境負荷云々を考えるのであれば、都市化、集約化も視野に入れる必要はありそうです。夜間営業を拡大して、昼間に集中する経済活動を昼夜フラットなものに近づけるなども、(人間には必ずしも優しくありませんが)環境に優しくなるためには必要ですね。農業/食料生産も然り、旧来のやり方を頑なに守って門戸を閉ざすだけのノスタルジーで乗り切れる時代じゃありません。地球に優しくなるためには、むしろ伝統的なものから人為的な方向へシフトすることが重要にもなってくるのです。

 

 ←応援よろしくお願いします

コメント (3)   トラックバック (1)

嘘はばれるもの

2008-10-27 23:16:05 | ニュース

裁判権放棄の密約文書を発見 米兵の事件処理で(共同通信)

 日本に駐留する米兵らの事件をめぐり、日米両政府が「重要な案件以外、日本側は裁判権を放棄する」と1953年に密約をしていた問題で、日米関係研究者新原昭治氏が、密約を記した文書を米国立公文書館で見つけ、23日午後、都内で公表した。文書は、53年10月28日付の日米合同委刑事裁判権分科委員会の議事録。密約の存在はその後の米側公文書などで知られていた。文書本体の公表は初めて。

 念のため解説しておきますと、この密約はアメリカでは開示済みであり、以前から知られていたものなのですが、しかるに日本政府が「存在しない」としてきたものの一つでもあります。密約は一人では結べませんから、その内容を知るのは日本政府だけではない、もう一方の当事者であるアメリカ政府も記録にとどめているわけで、そのアメリカは時効でもないでしょうけれど、古い密約はどんどん公開してしまう、日本政府がいかに情報を隠匿したところで、秘密はやがて明らかになる仕組みになっているのです。それでもなお密約の存在を認めていないのが日本政府でして、業を煮やしたのかどうかは知りませんが、ある研究者がアメリカから文書を探してきて公表に踏み切った次第が、このニュースです。

 この密約の内容自体ももちろん問題なのですが、いずれ明らかになることを、自ら公表せずに頑なに否定し続ける日本政府の姿勢もまた問題です。不都合なこと、触れて欲しくないことは「なかったこと」にしてしまうのが歴史修正主義者ですが、その手のロジックは元より日本政府の中に流れていたようです。

参考、
密約が多すぎる(Gazing at the Celestial Blue)

県警、機体差し押さえできず 軽飛行機は米軍所有(共同通信)

 沖縄県名護市で米軍人4人が乗った軽飛行機がサトウキビ畑に不時着、炎上した事故で沖縄県警は25日、米軍と合同で現場検証した。軽飛行機は軍用機でないが、米軍所有だったことが判明。県警は機体を差し押さえようとしたが米軍側は同意せず、米軍が解体して米軍嘉手納基地に運び、管理するという。沖縄県は、米軍に再発防止や捜査への協力、事故原因の究明と公表を要請した。米軍の対応次第では捜査が難航する可能性も。

 ……で、こういう事が起こります。珍しいことでもないですが。

寺に侵入、容疑の愛知県警巡査逮捕 「夜景見たかった」(共同通信)

 愛知県警守山署は26日、名古屋市守山区の寺院の敷地に無断で立ち入ったとして建造物侵入容疑で、同県小牧市、港署地域課巡査谷内洋介容疑者(25)と、同市、建設作業員水谷允弥容疑者(24)を逮捕した。2人は「寺が高台にあるので夜景がきれいに見えると思った」と供述しているという。調べでは、谷内容疑者らは26日午前0時50分ごろ、守山区の宗教法人が運営する寺院の敷地に侵入した疑い。

 まぁ米軍人でも頻繁に住居侵入で逮捕されていますから、地位協定云々とは特に関係のないニュースなのですが、色々と世知辛いな、と思ったので。問題の寺院がどういうものかはわかりませんが、お寺の敷地って、公園と同じような感覚で出入りしちゃいません? そりゃ私有地には違いないのでしょうけれど、もうちょっと門戸の開かれているイメージがありましたが。施錠された建造物の中まで入り込んだのならいざ知らず、敷地で夜景を眺めることすら許されないのでしょうか。なんだかジャン・バルジャンの物語も序章で終焉を迎えてしまいそうな勢いです。

