非国民通信

ノーモア・コイズミ

密漁と密輸を取り締まった結果

2014-12-30 22:04:03 | 社会

タラバガニ:密漁防止で価格高騰…日露協定発効で流通減(毎日新聞)

 北海道を代表する味覚、カニの価格が高騰している。一番人気のタラバガニはロシア産が大半を占めているが、オホーツク海でのカニ密漁・密輸防止のための日露2国間協定が今月発効した影響で、品薄になるおそれがあるからだ。年末年始の需要期を迎え、消費者や販売店から悲鳴が上がっている。【野原寛史、遠藤修平】

 

カニ不足、年末年始を直撃 札幌の市場、仕入れ確保に苦慮 日ロ密漁・密輸防止協定(北海道新聞)

 今月10日に発効した日ロ両政府のカニ密漁・密輸防止協定の影響で生じたカニ不足が、歳末の需要期を迎えた札幌の小売市場にも波及している。鮮魚店などでは、ロシア産が中心だったタラバガニなどの仕入れ量が激減し、常連客の注文すら断らざるを得ないケースも出てきた。年末年始の食卓をにぎやかに飾る花形食材の窮地に、関係者は気をもんでいる。

(中略)

 吉田好孝社長(53)は「カニ商戦は、この時期が一番の書き入れ時。国際的な動きが、庶民の生活にも響いている」と話す。

 

カニ、タコ、エビ…円安で正月用品も値上がり(産経新聞)

 円安による原材料費や輸送費の高騰などの影響で、食品などの値上げが続く中、正月用品のカニやタコなどの価格が上がっている。水産物は輸入品の占める割合が多いためだ。年に一度、奮発して高級な商品を買い求める機会だけに、消費者にとっては厳しい年の暮れとなりそうだ。

(中略)

 カニ専門商社、築地蟹商(東京都中央区)によると、主因は円安だ。輸入タラバのほとんどはロシア産だが、取引にはドルが使われる。中村格彰社長は「キロ単価の高いタラバは、特に影響を受けやすい」とみる。

 

 ……と、毎日新聞と北海道新聞及びロシア絡みでは微妙にうるさい産経新聞が報道しているのですが、一紙だけ論調が違いますね。むしろイデオロギー色の強い朝日新聞の方が、円安でこんなにも消費者が苦しんでいる、それもこれもアベノミクスが悪いとか、そんな論調に持って行きたがるイメージですけれど、なぜか産経新聞が「円安のせいだ」と主張しています。一方で毎日新聞と北海道新聞は、密輸・密猟防止のための協定がロシアとの間で発行されたことを理由として伝えているわけです。ちなみに読売・朝日、時事通信には、それっぽい記事をweb公開分に見つけられませんでしたが、紙面で何かを見た方はいらっしゃいますでしょうか。

 しかしまぁ産経の主張はともかくとして、密漁・密輸が禁止された結果としてカニの価格が高騰するというのもまたツッコミどころのある話なのではないかと思います。密漁・密輸が禁止されると価格が上昇するのなら、今まではどうだったの?と。正規の手続きを経て市場に出回ったカニは高値になる、では今までの安値で買えたカニは何だったのでしょうね。それはすなわち、非合法に日本へ輸出されたカニが市場に出回り、日本の消費者に購入されていたことを意味します。カニの密漁・密輸が取り締まられると値段が上がるというのは、そういうことですから。これまでは密漁・密輸品だったから安かったのだと。

 自国が密漁・密輸品の売買市場であったことに、日本側の記者は何か思うところがないのでしょうか。密漁・密輸という非合法な行為が取り締まられると価格が高騰してしまうような商品の市場が普通に存在している、それは間違っても誇らしいことではありません。戦後の混乱期じゃないのですから、不法に漁獲され出荷された商品など自主的に排除してこそ法治国家というものです。それなのに国際的な非難を浴びるまで海洋資源の略奪を黙認し密猟者・密輸犯の顧客であり続けているようでは、日本が国際的に孤立したとしても全く不思議ではありません。「消費者や販売店から悲鳴」だなどとは身勝手も良いところです。

 まぁ日本的なモラルでは、消費者に廉価な商品・サービスを提供することこそが絶対の正義であって、その過程で法に触れる行為や非人道的な振る舞いがあっても気にはされないものなのでしょう。キャノンで有名な偽装請負もそうですし、外国人実習生・研修生という現代の人身売買制度もそう、サービス残業が当たり前で時給に換算すれば最低賃金を下回るような超長時間労働、ハローワークに届け出た求人広告とはかけ離れた待遇での雇用や非正規での使いつぶしに不当解雇等々、そうした悪行三昧の上に商品・サービスの価格を引き下げた会社が消費者から支持されてきた実績があるわけです。法律を守ったら経営が成り立たないと公然と言い放っては法規制を踏みにじる、そんな脱法企業が当たり前のように林立している我が国ですから、密漁・密輸品が普通に市場に出回っているのは不思議なことではないのかも知れませんね。

 

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凶悪事件が減少したからではありません

2014-12-28 11:12:04 | 社会

地裁で死刑判決、今年2件…凶悪事件減少が一因(読売新聞)

 全国の地裁で言い渡された死刑判決は今年1年間で2件で、18年ぶりの少なさだったことがわかった。

 凶悪犯罪が減り、治安が改善されたことが要因とみられる。

 今年、地裁で死刑が言い渡されたのは、象印マホービン元副社長ら2人が殺害された事件の西口宗宏被告(53)と、東京・銀座の資産家夫婦が殺害された事件の渡辺剛被告(45)(いずれも求刑通り)。読売新聞の調べでは、このほか年内に死刑判決が出る可能性はなく、1件だった1996年より後で最少となる。

 地裁での死刑判決は、2009年までの10年間で年平均12・3件。これに対し、裁判員裁判で死刑が言い渡されるようになった10年以降は年平均4・8件となっている。昨年、殺人の認知件数が戦後初めて1000件を下回るなど、治安が改善されていることが大きな要因とみられる。

 

 ……と、読売新聞が報道しているわけです。何というかまぁ、就職するための能力と良い仕事をするための能力の違いを痛感させられますね。勤務先でも、よくこんな人が会社には入れたなぁとしか思えない人が結構な地位に就いていたりしまして、たぶん出世するための能力もまた仕事で求められるのとは違う要素があるのでしょう。配偶者を暴行したり各種ハラスメントや継子の虐待に励むDV人間だって、この未婚率急上昇の時代に立派に結婚できていたりするもので、他人から評価されるための能力というものの異質性には興味深く考えさせられるばかりです。