 

 ←応援よろしくお願いします

コメント (4)   トラックバック (1)

大阪のあの人だけ賛成

2008-10-26 22:44:47 | ニュース

厚労相私案、29知事が反対=高齢者医療制度見直し-時事通信まとめ(時事通信)

 後期高齢者医療制度(長寿医療制度)の見直しに関し、市町村の国民健康保険(国保)を都道府県単位に再編した上で同制度と一体運営するとした舛添要一厚生労働相の私案について、47都道府県のうち29知事が反対していることが25日、時事通信社のまとめで分かった。都道府県を運営主体とすることに対し懐疑的な声が多かった。国への要望としては、医療保険制度の一元化を求める意見が目立った。

 調査は、記者会見やアンケートを通じ、厚労相私案への賛否を47都道府県知事に尋ねた。その結果、29知事が反対の立場を表明、17知事は「判断できない」など、回答から賛否が直接は読み取れなかった。賛成は大阪のみ。

 反対意見では、「市町村主体が実態に合っている」(山形)、「国保は財政状況が厳しく、運用を都道府県に一元化しても構造的問題の解決にならない」(富山)、「保険料徴収などは市町村が担わざるを得ず、責任主体があいまいになる」(高知)など都道府県を運営主体とすることに利点がないとする指摘や、「地方を巻き込んだ制度なのに事前の相談がまったくない。地方無視も甚だしい」(神奈川)といった説明不足への不満が聞かれた。唯一、賛意を示した大阪は「面倒だから嫌だと言って逃げてはいけない。地方の責任と言われたらやる覚悟はある」などと回答した。 

 後期高齢者医療制度を巡る舛添私案ですが、47都道府県のうち実に29知事が反対を表明、残る17知事も回答を留保しただけで、賛意を示したのは一人だけでした、というお話。後期高齢者医療制度への評価は留保するにしても(国民の側からはともあれ、自治体からすれば好都合な点も多いでしょうし)、こうも場当たり的に朝令暮改を繰り返されてしまうと現場は迷惑この上ないわけで、付け焼き刃の見直し案を出されたくらいで、はいそうですかと頷くわけにもいかないのでしょう。

 「市町村主体が実態に合っている」「国保は財政状況が厳しく、運用を都道府県に一元化しても構造的問題の解決にならない」「保険料徴収などは市町村が担わざるを得ず、責任主体があいまいになる」などと理由はそれぞれあるようですが、とりあえず過半数は明示的に反対です。残る知事も反対の姿勢こそ明らかにしないものの、かといって賛成するわけでもない、東京や宮崎からでさえも賛意を得られなかったようです。そんな中で、一人だけ賛意を示した人がいますね、何でも大阪だそうで。大阪としか書かれていませんが、あの人ですよね?

 唯一の例外として大阪のあの人が賛意を表しているわけですが、その理由は「面倒だから嫌だと言って逃げてはいけない。地方の責任と言われたらやる覚悟はある」だとか。ふ~む、何とも具体性を欠いた精神論のごときものです。そしてこの発言からしますと、どうやら橋下ワールドでは他の都道府県は「面倒だから嫌だ」という理由で「逃げて」いることになっているようですが……

 橋下は「面倒だから嫌だと言って逃げてはいけない」と口にするわけですが、他の知事は面倒だから嫌だと、それで反対しているのでしょうか? とりあえず山形や富山、高知の知事はそれなりに理由を示しているようです。むしろ「逃げてはいけない」「覚悟はある」と、猛々しいことを言うだけで賛成する理由を明示できない橋下の方にこそ思考停止がある、上からの命令には黙って従うものなのだと、そんな価値観が見えている気がします。

 それでもまぁ、橋下や舛添、昔年の小泉とかその辺の支持層の世界観からすれば橋下流の「設定」は受け容れやすいものなのかもしれません。すなわちトップに立つ首相/大臣/知事は覚悟をもって頑張っている、しかし中間にいる役人が「面倒だから嫌だと逃げている」せいで改革が阻まれている、そういう世界観を共有している人は今なお多いのではないでしょうか。

 中間層を悪者に仕立て上げることは、トップを批判から守る上ための常套手段でもあります。首相への批判を封じるために、首相を批判する新聞記者の給料を取り沙汰するのもそうですし、雇用側を免責するために格差拡大の原因は中産階級にあると強弁するのもそうです。そして本来の責任者たる人々が中間層を一緒になって非難することで「上」と「下」の連携が作られても来ました。小泉時代がもたらした「結果」への不満は高まるばかりの昨今ですが、橋下への支持を見る限り、同様の手法への支持は変わっていないようでもあります。

 

 ←応援よろしくお願いします

コメント (9)   トラックバック (2)

だから役所は難しい

2008-10-25 22:48:02 | ニュース

12道府県で計5億6300万円=旅費が最多-補助金不正経理で検査院指摘(時事通信)

 国から支給された補助金などの不正経理が12道府県で発覚した問題で、各道府県は20日までに、会計検査院から不適正と指摘された額を公表した。2006年度までの5年分の合計額は国費で5億6342万円。検査対象となった3費目では、旅費が2億6114万円と最多で、事務用品の購入などに充てる需用費は1億7161万円、臨時職員などの賃金が1億2074万円だった(旅費、需用費は内訳非公表の群馬分を除く)。

 不適正とされた手法は、(1)旅費で、県単独事業での出張に補助金を充てる(2)需用費で、年度内に支出した分を翌年度に納品させる(3)賃金で、事業本来の目的以外の部署に臨時職員を配置する-など。これまでのところ、私的流用は確認されていない。ただし、愛知で不正経理分とは別の公金が300万円、使途不明となっていることが分かった。

 今さらではありますが、こちらの話題です。要は「使い切らないと次年度からは予算を減らす」運用を改めて未消化分の次年度への繰り越しを認めたり、また使途に関しても自治体の裁量を認めるなど、より実態に即した形にすれば消滅する問題のようにも見えるのですが、とにかく現行のルールに外れるものは不正として扱われるようです。

 まぁ町や村でこの金額ならいざ知らず、全都道府県の合計で5億円ですから予算全体から見れば誤差にすらならないものでもありますが、金額が小さければ小さいほど取り沙汰されるのが世の常です。公務員叩きの「きっかけ」を探していた人にとっては慶事なのかも知れません。

 それはさておき、私の勤務先は官公庁との取引も多々ありまして、支払いに不安のない優良顧客である一方、事務手続きの面では細かい注文の多い、五月蠅い客でもあったりします。役所は融通が利かない~、というのが一般のイメージでしょうね。私もそんな風に思っていたわけです。しかるに今回の不正経理問題を見ていると、役所側にも相応の事情があったのであろうことがわかります。

 例えば、請求書に「保守契約料」などと印字されているとしましょう。この点をどうこう言ってくる民間企業には幸か不幸か出会ったことがありませんが、これが役所ともなりますと、本当にどうでも良さそうな理由で請求書が突き返されるのです。曰く「保守契約料、とあるが契約では支払いが出来ない、業務委託料(あるいは点検整備料とか)に書き換えてくれ」等々。

 何じゃそりゃ、と思いつつも、「支払いに回せない」ままでは話になりませんから、課長に承諾をもらって請求書を改竄するわけです。いかにもお役所仕事、融通の利かないイメージそのままではありますが、こうでもしないと不正経理になってしまうのでしょうね、きっと。外部の業者に業務を委託する、その料金を払うための予算で「保守契約料」を支払うと不正経理になりますから、そこで杓子定規にルールに従う役所の場合、制度に合わせて請求書の項目も書き換える必要があったようです。

 他には「修理代」で請求書を出したら、「今回は物品を購入したことにしたいので、○○部品代で請求書を出してください、それから物品の購入なので、納品書も作ってください」などと言われたこともありました。これも同様の理由でしょうね。「つべこべ言わずにさっさと払えよ」と請求側としては思うわけですが、物品購入用に使途の限定された予算で修理代を支払ってしまうと、これまた不正経理になってしまうはずですから。