 さて地裁での死刑判決数に関しては別に誤ったことが伝えられているわけではないのですが、報道で触れられていない部分に関してはどうでしょうか。「地裁での死刑判決は、2009年までの10年間で年平均12・3件」、これは正しいです。「10年以降は年平均4・8件」と、これも嘘ではありません。では1999年までの10年間はどうでしょう――1990年代の地裁での死刑判決は10年で48件、すなわち年平均4.8件です。おやおや、2010年代と変わりが見られませんね。

 ちなみに1980年代の地裁での死刑判決は年平均6.5件、1970年代は年平均5.8件です。1960年代までさかのぼると年平均13.8件となり、ようやく2000年代の平均値に近づきます。読売新聞報道では「裁判員裁判で死刑が言い渡されるようになった10年以降は~」と、あたかも死刑判決の減少に裁判員制度が影響しているかのような印象づけを行っていますけれど、その因果関係はあるのでしょうか。2010年代の死刑判決の件数は、1990年代のそれと同等です。際立つのは2000年代の死刑判決の多さであって、何らかの特異性が推測されるとしたら2010年以降ではなく、その手前のはずです。

 「凶悪犯罪が減り、治安が改善されたことが要因とみられる。」そう読売報道では伝えられています。確かに凶悪犯罪は減少した、死刑判決に繋がりうる殺人事件は認知件数ベースで1000件を切り戦後最小を更新したわけですが――凶悪犯罪とりわけ殺人事件の件数が減少しているのはこの半世紀の一貫した傾向であり近年になって始まったものではありません。死刑判決が1960年代と同レベルに多かった2000年代もまた多少の波はあっても長期的には凶悪犯罪の減少が続いていた時代です。しかし、治安が改善されても死刑判決の増えていた時代が、ほんの数年前には存在していたのです。

 読売新聞の記者には、その僅か数年前の記憶すらもないのでしょうか。殺人認知件数は2000件以上で犯罪による死亡者が3000人を超えていた1960年代と、殺人認知件数と犯罪による死亡者数が1000を下回る一歩手前まで減少した2000年代、凶悪犯罪の多寡や治安の程度には大きな差があるはずなのに、死刑判決の件数は同程度です。「凶悪犯罪が減り、治安が改善された」にもかかわらず死刑判決の急増した2000年代は遠い過去の話ではありません。いやしくも大新聞の記者であるならば、それくらいのことは踏まえて記事を書いて欲しいと思いますね。治安が改善されても死刑の増えていた時代は最近のこと、凶悪犯罪が減って死刑判決も減ったと書けばストーリー的には無理なく受け入れられそうですが、近年は必ずしもそうではなかったのですから。死刑判決が減ったのは、本当に治安が改善されたからなのでしょうか? そう主張するのなら、なぜ2000年代は違ったのかも語る必要があります。

 

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次世代の選択

2014-12-25 23:23:36 | 政治

大敗「次世代」存続の危機 安倍政権運営にも影(産経新聞)

 次世代の党が、衆院選大敗により結党からわずか4カ月で存続の危機に直面している。衆院の勢力は選挙前の19から平沼赳夫党首と園田博之顧問の2にまで激減し、発信力に優れた石原慎太郎最高顧問は政界を引退、離党の動きも出ている。政権とは「是々非々」で臨んできた次世代の後退は、安倍晋三首相の政権運営や憲法改正にも影響しそうだ。(内藤慎二)

(中略)

 慰安婦問題は首相が重視してきた課題だが、足元の自民党では大きなテーマにはならなかった。首相と次世代は「保守」という共通理念の下、与野党の立場を超えて役割分担してきたといえる。首相が目指す憲法改正でも、足並みをそろえたいところだった。次世代の後退は、政権にとって野党からの側面支援を失うことになりかねない。

 

 さて先の衆院選では民主党も共産党も議席を増やし、結局は「次世代の党の一人負け」だったわけですが、後者は産経新聞的に言わせると「安倍政権運営にも影」らしいです。曰く「野党からの側面支援を失うことになりかねない」とか。実際のところはどうなのでしょうね、数の上でも与党が圧倒的で、野党側の主張には自民党に輪をかけて酷いものばかりと、野党の攻勢で自民党政権が揺らぐ事態というのは全く考えられない昨今、与党筋にとって問題になり得るものがあるとしたら「身内の不祥事」が第一であるように思います。記憶に新しい小渕議員の事務所経費問題等々、「自分からボロを出す」ケースこそが自民党にとって最も「痛い」事態なのではないでしょうか。

 そうした観点からすると、次世代の党の衰退は自民党にとって追い風になりこそすれ、不利益にはならないと私は考えます。側面支援のつもりでも実際には後ろから弾を撃ってくるような無能な味方は、いない方がマシです。次世代などおらずとも自民党と公明党で与党は盤石、逆に次世代という余計な諍いの火種にしかならない荷物を抱え込まずに済むことはメリットでしかありません。ある種の人々にとっては「次世代」の方向に自民党が引っ張られて欲しかったのかも知れないですが、そうなれば日本が国際的な非難を浴び、恥をかくだけの話です。逆に、そういう方向に向かわなければ自民党に対抗できる野党は存在しない状態が当面は続くことでしょう。

 

選挙、10代のホンネ 選挙権、早く18歳に/一票で変わらない気が…(朝日新聞)

 若者は政治に関心がない。選挙のたびに指摘される“定説”は本当だろうか。選挙権年齢を18歳に引き下げる議論が進むなか、それぞれの立場で今回の衆院選に関わった10代の本音を探った。

(中略)

 ウェブ制作などを手がける福岡市のIT企業社長、吉田拓巳さん(19)は「急な解散で、どの政党も問題を先送りしている感じがした」と振りかえる。

 2012年衆院選の際、10代だけが投票できる疑似投票サイト「Teens Opinion」を立ち上げた。街を走る選挙カーがうるさくて、政治は「一方的に意見を言い続ける非合理なもの」と感じていた。双方向のネットを使えば面白い、と思いついた。

 

 ……で、引用元の朝日新聞では上記「Teens Opinion」が集計した10代の疑似投票結果も載っているですが、サムネイルが異常に小さくて何だか笑えます。朝日新聞的には、あまり注視して欲しくない結果だったのかも知れません。でもまぁ、不都合な結果でも敢えて隠さなかったところは日頃の報道に比べればマシな部類と認めるべきでしょうか。ともあれ朝日新聞も渋々ながらに紹介する10代の投票結果はどれほどのものなのか、以下にサムネイルではなく、ちゃんと拡大した画像を転載します。

 どうでしょう、20代以上の「大人」の投票とは、幾分か違った結果ですね。自民党が強いのは成人と一緒ですが、公明党は弱いですね。そして「民主<維新」という結果も出ています。未成年は、民主党よりも維新の方を好むようです。そして大人達の投票では見るも哀れな惨敗を喫した次世代の党ですが、ここでは8.4%の得票を得て民主党に肉薄する勢いを見せるなど、幼い人々からは決して見放されていないことが分かります。一般企業ならば定年退職している年代の人ばかりが集って「次世代の党」と称した当初は世間の失笑を買うことも多かったように記憶していますけれど、将来的に次世代を担う子供達からは一定の支持を得ていた、ある意味では確かに「次世代の」党であったのかも知れません。

 実際のところ、今年の東京都知事選でも候補であった「次世代」の田母神俊雄は中高年層からは概ね無視された存在でしたが、若年層からは広範な支持を得て60万を超える票を集めました。少なくとも「政治に関心のある若者」とは、そういう志向を持った人が多いと言うことなのでしょう。選挙に行かない、あるいは政治に関心を持たない若者の存在をこれ見よがしに嘆いてみせる論者は多いですけれど、敢えて次世代の党なり田母神なりへの支持を表明しに行く若年層が、無関心でいる層よりも立派で希望の持てる人々であるとは私には思えませんね。

 似たようなものでは若者の読書離れ(本離れが進んでいるのは若年層だけではないというのはさておき)みたいなことも言われますが、昨今は中国・韓国あるいは福島などへの差別を煽るヘイトスピーチ本が大いに売れているわけです。差別主義者には、そうでない人よりも読書家が多いのかも知れません。しかしまぁ、本を読まない若者を「けしからん」という人もいますけれど、じゃぁヘイト本なり似非科学本を読みあさって出版業界と書店の売り上げに貢献しているような人々が、本を読まない人よりもマトモな人かと言えば、それも違うだろうな、と。

 ちょっと脱線しましたが、20代や10代――その中でも政治に関心があり投票意欲の高い人――には、中高年層とは異なった支持傾向が見られるわけです。投票年齢を引き下げ、若年層に重点的に投票を呼びかけ、一票の格差是正と称して過疎化の進む(若い人の少ない)選挙区から若い人も多い都市部に定数を移す、その行き着く先はどうなるのでしょうね。進学率が上がって親に扶養されて学校に通う時期は長くなり、晩婚化が進み子供を持つ年齢も上がり、年金支給年齢も上がって定年も後ろ倒しされ、平均寿命も今の選挙制度が作られた頃に比べれば飛躍的に高まりました。人生のライフスパンは、後ろに大きく伸びているわけです。私にはむしろ、それに併せて選挙権を持つ時期が遅くなった方がバランスも保たれるのではないかと思われますが、選挙権に関しては人生の早い内に与えるべきとナイーブに信じている人が多いのは不思議な話です。

 

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私は「本場の」食材でもいいですけど

2014-12-23 21:36:58 | 社会

「餃子の王将」全食材を国産化へ…価格は据え置き(産経新聞)

 「餃子の王将」を展開する王将フードサービスは13日、数年以内に、こしょうなどの調味料を除く全食材を国産に切り替える方針を明らかにした。現行の価格を維持しつつ、食の安全を追求して競争力を高める狙い。

 王将は、10月に小麦粉やショウガを国産化し、主力のギョーザに使われる食材をすべて国産にした。第2弾としてラーメンで実施。メンマの材料であるタケノコを中国産から国産に切り替えて来年1月から販売する。他のメニューも順次切り替える。全店舗で実施する。

 王将では現在、中国産のキクラゲや韓国産のパプリカなど食材全体の2~3割に外国産を使っている。円安で輸入食材が値上がりし、原材料費はことし4月から半年で前年に比べ約5億円増えたことも国産化を急ぐ背景にある。生産が少なく調達が難しい場合は、代替の食材を導入する。

 

 少し前には餃子の材料を国産化するとか何とか報道されていた王将ですが、今度は全食材を国産化するとのことです。中華料理ならば「本場」中国の食材をアピールするというのもあって良さそうなものですけれど、中国人経営の中国料理店でも材料が「国産」であることを宣伝している店もあったりしまして、まぁ中国からの輸入食材全般に対する不信感というものもあるのでしょうか、だからといって「日本産」が「他国産とは違って」安全であると、そう鵜呑みにしてしまう人というのもどうなんだろうと私は思いますが。

 食材を国産に切り替えるものの、価格は据え置きだそうです。国産は高いイメージですが、必ずしもそうではないのでしょう。逆に記事でも触れられているように「円安で輸入食材が値上がり」という要素もあるわけです。民主党政権時代のエクストリームな円高であれば何でも外国から調達した方が安上がりでしたが、かつての安定値に為替レートの近づいた今となってはそうもいかない、加えて中国など輸出する側でも経済発展に伴う値上がりはある、労働力が既にそうなりつつあるように「国内調達の方が安上がり」になっていく部分もあるはずです。

 

なぜ中国とロシアは「遺伝子組み換え食品を追放」したのか? 地産地消を賞賛するワケ(WIRED.jp)

オーガニック食品を求める人々の意見は、科学的確信というよりは反西洋的感情によって動かされているように見える。オーガニックな生産物は、地域の独立した、モンサントのような多国籍企業に依存しない、より健康的で環境に優しい自立生産と結びついている。

数カ月前、ロシアも同様に、アメリカからの遺伝子組み換え食品の輸入はもう必要ないと告げた。メドヴェージェフ首相は、国はすべての市民のためにオーガニック食品──ただの食品ではなく、健康的で、見た目も美しく、ロシア産の──を生産するための、十分な空間と手段をもっていると説明した。そして、アメリカ人たちが遺伝子組み換え作物を栽培したいならば、彼ら自身がそれを食べればいいとまで付け加えた。

(中略)

要するに、ロシアや中国のような国々が、人々の遺伝子組み換え食品への恐れを利用して、地産地消のオーガニックな自立生産物への嗜好に好意的なのは、政治的都合によるものだということだ。これはイランも同様だ。生産物の80%はオーガニックで、彼の国への制裁はいままでのところ、西洋をより苦しめているように見える。