 予算が年度で区切られているために、これまた請求書を改竄することになったこともありました。3月末に修理をして、その代金を4月頭に請求したわけですが、例によって役所から電話が掛かってきまして「昨年度の修理に対して、今年度の予算からお支払いすることは出来ません。修理日を4月以降に書き換えてください」と。「保守契約料」を「整備委託料」と書き換えるくらいなら解釈の違いで済まされそうなものですが、さすがに架空の修理日を記載するのは会社としても問題になりますので、断らざるを得ません。そうなると向こうも多少は譲歩して「では修理日を記入しないでいただけますか」となりましたけれど。こうでもしないと「(2)年度内に支出した分を翌年度に納品させる」ことになってしまうのでしょう。

 「今月中に支払えないと困るんです」なんて言われたこともありました。「支払ってくれないと困る」ならわかりますが「支払えないと困る」って何ですか? これから伝票を回して、それから請求書を出しますから、翌月末までに支払っていただければ結構ですよと、それが普通の流れなのですが、時にお役所からは「どうしても今月中に支払いたい」と頼み込まれることがあります。ふ~む、来月になってしまうとたぶん、使い切れなかった予算を返還しなきゃいけないのでしょう。そのせいか役所としては、請求書が届く前から払う気満々でした。そう言えば担当営業が見積書を出しただけで、社内で伝票が回るより早く支払われたこともあったなぁ……

 もちろん、融通の利かない役所ばかりじゃありません。請求書を送れば、特別なことはせずとも黙って支払う、融通の利く役所もたくさんあります。ただ、そうした融通を利かせてきた役所が、今こうして糾弾されているのだと思うと、まったくいい気はしませんね。

 

 ←応援よろしくお願いします

コメント (6)

首相「は」庶民でなくとも構わないらしいが

2008-10-24 23:04:57 | ニュース

「首相は安い店に行け」 高給番記者たちの「庶民感覚」(J-CAST)

 麻生首相が、毎日のようにホテルのバーや飲食店で過ごしていることについて、「『庶民感覚』からかけ離れている」との声がマスコミからあがっている。これに対して、麻生首相も「ホテルのバーは安全で安いとこ」などと反論。さらに、「(安い店に行って)営業妨害だって言われたら何て答える?聞いてんだよ。答えろよ」などと、記者に向かって食ってかかる一幕もみられた。麻生首相が「ホテル会合」の正当性を主張する一方で、記者団からは「ホテルのバー通いが良くない」ことの積極的な理由が示されることはなかった。

 やるべきことをやっている分にはアフター5をどう楽しもうと勝手ですがね。しかし同じことを公務員がやったのなら嬉々としてバッシングに走るような連中が麻生擁護に回っている図は、いつものこととはいえ失笑ものです。さらに言えば麻生氏は先だってスーパーマーケットを視察するなど「庶民感覚」をアピールしようとしていたばかり、それなのにこの言動では昼間の言を夕方に翻すようなもの、もうちょっと行動に一貫性を持たせたらどうかと私などは思うのですが、この国ではダブルスタンダードは当たり前なのでしょう。

 麻生氏自身が庶民感覚を装おうとしたように、「庶民感覚」のニーズは紛れもなく存在します。それが必要なものかはさておき、そういう「装い」は国民から要求されるものなのです。とはいえ、小金持ちを忌み嫌いつつも、本当の特権階級には優しいのが美しい国の伝統ですから、麻生氏のリッチな生活ぶりに非難が向くことは当面ないのかもしれません。

 首相が「庶民」であることが必要な理由は明らかにならないままで、記者と首相のやり取りは、かみ合わない状態が続いている。

 もっとも、取材する側も、「『庶民』とは程遠い」との指摘もある。例えば給与面を見ただけでも、朝日新聞社社員の平均年収は1358万円。幹部クラスなら2000万円プレーヤーだ。比較的経営が厳しいとされる毎日新聞でも、870万円。なお、国税庁の調べによると、07年のサラリーマン平均収入は437万円だ。

 首相が「庶民」である必要はないと私も思うわけですが、国民が「庶民」を求めているのであればどうなのでしょうか。たとえば死刑制度を固持する必要性はどこにもないわけですが、「国民の支持」を理由に死刑制度の堅持を正当化してきたのが日本流です。ならば国民が「庶民感覚」を求めているときに首相が庶民であることを要求するのは、少なくとも一貫性の面では間違った行動ではありません。それが国民の声です。この点では引用元であるJ-CASTの報道よりは筋が通っていますね。