 

 実のところ「食」の問題はナショナリズムと結びつきやすいと言えます。差別や排外主義に否定的なつもりでいる人が、こと日本の食文化――曖昧模糊として捉え所のない――に対しては排他的優越意識を隠さなかったり、あるいはハト派のつもりでいる人が食糧政策に関しては他国との断絶を前提とした防衛策を盛んに訴えていたりするケースは珍しくありません。ここで名前の挙がっているロシアや中国など何らかの外交的な諍いを抱えた国の事例はどうでしょうか、「地産地消」なり「自立」なりはナショナリズムと相性が良い、諸外国との強調の必要性を薄めるものでもあるわけですが……

 もっとも王将のように食材を国産化する動きが広がったところで、日本式の食糧自給率が上がるかと言えば、そうもならないのが面白いところです。そもそも店頭で食材を買おうとなれば、「国産」が大半ですよね。よくよく考えると、そんなに食糧自給率が低いようには感じられなくなってしまう要素もあるのではないでしょうか。いったいどうして日本の食糧自給率は低いのか――それは偏に「家畜の餌が輸入だから」。輸入飼料で飼育されて得られた畜産物は、食糧自給率を計算する上での分子には組み込まれないわけです。王将で使われる豚肉も国産ではあるのでしょうけれど、その豚の餌は輸入、卵も国産ですが鶏の餌は輸入と、「国産」が使われても日本式の食糧自給率向上には繋がらなかったりします。まぁ食糧自給率なんて、どうでも良いと思いますがね。ロシアや中国のように他国と揉めるつもりでないのなら。

 

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結局はあまり変わらなかったわけですが

2014-12-21 11:33:58 | 政治

 さて衆院選はとっくに終わったわけですが、この結果をどう見るべきでしょうか。メディア報道の多くは「与党圧勝」みたいな見出しを掲げていたものですけれど、冷静に獲得議席数を見ると自民党は「微減」ですよね。野党にこそ大勝したものの自分の党の議席数を増やしてはいない、とりわけ沖縄選挙区では4戦4敗とザ・ニンジャよりも酷い戦績だったりします。もう一つ「躍進」などと伝えられる共産党は確かに議席増ですが当然ながら与党には遠く及ばない、一方で負けたかのように伝えられる民主党に至っては共産党と同じペースで議席を増やしてもいる、各党の「勝利」の基準は果たしてどこにあるのでしょう。

 正直、自民党が勝ちすぎなくて良かったと思う反面、民主党が議席を増やしたり維新が議席を維持したり、自民党の中でも小泉進次郎とか河野太郎とかが高い得票率を記録するなど、それもどうなんだろうと感じる部分は多々あります。まぁ結局のところ勢力図には大きな違いがなく、「何のために解散総選挙に踏み切ったのか」という疑問は深まるばかりです。強いて言えば「次世代の党の一人負け」なわけで、この結果はどこまで意図されていたのでしょうか。安倍内閣からすれば恐くも何ともない民主や維新よりも、「手を噛む飼い犬」的な側面の強い次世代の方が目障りなところはあったかも知れません。方向性には共通するところがあろうとも、号令を待たず手綱を振り切ろうとする連中は嫌でしょうから。

 

ビッグデータが導き出した第47回衆院選の議席数予測( ビッグデータレポート/ヤフー)

ビッグデータレポートチームでは、2013年7月21日に投開票が行われた第23回参院選の議席数予測を行いました。その結果、92%という高い的中率を得ることができ、多くの方からたくさんの声をお寄せいただきました。

そしてこの冬、2年ぶりの衆議院選挙が決定し、12月14日に投開票が行われることになりました。
これをうけてビッグデータレポートチームでは、今回の選挙においてもビッグデータを用いた議席数予測に取り組むことにしました。

 

 リンク先は「選挙前」の予測ですが、どうにも「結果」と照らし合わせてみると今回の的中率は今一つのようでした。結果を受けてのレポートが公開されないかと少し待ってみたのですが、現時点では動きがありません。ただ興味深いなと思ったのは投票率の違いによる予想獲得議席数の違いですね。上に引用したのは得票数が反映されやすい比例区のグラフですけれど、投票率が増えると民主が伸びて維新が減る、と見られています。投票率50%でも60%でも他の政党には目立った差が見られない一方で、民主は有意に議席を増やし、維新は沈むと予測されていたわけです。民主は浮動票に左右される要素が最も大きく、維新は固定票頼みで浮動票が増えると弱い――そう、ビッグデータからは読み取れます。

 実際にどうであったかは確かめる術がないにせよ、投票率が高まった場合に最も議席を増やすのが民主で、減らすのが維新との予想が生まれるデータが存在していたのは実に興味深いことです。政策的には似通った両者ですが、感情的に啀み合うところもあれば、支持層の傾向もまた異なるようです。政策面で相反する層からの支持を集めるのが得意な民主党と政策的に近い層からの支持を得る維新、みたいな傾向もあるのではないでしょうかね。そうした中で、投票率が上がった場合に多くの票を得る、すなわち浮動層の支持が厚いのが民主であり、浮動層の得票を見込めないのが維新であると、ビッグデータ上は見込まれていたわけです。

 維新は民主党が労組からの支持を受けていることをよく批判していますけれど、こうした得票傾向を見るに組織票の影響を受けにくいことこそ民主党の特徴ではないかと思われます。そもそも民主党政権時代の「実績」を鑑みれば民主党が労働組合員の便宜を省みるつもりなど微塵もなかったのは誰の目にも明らかなはずです。自民党ならもう少し、己の支持基盤の利益を考慮するものですが、民主党は党を支持する団体に見返りをもたらすようなことは皆無であったと言えます。ある意味で公正ですけれど――票を投じた人々の利害を代弁してくれない政党の存在意義があるとは、私には思えませんね。まぁ、労組が憎ければ労組の票を得るだけ得ては何の見返りも与えない民主党こそベストパートナーではないかと、維新関係者にはアドバイス差し上げたいところです。

 

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道具は良いものを使いたい

2014-12-18 23:03:55 | 雇用・経済

 もう結構な昔のことになってしまいますけれど、自衛隊員が職場に私物のパソコンを持ち込んで、そこから機密情報が漏洩するケースが相次いだなんてこともありました。2006年ぐらいから自衛隊も重い腰を上げて私有PCの持ち込みを禁止したりもしているようですが、探してみるとその後も問題は発生しているようです。そもそもが職場で必要なPC環境が整備されていなかったために発生したとの説もあれば、近年になって私物PC持ち込みで懲戒処分を受けた職員が「業務の利便性のために持ち込んだ」云々とも述べていたり等々、要するに組織が用意している道具では仕事に支障があったのでしょう。その辺は、私もよく分かります。

 近年は企業側も情報漏洩のリスクを気にかけるところが多く、スマートフォンなど携帯端末やUSBメモリなどの記憶媒体の持ち込みを禁止するエリアを設けるなど、運用ルールは事細かに作られているものです。もっとも、その流出させてはいけない情報を実際に操作するという重要な役目すらも、何の雇用の保障すら与えられていない非正規社員に丸投げしていたりする会社が目立つわけで、結局のところは「ザル」だったりしますかね。私の勤務先でも、その気になれば情報は持ち出せます。上の人間の目は節穴、やろうと思えばどうにでもなります。

 そしてセキュリティ意識の高まり云々とは裏腹にBYODだのと銘打っては、私物の端末を業務利用させようとする動きもあるのですから奇妙な話です。"Bring your own device"すなわち私有の道具を職場に持ち込ませるもので、主なターゲットは、携帯電話、スマートフォンですね。企業側が端末を支給するコストを削減して、それを従業員に転嫁できる、そこを狙って通信料金を業務利用と私的利用で別々に会計できるようにするサービスなどもNTTから売り込まれていたりします。業務利用の通信費は会社持ちならマシな方と思えるかも知れませんが、しかし会社の指定通りに使える環境を維持するために、特定ソフトのインストールやOSのアップデートが禁止されたりと、本来は個人の自由であるべき私物の使い方に色々と制限が課されるわけです。

 その辺はさておき、皆様の職場はどこまで「仕事で使う道具」を支給してくれますか? 流石にパソコンは、会社支給が多いですよね。携帯電話は会社のグレードを計る上で良い目安になりそうなところ、社給か私物を使わせるかでマトモな会社かそうでないかを判断できそうな気がします。制服は支給が一般的ですが従業員に金を払わせるところもある、実質的に業務に必須な服装――スーツなど――は自前で用意するのが当然視されてもいるわけです。文房具は、割と分かれますね。安いだけに会社で買ったものを自由に使って良いところもあれば、誰もが自前の文具を使っている職場もあったり。ただし文具の中でも不思議と電卓だけは、個人の持ち込み品が使われるケースが多い印象があります。

 仕事で使うものは会社が用意するのが筋だと私は思っていますけれど、一方で会社が支給する粗悪品では業務に支障があると感じることもまた多かったりします。弘法筆を選ばずとは言いますが、やはり道具は良いものを使わないと効率にも差が出るものです。職場に置かれているPCなんて、よくもこんなものを見つけてきたなと感心するレベルで酷いものが普通なわけで、これを私物で代用できたらどんなに楽になるだろうと嘆息してしまうことも少なくありません。職場に私物のPCを持ち込んだ自衛隊員の気持ちも、私は理解できます。特に事務職ともなればPCは主要な仕事道具なのですから、これをマトモなものに置き換えるのは当然ながら職場環境の改善になる、低コストで確実な業務改善に違いないと確信しているのですけれど……

 まぁ、劣悪なPC環境があってこそ、流行に付いて行きやすくなっているところもあったのかなと、強いて言えば思います。腱鞘炎製造器としか言い様がない劣悪なキーボードやマウスしか使ったことがないのなら、タッチパネル端末の操作にも目立って不便は感じないものなのではないでしょうか。もう目眩がしてくるような、色が付いているだけで斑模様の目立つ液晶モニタしか見たことがなければ、スマホやタブレット端末の画面も宣伝通りに美しく見えるに違いありません。どうにも私物のPC環境が基準になるとタッチパネル端末は使っていてストレスを感じるばかりなのですが、職場のPCと比べればそんな酷くもないのかなと感じますので。

 

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モテる人ってのは、そういうものなのかも

2014-12-14 23:07:17 | 社会

西島秀俊さんの厳しすぎる「結婚の条件」
守れなければ「離婚」されても仕方ない?(弁護士ドットコムニュース)

人気俳優の西島秀俊さんが11月に結婚を発表し、女性ファンたちに衝撃を与えた。西島さんといえば、以前から「結婚相手の条件が厳しすぎる」ということが話題となっていた。今回、その条件をクリアしたとされる相手の女性について、「完璧な彼女」という意味を込めて「プロ彼女」と呼ぶ声もあるほどだ。

週刊誌「女性自身」が報じた、西島さんの「結婚の7条件」は以下の通りだ。

・仕事のワガママは許すこと

・映画鑑賞について行かない

・目標を持ち、一生懸命な女性

・“いつも一緒”を求めない

・女の心情の理解を求めない

・メールの返信がなくてもOK

・1カ月半会話なしでも我慢すること

特に厳しいといえるのが、「1カ月半会話なしでも我慢すること」。ツイッター上では「西島さんなら許される」といった声がある一方、「1カ月半会話なしはひどい」「夫婦の意味があるのか」といった意見もあった。

 

 人気俳優の西島秀俊と言われても私には誰のこと何だか分からないのですが、こうしてニュースになるくらいですから人気があるのは間違いないのでしょう。無名の素人が同じことをやっても、それが報道されることなんてあり得ないわけで、まぁニュースバリューを認められるってことはそれだけ世間の注目度が高いということですから。たぶんまぁ、この人の突きつけた「結婚の7条件」を批判しているどの人よりも、モテる人なんだと思います。

 もちろん法的には合意の有無にかかわらず不当な契約というものがあって、当事者間の了解があろうとも法律上は認められない類も一応はある――ただし被害を被った側が法廷に訴えて出るだけの行動力があれば――のは確かです。その辺は引用元リンク先でも書かれてはいるところですが、とはいえ一度は「首を縦に振らせた」ことを盾にして相手に合意事項の履行を迫るような輩もまた珍しくありませんよね。会社の偉い人なんかにも、そういう人は多いのではないでしょうか。

 就職するためには、まさに「就職するための能力」があって、それが業務遂行能力とは随分と異なっていたりする、あるいは出世するためには「出世するための能力」こそが必要であって、これまた業務遂行能力とはかけ離れていたりするような気がします。大学で真面目に勉強するよりも、まさに就職することそのものへの努力を積み重ねた人が採用され、本当に必要な仕事をキッチリこなす人よりも出世することそのものへの努力を欠かさない人が昇進する、世の中は、そういうものです。で、いわゆる「モテ」に関しても同様ではないかな、と。