 さらに言うなら、このJ-CASTの記事は「取材する側」の「庶民」であることが必要な理由を明らかにしないまま、非難の矛先をすり替えようとしている点で二重に一貫性を欠いています。首相は庶民でなくとも一向に構わないが、取材する側は庶民でなければならないとでも言いたいのでしょうか。生まれながらの特権階級が贅を尽くすのは問題ない、むしろそれを批判するのが無粋、だが普通の人が裕福になるのは許さない、そんな発想ですね。

 まぁ新自由主義万歳の朝日新聞には少なからぬ不満もありますが、働く人にしっかり賃金を支給しているという点では、模範的な雇用主ですね。従業員に利益をきっちり分配しているところは褒め称えられるべきです。それがどうしてか、働く人に払うべきものを払うと非難されるのも美しい国です。たぶん、それとは対極にあるもの、すなわち働く人に払うべきものを払わない組織こそが理想なのでしょう。その理想に着々と近づいてきた結果が今です。

 後はそう、自らも貧乏ではないと貧乏人のことはわからない、貧困問題に取り組む資格はない、そんな「信念」を持っている人が少なからずいるせいもあるでしょうか。この信念に沿って考えると、しっかり給料をもらっている新聞記者が庶民の立場に立つ資格はない、ということになるわけです。こんなものは鼻で笑っておけばいい、と片付けたいところですが、大真面目にそう考えている人もいますからね。

 ただ実績からすると、貧乏人の方が自分をわかっていないと言うべきか、中産階級より貧困層の方が明らかに自民党支持は強いわけです。貧困層の方が自分の首を絞めがちで、「庶民」にとって望ましい選択は何なのか、少なくとも統計上の実績としては、中産階級の方が理解している人の割合は高かったのですから。「俺たち(貧乏人)のことは俺たちしかわからない」と言って連帯を拒み、カルト的な思考パターンを繰り返した結果が、現行の政権を下支えする結果にもなったのでしょうかね。

 

 ←応援よろしくお願いします

コメント (11)   トラックバック (5)

ちぇんじ

2008-10-23 22:56:24 | ニュース

マケイン陣営、国連ロシア代表部にも「献金のお願い」(朝日新聞)

 国連のロシア代表部は20日、米共和党大統領候補のマケイン上院議員の陣営から献金を求める手紙を受け取ったとして、「ロシア当局者や政府は外国の政治活動に財政支援はしない」と異例の声明を発表した。過剰な反応に、国連では「グルジア問題などをめぐってロシアに厳しい態度をとってきたマケイン氏への意趣返しでは」との見方が出ている。

 ロシア代表部報道官によると、手紙は9月29日付で、今月16日にチュルキン国連大使あてに郵送で届いた。同代表部が公開した手紙は、民主党のオバマ候補が多額の献金を武器に「共和党候補の追い落としを図っている」として、対抗するための資金提供を要請。35ドル~5千ドルの献金額を書き込んで返信する用紙が添えられていた。

 一部のヒラリー支持層がマケイン陣営に回るなどもあってか一時は伯仲したこともある両候補ですが、結局はオバマが持ち直し、マケイン陣営はジリ貧のようです。そんな余裕のなさも相俟ってか、マケイン陣営はロシアのチュルキン国連大使に献金を求める手紙を送ってしまったそうです。そんな一幕をよりによって声明という形で暴露されてしまいますた、というお話ですね。

 なんでも「ロシアに厳しい態度をとってきたマケイン氏への意趣返しでは」という見方もあるようです。それもあるかもしれませんが、次の大統領が誰になるか趨勢が明らかになっている以上、どちらと仲良くしておきたいか、これも明白ですよね? 次期大統領候補とよろしくやりたければ、その対立候補とはきっぱり距離を置いておいた方がいい、それも「国益」を考えた判断でしょうから。

「米に代わり日本が仕事」=大統領選後の政治空白で-麻生首相(時事通信)

 麻生太郎首相は20日夜、都内で開かれた首相を支持する自民党有志議員による「太郎会」の会合に出席し、11月初めの米大統領選で選ばれた次期大統領の就任式が来年1月であることに触れ、「米国は政治空白になる。日本はその間、(米国に次ぐ)『ナンバー2』としての仕事をしたい。諸外国からもそう期待されている」と語った。 