 まぁ世の中には異性から確実に「モテ」ている人がいて、モテていないとの自意識を持つ人からやっかまれていたりもするものですが、私が見るに「モテる人」というのは総じて「モテるための努力」をしているような気がします。モテる人は必ずしも生まれつき美形であったりスタイルが良かったり資産家であったりするとは限らない、むしろ「モテ」と「非モテ」の最大の差は「モテるための努力」にこそあるのではないかと思うわけです。「何もしないでもモテる人」なんてのは本当に一握りの例外であって、だいたいの人は「モテるための努力」によってトロフィーを獲得しているのではないでしょうか。

 何より「モテ」に必須なのは積極性で、逆に空から美少女が振ってくることを待っているような消極的な人がモテることはありえない、待ちの姿勢でいるのに自身がモテないことを嘆き、モテている人や自分に振り向かない異性の陰口を叩いているような人は惨めだなと思うところですが、まぁ別にモテなくても構わないと考えるのなら、それはそれでアリなんじゃないかという気もします。もっとも、周りの大人のお仕着せやお見合いの盛んだった時代ならいざ知らず、恋愛結婚が当たり前であるように錯覚されている現代で若年層が「モテようとしない」と少子晩婚化が加速しそうではありますが。

 ……で、冒頭の西島秀俊氏のパターンもそうですし、他にも各種DV報道なんかを見ると、「酷い人もいるものだなぁ」と感じる一方で「それでも普通に結婚するという前段階があったんだよなぁ」と、その辺を興味深くも思うわけです。親が決めた、金で売られたなど本人の意思に反して強いられた結婚の成れの果てとして暴力やモラハラの類が発生するならともかく、一応は自立した人間が愛を育んだ結果として結婚という選択を選んだ、にも関わらず深刻な――時には殺人にすら繋がる――DVに発展しているケースはいくらでもあったりします。暴力なり言動なり手段はさておき配偶者を支配したがる、服従させたがるような人でも結婚はできている、そうした現実は不謹慎ではありますが、なかなか面白いですよね。

参考、偉くなる人が気にしていること

 まぁ会社でも、とんでもない馬鹿が高い地位に就いていたりするわけです。とても真人間とは思えないような思考しかできない人が大メディアの論説委員なり経営委員なりを務めていたりするのも珍しいことではありません。愚かなのに出世できたと言うよりも、むしろ愚かであるからこそ出世したのだろうと考えないと、絶対に辻褄が合いません。「モテ」も然り、たぶん相手の立場に遠慮して消極的になるタイプよりも、自分の理想を相手に押しつけていくような強引なタイプの方が需要はあるのでしょう。きっと西島秀俊氏の「結婚の7条件」を批判している人の大半はモテない人だと思います。

 

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もうすぐ投票日です

2014-12-11 23:07:41 | 政治

 さて衆院選の投票日も間近となりました。既に投票を先に済ませている人もいるかとは思いますけれど、今回もまた随分と結果の見えている選挙のようです。だったら、やる必要などないではないかと解散を決めた与党側に不満の一つも向けたくなるところですが、それは投票対象を決める材料としては些か弱いでしょうか。

 所謂「アベノミクス」も争点の一つと言いますか、まぁ安倍政権のこれまでを問う選挙にもなっているのかも知れません。私の査定としては――民主党政権時代よりは確実にマシ、ぐらいが妥当な評価ではないかと思っています。民間企業の現金・預金残高がうなぎ登りで内部留保が積み上がるだけだった民主党時代と、株価が大幅に上昇して各種社会保障基金の運用益も劇的に改善された安倍政権とでは、やはり雲泥の差があるわけです。現政権にも少なからず不安要素がありますけれど、前政権と現政権のどちらがマシであるかと問われれば迷う要素は皆無です。

 アベノミクスは大企業にしか恩恵がないと言い張る人も多いですが、しかし「それ以前」の政権の――ここには第一次安倍内閣も含まれますが――経済政策は、いったいどこに恩恵があったのでしょうか? 一部の人だけが助かるのは不公平で、全員が助からないのは公平だと、そう考えるのならアベノミクスは駄目な経済政策であり、民主党の主張も妥当だと言えます。しかし、全てではなく一部に止まろうとも景気の良くなる企業・業界が出てきたのは決してマイナスではないのではないでしょうかね。全面的にプラスではないから全否定、というのもどうかと。

 アベノミクスの恩恵に与る企業もある一方で、苦境に追い込まれている企業もあります。ワタミとか、ゼンショーとかが代表的ですね。これまでは人を安く働かせることでコストを下げてシェアを拡大する企業がデフレ時代の寵児として大いに栄えてきたものですが、そうした企業が曲がり角に立っています。まだまだ不十分と言えるところは多いですけれど、「これまで」に比べれば非正規雇用が安く買い叩かれにくくなった、その点は良かったと思います。それで潰れる企業が出るのは、むしろ良き淘汰と考えられるべきものです。

 主に二つの動機によって、アベノミクスは否定されていると言えます。一つは「自民党政権の業績を認めるわけにはいかないから」、もう一つは「消費税増税の悪影響を隠したいから」ですね。株価が上がれば社会保障の財源となるべき基金の運用益だって増える、経済成長を前提に設計されている年金制度の維持も可能になるだけに、左派からも「不十分」と言われこそすれ真っ向から否定される筋合いはなさそうに思えるのですが、それでも自民党の政策を認めるわけにはいかない層もいるのでしょう。

 そして民主党なり朝日新聞なり逆進課税の信奉者からすれば、昨今の景気の落ち込みの原因が消費税増税であってはならない、消費税増税が悪かったのではなくアベノミクスがダメだったのだと、そう強弁したくなるようです。やれやれ、安倍政権にも、消費税増税という民主党との約束を守るという致命的な失策はありますけれど、景気の急激な減速の要因から消費税増税を除外しようとしているような、そんなミスリードを計る政党には議席を与えてはならない、と思います。素直に消費税増税の過ちを認められない政党には、日本経済の舵取りを任せることなどできません。

 まぁ、民主党や維新の党が惨敗を喫して、それこそが民意なのだと民主党や維新の党とは真逆の政策へと自民党が進むようになるのなら、それは大いに喜ばしいことです。とはいえ、残念ながら消費税のさらなる引き上げという民主党との約束は将来的に守られることでしょうし、その他の選挙で否定された政党の政策もまた安倍内閣の方向性と一致している限りは避けられることもないでしょう。大勝した政党は、自分の好きなことをやるだけです。自民党側が「迂闊なことをやったら危ないな、趣味には走れないな」と、そう危機感を抱ける程度の結果になった方が良いのかも知れません。

 

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偉くなる人が気にしていること

2014-12-08 23:54:39 | 雇用・経済

管理職が気にするマナー違反、「渡した名刺をすぐしまう」が最多に(マイナビニュース)

「オフィスでのマナー」では、「渡した名刺をすぐにしまわれた」ことを気にする人が38.3%で最多。「名刺を渡したら、見ずにそのまましまった」(44歳/男性)の他にも、「名刺を片手で受け取られた」(52歳/男性)、「名刺を机の上に置きっぱなしにする」(42歳/女性)などを気にする意見が寄せられている。

 

 こうした名刺に関する拘りは日本に独特なもののようで、海外勤務の長い私の前の会社での上司は「外人はみんな適当だよ」と述べていました。まぁ日本の影響かどうかは知りませんが韓国辺りは比較的、日本に近い名刺の取り扱いも見られるらしいです。もっとも、日本人のこうした名刺観は極東の神秘とでも言うべきでしょうか、グローバリズムとは無縁な日本のビジネス環境を端的に表わしているようでもあります。

 

一流のビジネスマンなら覚えておくべき!海外における名刺交換マナー4選 - 名刺のネタ帳

●ステップ4(名刺を受け取った後・・・)
 名刺を「ただの紙」として扱われても、驚かない!

実は欧米の場合、名刺をメモ代わりに使ったり、ぞんざいに扱うことがあります。欧米では名刺というものは、「人物のインフォメーションが書かれた単なる紙片」と思われているからです。

 

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上司イラッ!失礼な年賀状1位は?(R25)

1位は「誤字脱字がある」(26.5%)。久々の手書きだとミスしがちなので、失礼のないよう入念にチェックを。周囲の“先輩世代”に聞いてみると「宛名に『達人様』と書かれていた。私の名前は達仁ですが」(28歳)という憤慨の声が…。

2位は「メッセージが上から目線でおかしい」(26.0%)。ポジティブな気持ちを伝えているつもりでも、受け取った側からすると偉そうに感じてしまう文言があるようだ。

3位は「字が汚い(乱暴な字)」(21.5%)。「読めなくはないが、あからさまな殴り書き。たくさん書いているのはわかるが…」(31歳)と残念がる声が寄せられた。字が下手でも、丁寧に書いていれば不快な印象は与えないはず。大量に書くときほど意識すべし!

4位は「すべて印刷されており、手書きがまったくない」(11.5%)。いくら誤字脱字がなくても、印刷だけでは手抜きに感じてしまうのが人情というもの。一言でよいので、メッセージを自筆で添えよう。

5位は「友人に送るようなカジュアルなデザイン」(10.0%)。変わったデザインで周りを楽しませよう…と企むクリエイティブな人もいるだろうが、型破りすぎる年賀状を上司に送るのは微妙。取材では「干支の着ぐるみを彼女と一緒に着た写真を送られた」(32歳)という声が…。

 

 冒頭で引用した記事に出てくる「管理職」は専ら40代以上ですが、こちらでは20代から30代の「上司」の声が紹介されています。私のように万年平社員どころか正規雇用にすら手が届かない下っ端からすれば「それがどうした」としか言い様がないのですけれど、私より年下であるにも関わらず既に「上司」として部下を持つほど社会的に成功した人々からすれば、色々と気になるものがあるようです。

 ここで管理職なり上司達の心の狭さや器の小ささを嘆いていても良いのですが、より建設的になるためには実際に会社で出世している人々から学ぶことにしましょう。現場の業務を動かす「部下」から見れば全くの役立たずでも、会社で人事権を持っている人の観点からは昇進に相応しい立派な人物である、そんなケースは少なくありません。会社の偉い人に評価されたからこそ地位を得ている人が何を気にしているか、それを理解することは自身の出世を望む上では不可欠と言えます。

 まずはグローバリズムなど糞食らえで、日本のローカルな習俗を大切にすること、冒頭で挙げられているような名刺の扱い方など、日本独自の奇習であろうと委細構わず細かいことまで気にすることです。そして年賀状でも(履歴書でもそうですが)手書きに拘ったり、枝葉末節に渡ってミスがないか重箱の隅を突いたりと、こうしたセンスの持ち主になりましょう。現に出世している人すなわち会社で評価されている人の振る舞いを真似れば、同僚や部下からは疎まれるかも知れませんが上からの覚えは悪くないはずです。

 無能な人間が高い地位に就いていると言うことは、その会社が無能な人間を高く査定していることを意味します。能力が低いからこそ出世できる、昇進できるような組織も実は少なくないのではないでしょうか。例えば日本の一流家電メーカーでもマイナスイオンだのプラズマクラスターだのとハッタリ商品を盛んに売り出している、あるいは大手食品メーカーでもトンデモ理論に阿ったいかがわしい健康食品を売りさばいているわけです。たぶん、似非科学のカラクリを見抜けるような人は出世できない、逆に似非科学の宣伝に抵抗を感じないだけの愚鈍さや知への不誠実さがあってこそ偉くなれる、そんな仕組みができあがっているのだと思います。

 新聞各紙でも論説委員とか高い地位に就いている人は総じて病院で頭を診てもらった方が良いのではないかと感じるレベルの妄論を連発していたりしますが、それもまた社内で評価されてきた結果だということを忘れてはいけません。なぜ馬鹿なのに出世しているのか――そう疑問に感じるとしたら、たぶん間違っているのでしょう。むしろ馬鹿だからこそ出世したのだと、そう考えた方が辻褄が合います。現実に昇進を重ねて地位を得ている人を見れば、時には愚かさや狭量さも肯定的に評価されるのだなと確信できるところです。

 

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この頃の気になった話題あれこれ

2014-12-06 23:11:50 | 社会

ふりかけ持ち込み、学校判断に 大阪市の給食食べ残し(朝日新聞)

 橋下徹・大阪市長は26日、市立中学校の給食食べ残し解消策として、生徒が「ふりかけ」を持ち込むことを学校判断で許可できるようになったと明らかにした。従来「塩分過多になり好ましくない」としてきた市教育委員会が市長の要望を受けて対応を改めた。