 しかるに、先が見えていない人もいます。この「太郎会」がどこのバーで開催されたのかは知りませんが、ともあれ「米国に次ぐ『ナンバー2』としての仕事をしたい」そうです。それが具体的に何を指すのかは語られていませんが、現行の「国際貢献」を続けるということでしょうか。それはブッシュ政権下でこそアメリカの意に沿った仕事かもしれませんが、次期大統領の方針から逸脱する可能性も濃厚です。先が見えていないと、米国の忠実な追従者だったつもりが、いつの間にかアメリカも眉を顰める暴走犬になってしまいますよ、と。

米大統領選「投票できるならオバマ氏」8か国共同世論調査(読売新聞)

 読売新聞社は9月中旬から10月中旬にかけて、英ガーディアンなど7か国の新聞社と共同で、対米意識に関する世論調査を実施した。

 11月の大統領選で投票できるとしたら、共和党のジョン・マケイン上院議員と民主党のバラク・オバマ上院議員のどちらの候補に投票するかを聞いたところ、日本を含む8か国すべてでオバマ氏が多数となった。

 そうは言っても、日本ですらマケインよりオバマ支持の方が多いようです。「えーマジ共和党支持!?」「キモーイ」「共和党支持が許されるのは去年までだよねー」「キャハハハハハハ」としか言いようがありません。しかし、どこかに味方はいるもので、例えばこれ、

アルカイダ支援者はマケイン氏支持? サイトに意見投稿(朝日新聞)

 国際テロ組織アルカイダの支援者らが意見交換するインターネットのウェブサイトに、共和党の大統領候補マケイン上院議員を支持するという意見が掲載された。11月4日の投開票を前に、「敵」であるイスラム過激派からの予期せぬ「支持表明」を受け、マケイン陣営は困惑気味だ。

 22日付の米紙ワシントン・ポストやAP通信など複数の米メディアが報じた。「ブッシュ大統領による『失敗の行進』が続くよう、アルカイダは来る大統領選でマケインを支持しなければならない」という内容。イスラム過激派の常連投稿者が書き込み、20日に掲載された。米監視グループが翻訳して明らかになった。

 投稿は、アルカイダが米国を罠にかけ、資産を使い果たさせて米経済を破綻に誘い込んだ、との考えを披露。これからアルカイダが米国にテロを仕掛ければマケイン氏が巻き返して当選するかもしれず、そうなれば同氏がアルカイダへの報復行動を余儀なくされて米国はさらに疲弊する、としている。

 ネタ色の強そうなサイトが元にも見えますが、監視グループが付いているからには、それなりにマジなのでしょうか。ともあれアルカイダはマケイン支持だそうです。それは頷けますね。「テロとの戦い」なんていくら続けられたところでアルカイダからすれば深刻な危機ではありませんし、むしろアメリカへの反感が高まることでアルカイダ支持を広めることが出来ますから。アルカイダはどうせなら自民党支持も表明したらいいと思いますね。

 「アルカイダが米国を罠にかけ~」は、そこら辺のスピリチュアルな預言者が口にするような結果論に過ぎませんが、「アルカイダが米国にテロを仕掛ければマケイン氏が巻き返して当選するかも」というのは、あながち的外れではありません。現に、9.11のテロがあったからこそブッシュ政権は国民の支持を集められたわけですから。それは北朝鮮が核ミサイル実験を強行したことで、安倍内閣の支持がピークに達したのと同じことです。危機を煽っては「戦い」を訴える政治家と、その戦う相手は常に支え合っているのです。テロの脅威が高まれば高まるほど、猛々しい政治家が支持を集め、そこで戦争でも起こればどこかの国が破壊されてテロリストの活動の場が広がる、そういうものなのです。テロリストの脅威に乗じて支持を集めるような政党、候補に靡かないことこそ、むしろテロとの戦いと呼ばれるべきではないかと思うのですが。

 

 ←応援よろしくお願いします

コメント (7)   トラックバック (3)

正社員でありさえすれば……

2008-10-22 23:12:58 | ニュース

痛みの社会で(1)若者直撃 見えない将来(朝日新聞)