 ふりかけ持ち込みの是非は前日にあった教育委員との協議会で話題に上り、橋下市長は「ふりかけぐらい学校現場に委ねられないとなれば中央集権そのものだ」と方針転換を要請。これを受け、市教委は原則として学校の判断に委ねることにしたという。

 

 先日も取り上げました「味が薄い」と不評の大阪市給食ですが、橋下の「中央集権そのものだ!」との号令で「ふりかけ」が学校判断で許可されるようになったそうです。こういう、しょうもないところを大仰に騒ぎ立てるセンスも偉くなるためには必要なのでしょう。ともあれ、やはりご飯にはおかずでもふりかけでも、何か塩気が欲しいところですよね。高齢者だって塩分量に配慮した病院食は不味いと言う人が多いわけです。日本の食事にはたっぷりの塩が欠かせません。健康に配慮した減塩メニューは早くも頓挫の模様です。

 

がれき撤去でコメ汚染されず 昨夏の福島第1原発、規制委が実測値報告(産経新聞)

 東京電力福島第1原発で昨年8月に実施したがれき撤去作業で飛散した放射性物質が、20キロ以上離れた水田を汚染したとされる問題で、原子力規制委員会は26日、放射性物質の降下量の数値結果から、がれき撤去による汚染ではないと結論付けた。この問題は廃炉工程に大きく影響し、東電は1号機の燃料取り出しを2年遅らせる案を示していた。

(中略)

 東電は現在、1号機のがれき撤去作業の準備のため、建屋カバーの解体作業を進めているが、放射性物質の飛散問題で、作業は大幅に遅れている。

 

 一方この辺も昨年は、朝日新聞など扇動メディアが嬉々として飛びついていたのは記憶に新しいところですが、実際に細かく計ってみた結果、ガレキ撤去作業の影響ではないことが確認できたようです。しかし煽られた不安は現実を動かし、ガレキ撤去作業の工程も後ろ倒しに、廃炉作業の足を引っ張る結果にも繋がっているのですから、まぁ困ったものです。適当な嫌疑に尾ひれを付けては世間の不安を煽り立てる、そうした人々や新聞社だけがツケを払ってくれるなら、まだしも納得のいく話なのですが。

 

フィギュア:負傷出場「私でも出た」…羽生のコーチ(毎日新聞)

 フィギュアスケート男子の羽生結弦(ANA)を指導するブライアン・オーサー氏が1日、東京都内で毎日新聞の取材に応じた。11月の中国杯フリーの直前練習で中国選手と激突して負傷しながら強行出場した羽生の心情を「多分、私でも出たと思う。チャンピオンになるタイプの選手は自分が競うことができると感じれば絶対に出る。トップアスリートはそういう性質だ」と、理解を示した。

 

 なお競技の如何によらず、スポーツ選手は無理をしてしまうものです。監督なりコーチなりから「行けるか?」と言われれば、大半の選手は「行けます」と答えることでしょう。客観的には危険な状態でも、アスリートが自分自身で「ダメです」と辞退することは極めてまれと言えます。だからこそ、周りの管理が問われるのではないでしょうかね。選手が「まだやれる」と言おうとも止めなければならない場面がある、選手を守るためにセコンドはタオルを投げたり、監督はエースを降板させるべき時があるわけです。選手が「大丈夫です」と自己申告しているからと言って、それを良いことに無理をさせ選手を危険に晒すようでは指導者失格です。そんなわけで、羽生選手はコーチの変更を真剣に検討した方が良いと思います。

 

小田急新宿店の初売り夢袋 男を上げる「壁ドン」夢袋など、数量限定で(J-CASTトレンド)

 小田急百貨店新宿店では2015年1月2日の年始の初売りに合わせ、14年を思い出させるキーワードをテーマにした「小田急オリジナル夢袋」や、家族3世代で楽しめる「小田急スペシャル夢袋」を販売する。

 「小田急オリジナル夢袋」のひとつである「男を磨け!『壁ドン』夢袋」は、女性の憧れのシチュエーションとして最近話題になっている「壁ドン」がテーマ。相手との距離が縮まることを考えて、身だしなみを万全にするための男性向け夢袋だ。

 

 ちなみにこの「壁ドン」ブームって、凄く嫌だなと思います。一つには、元々の意味がねじ曲げられていること、二つ目は、いかにも「作られた流行」くさいところです。そして何より、こんなのが「女性の憧れのシチュエーション」などと持ち上げられるのもどうなのかな、と。まぁ、ちょっと強引に迫られてみたい(ただしイケメンに限る)と思う人はいるのでしょうけれど、この辺は男性目線から見た女性のレイプ願望云々みたいなのと似たようなタチの悪さを私などは感じるわけです。無批判に流行に迎合するコミュニケーション能力に秀でた女性も多いですが、こういうのは総スカンであって欲しいなぁ、と。

 

民・維、競合は22選挙区=野党「すみ分け」も効果未知数【14衆院選】(時事通信)

 衆院選公示が12月2日に迫る中、野党が進めてきた候補者調整が30日、ほぼ終了した。その結果、全295選挙区のうち、共産党を除く野党一本化が実現した選挙区は約190。約200選挙区で「非自公・非共産」候補が乱立して自民党を利した前回よりはすみ分けが進んだものの、約60で民主党、維新の党、次世代の党、生活の党、社民党のいずれかの候補が競合。民主、維新では22選挙区で公認候補がぶつかっている。

 

 ……で、「野党一本化」とやらが進んだそうですが、結果はどうなるのでしょうね。これで最も恩恵を受けるのは、維新でしょうか。議席減が予測されているとは言え、民主党との競合が大幅に減った分だけ本来の実力よりは多めの議席確保に繋がるであろうと考えられます。まぁ民主党を正直にしたのが維新の党みたいなところもありますので、民主と維新の提携はそれほど的外れではないのかも知れません。ちなみに「非自民」の結集を大義名分に共産党の排除と民主党への集票を訴えていたようなネット上の論者も少なからず思い浮かぶのですが、民主が候補を立てずに維新が第二勢力となっているような選挙区にどう反応するのが興味深くもあります。自民党の大勝阻止に最も有力な投票先として、維新支持を訴えるのなら、それはそれで筋金入りだな、と。確かに民主党の実際の方向性と最も近いグループだとは思いますが、感情面では党も支持層も啀み合う部分は多いですので。

 

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