 報われない。どうしてこんな目に遭うんだろう……。10月上旬、高松市内のファミリーレストラン。取材で会った男性(35)は手元に広げた勤務表を見ながら深いため息をついて言った。いたたまれない気持ちになった。

 7月、人員整理にあい、正社員だった勤め先の宅配ピザ店を解雇された。「クビ? いつですか。そんなの仕事がないです。暮らしていけません」「3日後だ」。たったそれだけだった。目の前が真っ暗になった。

 6年半の間「正社員」としてもくもくと働いてきた。ピザ焼き、売り上げの管理、アルバイトの差配。店を切り盛りしてきた。働く自覚と誇りがあった。

(中略)

 勤務は楽ではなかった。正社員は自分と店長の2人だけしかいない。休日出勤は当たり前。毎日5時間以上残業した。残業代はもらえず年収は約240万円に据え置かれたが、頑張った。正社員と思ったからだ。妻も子どもと実家に戻るなどして生活をやり繰りしてくれた。

 「正社員でありさえすればいい」という基準でよければ、それなりに仕事はあるものです。ただし内容は推して知るべし、ですね。正社員になったら手取りが減った、1時間当りの給料がバイト以下になった等々、間口の広い企業とはそういうものです。「若者はなぜ3年で辞めるのか?」なんて本もありますが、そりゃあ労務管理の出来ている会社の話であって、入社3ヶ月で社員の半分が入れ替わるような職場だって珍しくはないのです。

 ちなみに毎日5時間以上残業して休日出勤は当たり前だそうで、1日の労働時間は13時間強で、毎週6日の勤務とすると1月の労働時間は(13+α)×6×4≒320時間ぐらいでしょうか。これで年収240万円ですから、1時間当りの給与は625円です。面倒なので残業に対して支払われる割増分を省いても、時給は僅かに625円相当にしかなりません。保険料や福利厚生費など給与外のコストをここに加えるとしても、せいぜい700円を僅かに超える程度ですから、ふ~む、どう見てもバイトより安上がりです。

 あるんですよね、こういうことが。バイトや派遣社員には残業代を払いつつ、正社員の残業代は公然と不払い、こうすることで時に給与の逆転現象が発生します。飲食店や小売店業界では、それなりに散見されるケースではないでしょうか。派遣社員は高く付くから、と派遣社員をクビにして新入社員にサービス残業させたりとか、色々な面で本末転倒な事例には事欠きません。

 まぁ、派遣会社の強弱に拠るところもありますね。ともすると派遣会社が強くなるのは好ましくないように見えるわけですが、それはあくまで派遣社員と派遣会社の力関係の話、そうではなく派遣先企業と派遣元企業、この両者の力関係を考えた場合は派遣会社を強くした方がよいわけです。派遣会社が強ければ、派遣社員が残業した分の残業代はきっちり派遣先に請求して、その7割は働く人に回ってきますから。一方で派遣先をそのままにして派遣会社だけを弱めてしまいますと、立場の弱い派遣会社は残業代を請求・回収できず、残業分はサービス扱いに……

 それはさておき、冒頭の男性(35)は何でクビにされちゃったのでしょうね。バイトより安上がりで、「正社員だから」という理由で無理も利かせ易い、雇用側にとってはバイトより正社員の方があらゆる点で好都合にすら見えるのですけれど。残る一人の店長に2人分働いてもらおうという魂胆だったのでしょうか。店長だって使い捨てですから。

 もし私だったら、こんな仕事は自分からさっさと辞めてしまうところですけれど、6年半もバイト以下の給料で働いてきた正社員氏、「正社員」という言葉に惑わされた結果なのでしょうか。非正規雇用の問題もまた大きいのですが、そこを悪用する人もいるわけで、「正社員でありさえすれば……」と思いこませようとする風潮もあるわけです。そこで「正社員であること」そのものに過剰な価値を持たされてしまうと、「どんなに待遇が劣悪でも、正社員でいることが大事」となり、バイト以下の給料で扱き使われる、それが本人の承諾の上で行われることにすら繋がってしまうのかも知れません。

 

 ←応援よろしくお願いします

 

 しかし標題にあるように35歳でも「若者」カテゴリで論じられているわけですが、「若者」の指し示す範囲が格差や貧困の拡大と同じくらいの勢いで広がっているような気がしないでもありませんな。

コメント (12)